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曲がり角  作者: 加藤無理
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辛い交際

 和男と吉田が職員室に入ると、吉田の担任が落ち着いた声で、

「話は皆から聴いた。君達はこれからどうするつもりなんだ」

 和男は無表情で、

「俺は吉田さんには手を出しません」

 吉田は様子をうかがっている教師達を睨み、

「他のカップルにも注意してくれませんか?中には一線を越えた人達もいるんですよ」

 和男の担任が腕を組み、

「例えば誰と誰だ?」

 吉田は五組ほど名前を挙げた。和男は驚いて目を丸くさせた。和男の担任は、

「その子達にもあとで話を聴いてみる」

 吉田の担任は頬杖をついて、

「朝倉君はともかく、貴方は恋愛よりも勉強でしょう」

 吉田は目をギロリとさせて、

「別れろと言うんですか?」

 二人の担任の後で話を聴いていたバレーボール部の顧問が、

「どうせなら部活の後に二人で毎日、勉強してみれば良い」

 吉田と和男が訝しそうにすると、顧問は、

「英語をやっている私なら教えてあげるけれど」

 吉田が苦い顔をする。和男は苦笑いしながら、

「先生はお忙しいのでしょう」

 顧問は頭を小さく振り、

「事務作業や授業の準備をしながらやるから大丈夫」

 担任二人も頷き、和男の担任が、

「俺も手伝いましょう」

 吉田は溜息を吐く。和男は、

「そうですか。分かりました」


 後日、教師達は吉田が伝えた五組のカップルにも同じ事を提案した。十人は猛反対した、

「余計なお世話です!」

「一種の人権侵害だ!」

「吉田の奴、俺達を巻き添えにしやがって」

「朝倉君があまりにも可哀想ではありませんか」

 教師達は困った顔をして、

「ここは一応、進学校だよ」

「恋愛なんて高校を卒業してからも出来るでしょう」

 それでも生徒達は最後まで反対した。教師達は呆れながらも、

「ほどほどにしておけよ」


 生徒達は和男と吉田を哀れんだ。特に和男には憐憫の眼差しを向けた。バレーボール部の一年生達は、

「吉田さんは勉強出来て良いだろうけどね」

「朝倉先輩は特に成績が悪くないのでしょう」

 柔道部の後輩達は、

「最早、苦行だよな」

「朝倉先輩が何をしたって言うんだよ」


 和男の同窓生達は、

「朝倉君。別れた方が良いんじゃない?」

「俺達と下ネタで盛り上がった方が楽しいだろ」

 和男は苦笑いしながら、

「仕方がない。俺は別れるつもりはない」

 休み時間でも坂東は相変わらず勉強をしている。時折、チラリと和男を盗み見る。和男は平然としている。


 居残りが終わると教師達は和男と吉田を自宅近くまで送って行った。それを知った吉田の両親と和男の両親は教師達に何度も礼を言った。


 その甲斐が有ったのか、二人の成績は良くなった。特に吉田の成果が如実に現れた。

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