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曲がり角  作者: 加藤無理
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困った高校生活

 中学一年生になった和夜は陸上部に入部した。けれども理由をつけてはなるべくサボるようにしていた。授業中の態度も良くなく、居眠りは珍しくなかった。


 教職員や先輩達はそんな和夜に呆れた。担任は、

「お前、お兄様と全然違う」

 和夜は困った顔で、

「人を比べるなんて酷いですね」

 陸上部の先輩の一人が、

「朝倉先輩は女の身体をしているのに、かなり男前だったぞ」

 和夜は肩をすくめて、

「兄弟でも人それぞれですよ」


 和夜は長距離を始めたが、女子よりも遅かった。女子達は和夜を嘲った。これには和夜もしょんぼりした。


 高校生になった和男は中学の時と同様に女性教職員用の更衣室と便所を利用することになった。保健体育も部活動も女子と共にすることになった。和男は最初、強く反対した、

「中学の時は保健体育も部活動も男と一緒でしたよ」

 担任も体育教師も頭を振った。担任は、

「高校になると中学の時以上に男女の違いが出てくるの」

 和男は肩を落としながらも渋々受け入れた。担任は、

「貴方の事はしっかりと皆に説明する」

 和男は首を傾げて、

「女達は嫌がりませんかね」

 担任は、

「責任持って話すから気にしないで」


 保健体育の時、二クラス合同で男子と女子に別れて行われる。和男よりも少し背が低いが和男よりも体格の良い隣のクラスの女子が和男に敵対心を燃やした。彼女は渡辺友香わたなべともか。中学生の時からバレー部員として活躍していた。


 徒競走で和男に負けると、

「チクショウ!」

 球技で和男が有利になると、

「クソ!」

 と、悔しがった。和男が率先して重たい荷物を運ぼうとすると、

「イチイチカッコつけるな!」

 と怒りながら荷物を奪い取って運ぶ。他の女子達は困った顔をしてそれを眺めている。


 夏休み前のある日の昼休み。和男が男子と一緒に談笑しながら食事をしていると、女子三人が食事を終えて勉強を始める男子の前に集まった。男子は無視して参考書の問題を解き始める。女子の一人が、

「坂東君。良子よしこが話したいことがあるから、廊下に出てくれる?」

 坂東は問題を解きながら、

「俺は忙しいからここで話せ」

 もう一人の女子が、

「察してよ!」

 坂東は無視する。三人の真ん中にいた桐原良子きりはらよしこが深呼吸すると、

「坂東君。私、貴方が好きなの。付き合ってくれる?」

「断る」

 坂東は即答した。女子二人が、

「は?」

「せめて顔を上げろよ」

 坂東はそのまま勉強を続けている。桐原は泣きそうな顔で教室を出て行った。女子二人は追いかける。教室にいた生徒達は目を丸くして坂東を見つめた。和男は真顔で坂東に歩み寄り、低い声で、

「何だ、その態度は」

 坂東は振り向き、冷たい声で、

「ここは勉強する所だぞ」

 と、言い終えると頭を戻して勉強を続けた。和男は肩をすくめて席に戻った。隣の席の男子生徒が、

「アイツ、ある意味すげえな」

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