ゲーム
俺たちは食事を片付けてまた教室へと戻る。
「さっきの続きやるんだよね?」
そう問いかけられた楓の質問に答える。
「いや、やらないよ」
「「え?」」
楓だけでなくゆりも驚いたような表情を浮かべる。
「てっきり心を抉るような質問をしてくると思ったんだけど」
楓とゆりは顔を見て頷き合っている。
「あくまで、現状を認識して欲しいだけだよ。」
「あんなに抉ってきたのに」
「まぁね。もっと重要なのがお互いを知るって事かな」
「もしかして、ひなちゃんみたく一緒に寝ようって事」
楓の反応が先程からぐいぐいくる様になった事を喜んで良いのか分からないが、コレも一つの結果だと受け入れる。
「普通に楽しめるゲームをしよう。以心伝心ゲームって知ってる?」
「流石に知ってるけど」
「ゆりは?」
「お題に対して、同じ答えにする様に答えるゲームでしょ?」
「そう!お互いに理解し合う事が大事だからね。一回やってみよっか」
「お題は誰が出すの?」
「一人ずつで良いと思うけど、楓はどうだ?」
「それで良いよ」
「じゃあ順番は時計回りで俺⇨楓⇨ゆりの順でいいな?」
「いいよ」
「任せる」
楓とゆりの返答を確認してからお題を出す。
「じゃあ、お題を言ったら2回手拍子をして解答しよう。動物園の主役といえば?」
パン、パン。
「パンダ」
「ぞう」
「ペンギン」
俺、楓、ゆりの順で回答する。
「え、ペンギン?」
「滉誠はどうやら文句がある様だね」
「いや、イメージ的に言えば水族館でしょ」
「そう言った枠に囚われた回答がダメだと思うな」
「おっと、解答を合わせる気がない?」
「はぁ、二人とも夫婦喧嘩してないで次行くよ」
「「してないからっ」」
俺とゆりの声がかぶり、恥ずかしくなって楓の質問を待つ。俺たちが静かになった事を確認して楓がお題を出す。
「寒い日に食べたくなる食べ物といえば?」
パン、パン
「「「鍋」」」
皆でおおーと言いながら拍手する。
「じゃあ、次はゆりだね。」
「オッケー、卒業式の代表ソングといえば?」
パン、パン
「「「旅立ちの時」」」
「俺の時だけ、揃わないのかい!」
俺はツッコミを入れる。そんな風に楓とゆりに話題を振りながら互いがどうな事に興味を持っているのか理解し出す。
さて、次のフェーズに行くとするか。