新キャラ?
みんな一回ヒートアップして疲れてるだろうし お風呂にでも行って、一回癒そうかユリがみんなの状況を見て今必要なことを提案する。
「賛成です。考えまとまらないです。 」
「私も賛成。一回自分の気持ちを整理したい。」
「俺も、少し考える時間が欲しい」
ゆりは、みんなを見渡してから頷く。
「それじゃー、みんなでお風呂に行こう!!」
ゆりはそう告げると、俺を追い出す。普通に着替えを持って行くならそうですよね。皆と入れ替わりで着替えを用意して、風呂場まで歩き出す。
「にしても、楽しみですね。お風呂」
ヒナがスキップをしながら進んでいく。歩幅が小さいせいで、丁度良いスピードなのが可愛く思える。
「大浴場って噂だからねー。私も楽しみだなっ」
キラキラッという効果音が出てきそうな顔で、上を見ているあたり、妄想を膨らませているのだろうと想像ができる。
「そうね」
ゆりだけは対照的に済ました顔で答える。きっと今でも対策を考えているだろう事が伺える。
「大浴場ってのは、日本人なら気になるもんな。上がったら待っててくれよ、ゆり」
少し驚いた表情でこちらを見る。俺を見つめた後、表情が和らいだ様子を見るとこちらの意図は伝わった様だ。
「滉誠は置いていっても、走って追いつきそうだし良いよねっ」
「そうですねっ、滉誠ならありえるです」
「いや、流石に可哀想でしょ」
それぞれの人柄が出る反応に思わず笑みを浮かべる。
俺たちが談笑をしていると向かい側から足音が聞こえる。コツコツコツッ。シルエットから女性が歩いてきた事が想像できる。
「おや、滉誠ではないか。それに、ゆりとヒナとちとせか。」
俺たちを見掛けて声をかけてきた人物は、白雪 永久だった。俺たちと明らかに違うのが、床に光の光線が引かれていない事だろう。
「こんばんは、白雪さん」
俺は真剣な表情に戻りつつも、フレンドリーさを表しつつ、彼女に挨拶を返す。
「君がこんなところにいるなんて珍しいものだね。みんなでお泊まりをするのなら、私も混ぜて欲しいものだ」
白雪は俺たち全員を視線だけを移動しながら確認して述べる。
「白雪さんには私たちが見えていないのかな?」
ゆりが無視されている状況に苛立ちを隠せない様だ。
「ゆりくん、人の話に割り込むのが不粋とは考えないのか?」
「逆に聞くけれど、チームの輪に入り込んでくる方が迷惑だと思いますが?」
白雪は淡々と話し、ゆりは感情を露わにして話す。
「もしかして、滉誠の事が好きなのかな?」
ゆりが揶揄う様に、彼女に問いかけるが白雪は堂々と告げる。
「好きではないな。けれど、これまで出会った男性で一番興味がある」
事実は事実であると、淡々と告げる様子にチームの皆が、未知のものに触れた様に、当惑した表情を浮かべる。
「単なる事実なのに、何を驚いている?なぁ、滉誠」
「リーダーとして告げるが、今はチームを優先したい。また時間をとって話そう」
「そうか、君が時間を取ってくれるとはありがたいな。楽しみにしておくよ。」
口元が僅かに緩み、無表情を崩した顔を見て皆が驚いた表情で見つめる。そんな事を気にしない様に彼女は去っていった。
「白雪さんが笑う姿、初めて見たです」
珍種に出会した様な、驚き顔を保ちながらヒナが告げる。
「すごく雰囲気のある人だね。私とは全然違うな」
素直に感心した表情をするちとせは心配になる程純情だなと感じる。
「いや、素直に変わってるでしょ。というか滉誠が何をしたらあんな好かれているのか謎なんだけど!!」
皆の視線が俺にぶつかるのを感じる。俺は観念した様に降参のポーズをとって告げる。
「白雪もダイバーを目指して落ちたらしい。三人いる中でも男性で一番初めにダイバーになった俺に理由を聞いてきたんだ」
「それで、なんで答えたの?」
ゆりが若干の苛立ちを含んだ目で見つめる。俺に当たられてもと思いつつ、冷静に答える。
「その、誰に対しても無関心な所が問題なんだろって」
「うわっ」
ちとせは声に出し、ヒナはそれはないなとジトっとした目線で俺を見て、ゆりはなるほどねと感心をする。
「だから言いたくなかったんだよっ。言い訳させて」
「滉誠さん、男らしくないです」
とても残念な男性を会われる様にヒナが精一杯腕を伸ばしてトントンと背中を叩く。
「荒れてたんだね滉誠も」
ゆりは流石に分かってくれるのか。
「いやっ、初対面の女性にそれはないでしょっ」
ないないと首を振りながら、ちとせがツッコむ。
「それくらいじゃないと、白雪には好かれないって事なんだね」
ゆりの中で整理がついたのか、また歩き始める。それに続く様に皆んながついて行く。
「それじゃあ、風呂に着いたら1時間を目安に出るって事で良い?」
話題を切り替える様にして、ゆりが提案する。
「問題ないですっ」
ヒナがピシッと敬礼をして反応する。
「OK」
ちとせは、右手でOKマークを作って同意する。
「1時間って結構長いな」
「「「はぁ〜」」」
皆のため息が、聞こえた。コレってデリカシーないやつだったな。そこで悟った。
「白雪さんとお似合いなわけだね」
ゆりが述べると、ちとせもヒナも頷いていた。そんな事を話しながら、お風呂につく。俺たちは、ばいばいと告げて風呂に入っていった。