63 後処理
63後処理
天文23年1554年 8月 後藤壱岐守
亀松丸様からは浅井賢政が浅井久政を捕えるとの事だったので後方への攻撃は控えめにしていた。蒲生兄弟が危ない箇所を支えていることもありこちらの布陣には全く問題ない。あとは時間の問題だが、どうなるだろうか。油断せずに軍を少し前に出すと小谷城側にいた本陣近くの兵100程が戦列を離れた。中心では若武者が総大将であろう男を引きとらえている。相手の残軍は500にも満たないため、その様子を見て戦意をなくしたようだ。
こうして亀松丸様の初陣、ではないかも知れぬが初めての戦を華々しく飾ることができたことに対して誇りと安堵を持った。死んでしまった兵はどうしようもないが生き残った兵らを救うために足軽達に助けることを叫ばせながら前進させる。救えた人数は少ないかも知れないが全員を殺すよりはマシだ。後を青地と蒲生や明智光秀に任せ、鉄砲隊を後退させている二人と合流して亀松丸様の元へと向かった。
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六角亀松丸
俺の目の前に三人の将がいる。権大将後藤壱岐守、権中将藤堂高虎、権少将滝川一益だ。今回は用意できた兵は半数ほどだが六角家内の仮の格ということで権をつけている。
「よくやってくれた。こちらからみていても鮮やかな手並みなことがわかったぞ。頑張ったな。壱岐守。」
三人に顔をあげさせてそれぞれの肩を叩き慰労する。
「はっ!ありがとうございまする!左右の隊を、纏めてくれていた御二方の力が大きいものにございまする。」
「謙遜するな。普段から俺の頼みを聞き、空いた時間で軍学校や蒲生定持などに師事して学んできた結果だ。これからも頼むぞ。それに、二人ともよく若年の壱岐守を支えてくれた。感謝する。」
「「「ははっ!」」」
「若い三人組は残党処理かな?」
「はい、浅井殿を連れてこちらに向かっているはずです。」
現在後詰めと共にきた農兵や黒鍬が残った浅井領土の制圧を進めている。いまだに反発する国人衆はほとんどおらず従順に従っているようだ。特にこちらの領土に隣接する国人衆程喜んで配下となってくれている。その報告を三人と共に聞いていると半蔵が中に入ってきた。
「どうした?」
「はっ、浅井賢政殿がお目通をしたいと。」
「分かった。通してくれ。」
薄汚れた老齢な武者とそれを連れてきた若武者、というか猿夜叉の面影ある。
「久しぶりだな賢政。」
「はい、主水佑様。此度はこのようなことになってしまい自身の力のなさ、不甲斐なさを悔やむばかりです。」




