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50 年末報告1551年
天文20年1551年 12月 六角亀松丸
今日は年末の報告会だ。父と祖父とやっている会合のことである。最近では誰かの自室ではなく新たに用意された部屋で行うことが多い。
今日も囲炉裏の置かれたこじんまりとした暖かい部屋で話し合いをする。
「さて、今年は浅井を降すこともできてワシの家督相続も上手く行った。いい年だった。」
父が話を切り出す。
「うむ、内政に力を入れて来た結果も出て来たのぅ。」
祖父がそれに続く。隠居してからと言うものの肩の荷が降りたのか当主の時よりも気持ち楽そうにしている。
「はっ、収穫量は農地改革をする前の二.五倍を達成しました。特に伊賀の方では顕著なようで無理に田畑を開墾せずとも食べていけるだけの食糧を自分たちで生産できることに大きな感謝を持っているようです。」
あそこは米が取りづらい地域では税を1割ほどしか取っていない。それのおかげが大きいだろうな。
「うむ、義倉分と兵糧分以外は清酒や売却用の米に変えているから更に銭も生まれていい事尽くしじゃのう。これならば兵も大きく増やせるのでは無いか?」
「はい。新たに農地改革を進めている分や道路整備をしている投資分や貯蓄を抜いて安全な領域で雇える兵が私の直下で4000、六角家として6000です。それと農民兵が守備兵や占領用の兵として高い効果を発揮したことを踏まえてこのまま残そうと思います。今回のように出した上で新天地で農兵として耕した田畑を持ちたいと言うことであればそこで専業の農民となることも許しております。」
「ほう、それは良い制度だな。で、あれば次男三男以降が多い現状丁度当てはまっているのでは無いか?」
「そうですね。また、農兵の中から専業で兵をやりたいと言うものにも融通を効かせており徐々に質の高い兵も増えております。」
「うむ、では割り振りとしては占領地域の防衛兼農地改革用の兵として農民兵を使い、侵攻時や普段の警邏には銭兵を使うという感じだな。」
「合計としては、銭兵10000、うち鉄砲兵が3000、残りは状況に応じて槍、刀、盾と変えられます。農兵が10000ほどいますがこちらは予備と考えましょう。」
「うむ。他に軍事に関して報告することはないか?」
「そうですね、直接的に関係はないですが、職人たちを囲って数年、各流派の者たちに強制的に技術の伝授をさせ合った結果新たな六角流とでも呼ぶべき刀が出来上がりつつあること石の塊を撃ち出し城壁を破壊する目的の大型の鉄砲を開発しております。」




