48久政の苦悩
48 久政の苦悩
天文20年1551年 9月 浅井久政
久政は軍を休める事なく進めると高島城を囲っている六角軍に向かって突撃を開始した。しかし、体力を使ってへとへとの兵達の速度は遅く隊列もバラバラな突撃に全く意味などなく六角の先兵とぶつかり合った瞬間浅井の援軍は弾き返されるように討ち取られて行っている。
「なぜだ!もっと気合を入れて突撃するのだ!おい!高島城に籠っている兵達を早く呼び出せ!挟撃の形を取るのだ!」
久政は十分な連絡をしていなかったことによる連絡不足から挟撃の価値を大いに下げてしまっていた。籠っていた浅井方の将も援軍の動きを見て慌てて準備をして突撃を開始した。しかし、負傷兵を多く抱えている現状打って出た兵は1000にも満たなかった。
「く、くそ!引け!引くのだ!」
形勢が不利なのは久政ですら見てわかった。殿の軍を残して久政は陣を下げた。この時点で久政軍は2000いた援軍のうち500も失っていた。
「どうなされますか?」
「…高島を捨て石田川まで引くぞ!そこで防衛線を引いてこれ以上の事態の悪化を防ぐ!」
浅井の将兵は渋々といった雰囲気ともう疲れたからなんとでもなれという雰囲気を醸し出しており粛々と命令に従った。
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同日 六角義賢
「ふむ、他愛もないな。やはり浅井久政に軍的才は全く無いようだ。しかし、ここで油断して深追いするのも美味しくは無い。よし、今津まで抑えに行くぞ!」
六角勢は高島七頭の領地を抑え、農民兵達を駐屯させると銭兵を纏めて石川の前まで進めた。そこで今津を支配下に置くと浅井軍と睨み合いを続けていた。
「御屋形様、これ以上進めませんので?我々の力があれば小谷城と言わずとも海津あたりまでは抑えられると思われますが…。」
「いや、これでいい。あまり追い詰めすぎると窮鼠猫を噛むとも言うし、これ以上敵兵を殺せば近江の力が落ちる。まだ、高島の土地も我々が支配して時がたっていない。内政を敷くのも今回からなのだから時間をかけたほうが良い。それに、他にも考えていることはあるしな。」
「はっ!わかりました!」




