143 若狭侵攻19
143若狭侵攻19
「うむ、服部達は休ませる様にしてくれ。よくやったと労いの言葉も忘れずに伝えるように。武藤殿達には逸見の身柄は要らぬ、首を取れと伝えよ。それと、我が軍勢には武藤殿達若狭勢が不必要に打ち取られぬ様に助力するように動けと治虎と治光に伝えよ。」
1000ずつ別れて指揮をしている2人はそれぞれ動かし方が異なり見ていて面白いがどちらも成果をきっちりと上げてくるのは変わりない。2人に任せておけば大丈夫だろう。
治虎の方は勢いと兵力、それに兵の強さを全面に押し出した剛の戦い方だ。それに対して治光は、治虎や武藤殿の動きを見てさりげなくフォローに周り抜けがない様に立ち回っている。
史実を知っている身としては、第二軍のもの達を含めてさっさと経験と成果を持たせて各国の武官長、文官長を任せたい。そして、ゆくゆくは武官長、文官長を纏める国持ちとして国を任せていきたいものだ。
「ふぅ、次は敦賀と丹波か。そろそろ桶狭間でもあるし、そのあとは三好…。順番にだ…。」
治頼は、砦の炎を背にしながら次なる戦略を思案していた。敦賀は海路の要、丹波は三好との緩衝地。桶狭間の動きも気になるが、焦る必要はない。順番に、着実に。治頼は、戦の流れを読み、先手を打ち続けることで、六角の支配を盤石なものにしようとしていた。彼の視線は、すでに若狭の先を見据えていた。
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同刻 明智治光
「武藤殿!あそこが本丸になりまする!」
治光は、砦の構造を把握しながら進軍を指揮していた。服部党の仕掛けにより砕導山城の各出島が混乱に陥る中、六角軍は順調に逸見の元まで辿り着いていた。
治虎殿には若狭勢力と共に外を抑えに回ってもらい、武藤殿とその側近数名に自分と10数名の六角兵が武藤達に先導する形で本丸へと突入する。治光は、戦場の流れを読みながら、必要な支援を即座に行っていた。彼の冷静な判断が、六角軍の統制を保っていた。
「明智殿!ついて来てくだされ!何度か我らも出入りしておりました故、問題なく進めまする!」
武藤の声には、焦りと使命感が混じっていた。義統の仇を討つという強い意志が、彼の足を速めていた。治光は、武藤の後を追いながら、周囲の警戒を怠らなかった。館の構造を知る武藤の案内は心強いが、敵の残党がどこで襲ってくるか分からない。治光は、六角兵に目配せし、即応態勢を整えていた。




