128 若狭侵攻4
128若狭侵攻4
「法螺貝をふけ!鏑矢を打て!皆のもの、進めい!六角の武勇を示すのだ!」
「「「おおおお!!!!!」」」
声を上げながら足並みを揃えてドンッドンッと規則的なリズムと音を出して大倉見城へと歩を進める。
兵たちは、足音を揃えながら進むことで威圧感を演出していた。法螺貝の音が響くたびに、敵の士気が削られていくのが分かるほどだった。
早すぎずゆっくりと歩いていく。敵の攻撃範囲に入るとパラパラとまばらに矢が降りそそいでくる。こちらの前衛は軽装甲 重盾の矢よけ部隊である。彼らの影に突撃隊の面々が入り足のリズムを上げていく。
城の入り口に近くなりドンドンと矢の圧力が増えてくる。矢避け部隊だけでは捌ききれないようになる前にこちらも攻撃を始める。
「放て!」
「「「放て!!!」」」
治政の声に合わせて伝令が大隊長格に向かって声を上げる。それを聞いた大隊長格が投石と鉄砲を撃ち始める。投石の破壊力と鉄砲の音や威力によって敵の攻撃が緩む。
その隙を逃さずに突撃隊が声を上げながら突貫していく。門は硬く閉ざされ柵の前には長槍を持った部隊が並んでいる。
投石隊は敵の弓矢部隊を狙ったまま、鉄砲隊は柵の一面を一斉射撃で撃ち抜いていく。敵が恐れ慄き下がった所へ突撃隊の面々がその傷を拡げるように突き進んでいく。
突撃隊は、盾を前に構えながらも、隙を見て槍を突き出す。敵の陣形が崩れると、後方の兵が一気に押し寄せ、戦線を押し広げていった。
刀を打ち合わせたら他のもの達が横合いから切り掛かり、切り掛かった者の裏から別のものが敵の奥へと突き進む。
「今のうちに策を横合いから破壊せよ!」
後方に控えさせていた黒鍬隊を使って敵の陣地を破壊していく。そして破壊した場所からドンドンと兵が侵入していく。
東側も同じように侵攻しているようで相手の指示がうまく通っていないようだ。混乱の最中にある。
黒鍬隊は、普段は土木を担うが、戦場では「陣地破壊専門部隊」として機能する。彼らの手際の良さは、敵にとって予想外の脅威だった。
「兵達よ!降伏を呼びかけよ!」
あちらこちらで無抵抗でいれば六角の元で農民に戻れると声を上げ始める。その声を聞いた面々はドンドンと武器を下に下ろし武装解除されていく。
「六角の元で生きられる」との声は、戦意よりも生活を選ばせる力を持っていた。治政は、武力だけでなく言葉でも勝つことの意味を理解し始めていた。




