表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

嫌がらせ

私が登校して教室に入ると『キモッ』だの『汚っ』だの聞こえよがしに言ってくる。

以前別のグループ経由で仲の良かったEちゃんという子がいて、彼女が他のグループで孤立してい

るのを見かねて私が声をかけて一緒に行動した事があった。

唯一話しかけられるのはEちゃんしかいなかった。

「おはよ」

「おはよ……」

Eちゃんはできるだけ顔をこっちに向かないようにしている。

「なんか仲間外れにされちゃってみたいで、どうしたらいいのかな……」

と、相談してみたら

「さあ、私には関係ないし」

と言ってEちゃんグループの方に走って行ってしまい、私は愕然とした。

あの時孤立したEちゃんと一緒にいたのは私だ。そばにいてくれて嬉しいと言ってたはずなのに

いざとなると力になってはくれない。

女子は全員私を無視していた。視線すら合わないし、何かの用で私の近くを通る時は大急ぎで避

けるように行ってしまう。

男子には元々嫌われていたし、完全にクラスからは孤立していた。


 工作の時間になり、先生が金槌を近くの人達でグループを作ったら順番に回して行くからと配

り始めた。運悪く、その時の席替えでは好きな席順で座っても良いとなっていたから、私の後ろ

はB達が座っていたのだ。

Dは私の隣だったはずなのに、グループの全員が私の後ろに陣取っている。

私の机だけが離されて他の四人は机をくっつけて楽しそうに話していた。

金槌は後ろから回って来てCが受け取った。

「あ、手が滑った」

と白々しい演技で私の机めがけて思い切り金槌を振りかぶられた。

ガンッ!

とでかい音がして私の机にはへこみができた。

Bちゃん達はそれを見てクスクス笑い、私は涙がこみ上げてきた。

金槌は一度も私の元には来ず、唯一ダンスの時に手を繋いでくれた男子に金槌を借りた。


 授業中は先生もいるのでBちゃん達はあまり派手な事はしなかった。

それでも先生の見てない隙に丸めたノートの切れ端を私に当てて来たり、『なんか臭くない?』

とひそひそ声は聞こえていたぐらいだったが、一番辛いのは休み時間だった。

休み時間に教室にいると必ずB達がこちらをチラチラ見て、これみよがしに内緒話をする。

わざと近くを通って私の机に体が触れたら『りいは菌が移った!!』と大騒ぎして、それをなす

りつけ合う仕草をする。

それに耐えられなくて行きたくもないトイレに休み時間ごとにゆっくり向かう。

少しでも時間を稼ぎたかったのたが、トイレから戻ると『あいつ休み時間ごとにトイレ行って

ウンコしてんじゃない?』と笑われたのでやめた。

少しでも席を離れると机に落書きをされた。

油性マジックで『キモイから死んで』『学校に来るな』『こいつはバカです』

などいろいろ書かれた。

ショックで泣きながら消しゴムでなんとか消そうと試みた。

何回もやってるとそのうち薄くなってきてホッとしてたら、またいないうちに書かれた。

それが嫌で家から兄のマンガの本を何冊も持ってきて、休み時間になると読んでるフリをした。

「もうとっくに読んだ本を何回も読んでバカじゃない?」

「一人でマンガばっかり読んで暗~い」

私の近くに来て口々にそう言われたが、ひたすら読んでるフリをするしかなかった。

 

 体育の時間、脱いだ制服を椅子の上に置いていたはずなのに戻ったら制服があちこちに散乱

してて、床はワックスをかけたばかりだったので油まみれになっていた。

上履きは踏まれ倒して靴跡だらけで、洗ったばかりで真っ白だったのに真っ黒になっていた。


 その頃は特に社会や歴史が苦手で、テストが返って来た時30点ぐらいしかなくて、先生が

答え合わせをしている最中Bが後ろから盗み見たのか『30点ってアホだ!』と大きな声で

言い、クスクス笑い声がした。


 給食の時間は机をくっつけてグループを作って食べるのだが、私だけ当然一人だった。

B達の誰かが給食当番になると、私のおかずはわざとこぼすようにドバッと汚く入れられ

バナナやみかんなどの果物は剥げてたり変色しかけているような見た目の悪い物を配られた。

バターやジャムは放り投げられ、床に落ちた事もあった。


 掃除の時間は道具がない。

塵取りも箒も雑巾も余る程あったはずなのに道具入れには何もない。

さぼってると思われたくないので、ゴミが落ちてないか探したり机の中を整理していた。

ごみ捨ては私の仕事だと言わんばかりに、いつの間にか私の机の上にゴミ箱が置かれて

あって、他のみんなはとっくに帰っていて当番ではないが何度も焼却炉に持って行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ