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そして、いじめが始まった



ある日学校へ行くといつもの仲良しグループの様子がおかしかった。

5人の中でも一番仲の良かったDちゃんがおはようどころか、目も合わせてくれない。

「どうしたの?」と聞いても

「別に」

と素っ気無い返事が返ってくるだけだ。

他の三人はいつもはそこまでべったりじゃないのに、やけに固まって楽しそうに喋りながら私を完全無視している。

何か怒ってるんだろうか、わけがわからない。

コップの件や、私が消極的な事とか、みんなと同じ事ができないとかだろうか。

「ねえ、なんかあったの?なにか怒ってる?」

ともう一度Dちゃんに聞いても返事も無く向こうに行ってしまう。

リーダー格のBちゃんは普段から威圧感があり、正直グループの中では一番苦手だったが彼女に聞けば何かわかると思い話しかけた。

「あの、私何かした?」

Bちゃんは蔑んだ目でチラッと私の顔を見ただけで顔をフンッと翻し、教室を出て行った。

「私もしかしたらみんなに悪い事してしまったかもしれないから、ごめんってみんなに伝えて

くれる?」

とそばにいたCちゃんに言ったが

「自分で言えば?」

と冷たく突き放されて途方に暮れた。

それからグループの誰かを見かけたらごめんねごめんねと誤り倒した。

だが彼女らは汚いものでも見たような目で私を見て、汚いものに触れたくないとばかりに大げさに体を避ける。


授業が終わって家に帰っても心ここにあらず状態で、いつみんなの機嫌が良くなるのかとそればかり考えていた。

母親は厳しく父親は子供に無関心。

話したくても話せない。

そうしていると電話が鳴り、母があんたの友達から電話だと言って出るとBちゃんだった。

「あのさ、あんた自分でやった事わかってんの?」

いきなりきつい言葉を浴びせられて驚いた。

「え、何?わからない……」

それを言うのが精一杯で黙っているとCちゃんに代わった。

「あんた本当は××のアイドルが好きなんでしょ?あたし達の前では○○が好きだって言ってた

くせに」

「○○も好きだけど……」

そう言うと今度はDちゃんが電話口に出た。

「私が○○って好きじゃない、なんでみんなあんなの好きなんだろって言ったらあんた、ほんとそうだよねって同意してたじゃん」

Dちゃんは仲が良くて一番気が合うと思い込んでいて、本当は○○より××のが好きなんだって事を知ってもらいたかった。グループの中で唯一××も好きだって言ってたDちゃんをすっかり信用してしまっていたのだ。

「だって……それはDちゃんも○○なんて嫌いって言ってたから……」

と泣きそうになりながら反論したら

「あれはあんたがどういうか試しただけ」

その瞬間やられた!と思った。

言ってしまったのは事実でそれを言われるともうどうしようもない。

「嘘つき!」

「ボケ!」

「キモイ!」

それぞれ電話口に出ると次々と罵られた。

「ごめん……」

「誤っても今更遅いんだけど。もう、うちらと関わらないでね。友達でもなんでもないし」

そう言ってBちゃんは一方的に電話を切った。

泣いている私に母が気づいて理由を尋ねてきたが、そんな奴らほっとけばいいと言うだけだった。


それからと言うもの、四人の執拗な攻撃が始まった。

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