表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の6年間戦争  作者: ハムストリング
1/1

第一話:入学式①

 ーあなたの卒業をここに証しますー

 ようやく終わった、もう疲れた。僕の戦いは完結したんだ…

 長かった、本当に長かった。もういろいろありすぎて何も覚えてない、いや記憶が全くない。


 僕の名前は牛島聡、新中学一年生だ。僕はある中高一貫校を受験し、見事合格した。こう見えて小学校の時はそこそこ頭の良かった優等生だ。ただ、運動音痴で顔もよくない、いわゆる「がり勉」といわれる人種だった。でもこのことをいやと思ったことは一度もない。ぼくは勉学を極めるんだ…



 こうして僕の戦争は幕を開けた。戦争といっても、誰かと戦うわけではない。自分自身との闘い、もしくは勉強というモンスターとの闘いだ。本当の敵はそれではなかったのかもしれないが……。

 そんなことは置いておいて、最終的なゴールは大学受験、つまり6年後となる。終戦は6年後だ。


 ~入学式~

 中学校の入学式というのはほんとうにめんどくさい。今まで何の世話にもなっていない人の話を聞くことほど辛いものはない。


 ただ、僕には一つ大役を任されていた。新入生代用の言葉だ。この学校では、基本的に主席合格者がこの役割を担っているといわれている。つまり、ぼくは新入生の中で最も頭がいいといっても過言ではない。


 ふふ、こう考えると少しにやけてしまう。先ほど校舎に足を踏み入れたが、そこですれ違ったあの人もこの人も全員自分より下なんだ…。


 こんなことを考えている暇はない。早く原稿を考えないと。入学式は2時間後、それなのにまだ原稿が完成していない……


 え、これ結構ピンチじゃね?話す時間は10分間のみ、原稿用紙4枚分も書けば十分に足りる程度の時間だ。僕が心配しているのはそこじゃない。僕は引かれるほどのコミュ障なんだ!!だから人前で堂々と挨拶をこなすことなんてできるはずがない…


 こう心配していると、誰かが話しかけてきた


「初めまして、牛島君。私は松本美月、隣の席だね!これからよろしくお願いします。」

「よ、よよよよ、よろしくお願いしますぅ……」


 よし、第一印象は完璧。でもなんで話しかけてくれたんだろう…。小学校の時なんて給食の時に牛乳を譲ってほしいデブ陽キャ男子とその取り巻きにしか話しかけられたことなかったのに。


「ねーねー今何してるの?めっちゃ真剣な顔して考え事してるから。」

「え、えっとぉ…」


 まだ会話続けるのかよ。まじでコミュ力たけぇ。がり勉にはない魅力だなぁ。


「にゅ、入学式の新入生代表の言葉をか、かか考えていましたでございます…」


 ん?俺なんか変なこと言ったような気がするんだけど。


「牛島君って面白ーい。てか新入生代表ってことは主席ってことなんだ。すごいね!!」


 初めて女子に褒められた…。なんだろう、この気持ち。いやいや違う違う。僕は勉学を極めるんだ。そんな気持ち邪魔でしかない。そう、ただの勘違いだよ!!


「あ、もうこんな時間だ。それじゃあ牛島君、入学式頑張ってね。」

「あ、ありがとう…」


行ってしまった…。何だったんだ、松本美月さん。でもシンプルにうれしかった。

そこに流れていたのは、少しの静寂と甘い香り、そして1時間という時間だった。


あと1時間…。なに!?時間がない…だと。


いや、まだどうにかなる。原稿だけでも完成させる。大丈夫、自分を信じろ。さっきだって松本さんと普通に話せたし、練習なしだって普通に言えるはずだ。よし、早く原稿を書いて入学式に臨むとするか。 ーあなたの卒業をここに証しますー

 ようやく終わった、もう疲れた。僕の戦いは完結したんだ…

 長かった、本当に長かった。もういろいろありすぎて何も覚えてない、いや記憶が全くない。


 僕の名前は牛島聡、新中学一年生だ。僕はある中高一貫校を受験し、見事合格した。こう見えて小学校の時はそこそこ頭の良かった優等生だ。ただ、運動音痴で顔もよくない、いわゆる「がり勉」といわれる人種だった。でもこのことをいやと思ったことは一度もない。ぼくは勉学を極めるんだ…



 こうして僕の戦争は幕を開けた。戦争といっても、誰かと戦うわけではない。自分自身との闘い、もしくは勉強というモンスターとの闘いだ。本当の敵はそれではなかったのかもしれないが……。

 そんなことは置いておいて、最終的なゴールは大学受験、つまり6年後となる。終戦は6年後だ。


 ~入学式~

 中学校の入学式というのはほんとうにめんどくさい。今まで何の世話にもなっていない人の話を聞くことほど辛いものはない。


 ただ、僕には一つ大役を任されていた。新入生代用の言葉だ。この学校では、基本的に主席合格者がこの役割を担っているといわれている。つまり、ぼくは新入生の中で最も頭がいいといっても過言ではない。


 ふふ、こう考えると少しにやけてしまう。先ほど校舎に足を踏み入れたが、そこですれ違ったあの人もこの人も全員自分より下なんだ…。


 こんなことを考えている暇はない。早く原稿を考えないと。入学式は2時間後、それなのにまだ原稿が完成していない……


 え、これ結構ピンチじゃね?話す時間は10分間のみ、原稿用紙4枚分も書けば十分に足りる程度の時間だ。僕が心配しているのはそこじゃない。僕は引かれるほどのコミュ障なんだ!!


 こう心配していると、誰かが話しかけてきた


「初めまして、牛島君。私は松本美月、隣の席だね!これからよろしくお願いします。」

「よ、よよよよ、よろしくお願いしますぅ……」


 よし、第一印象は完璧。でもなんで話しかけてくれたんだろう…。小学校の時なんて給食の時に牛乳を譲ってほしいデブ陽キャ男子とその取り巻きにしか話しかけられたことなかったのに。


「ねーねー今何してるの?めっちゃ真剣な顔して考え事してるから。」

「え、えっとぉ…」


 まだ会話続けるのかよ。まじでコミュ力たけぇ。がり勉にはない魅力だなぁ。


「にゅ、入学式の新入生代表の言葉をか、かか考えていましたでございます…」


 ん?俺なんか変なこと言ったような気がするんだけど。


「牛島君って面白ーい。てか新入生代表ってことは主席ってことなんだ。すごいね!!」


 初めて女子に褒められた…。なんだろう、この気持ち。いやいや違う違う。僕は勉学を極めるんだ。そんな気持ち邪魔でしかない。そう、ただの勘違いだよ!!


「あ、もうこんな時間だ。それじゃあ牛島君、入学式頑張ってね。」

「あ、ありがとう…」


行ってしまった…。何だったんだ、松本美月さん。でもシンプルにうれしかったし楽しかった。

そこに流れていたのは、少しの静寂と甘い香り、そして1時間という時間だった。


あと1時間…。なに!?時間がない…だと。


いや、まだどうにかなる。原稿だけでも完成させる。大丈夫、自分を信じろ。さっきだって松本さんと普通に話せたし、練習なしだって普通に言えるはずだ。よし、早く原稿を書いて入学式に臨むとするか。



松本美月との出会いだった。彼女との出会いは入学式に、これからの生活に、どのような影響を与えるのかこの時の僕にはまだわからなかった。

初投稿です。少し長めの作品になるかもしれませんが、続けて読んでもらえると嬉しいです。最近やっと雪が解けて暖かくなってきましたね。春の訪れとともに、花粉症の脅威も迫ってくるものです。目がシャバシャバしてもう嫌すぎます。ちなみに松本さんも花粉症がひどく、いつも目薬を持ち歩いてます。後書きにはキャラクターの裏情報のようなものも書いていきたいと思うので、ぜひ読んでいってください!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ