【セイビア】『第1章』 - 4話 ー 危機、そして生存 2
いつも冷たい印象をしている彼女は笑みを浮かべた。しかし、それは偽りの微笑みだった。
彼女の顔に微細な震えがあったからだ。
もしかしたら死ぬかも知れないこの状況で,恐れない人は少ないだろう。もし,死が怖くない人はサイコパスぐらいだろうね。
彼女も恐ろしいのだ。電流の苦痛が、死が。
でも彼女は恐ろしさを表には表現しなかった。そうしているうちに仲間の士気に影響を及ぼす恐れもあるからだ。自分のせいで仲間たちがケガをする可能性を一つも作りたくなくて,表出しない中だと予測される。
そんなことを気づいた私は鈴音に声をかけた。
「陽美さん。」
「うん?」
「頑張りましょう。」
「…うん!」
サクラは温かい微笑みを浮かべながらすずねに言った。私が予想したのが正確な模様だった。
そして四人は春瀬を取り囲んで戦った。でも私たちには誰かを守りながら戦うのがまだ早い。守ろうとしたが何匹を逃したので両方向で攻撃される危機に直面するかもしれない人もいた。でも鈴音の精密な照準力と隣にいる頼もしい同僚に助けられた。すなわちチームワークだ。
チームワークって長い間一緒に過ごしてきたり、活動しない限り、ほとんど不可能と思えばいいほど難しいのだ。相手と自分の心を合わせるので短い時間では無理だ。
そのパートナーと長い間に過ごしてみると相手の行動パターンとか性格を少しでも分かる機会ができてチームワークにいい効果を与えられるけど何も分からず状態から連繫ということは確率が薄いほど低い、つまり賭博だ。でもその四人はまるで長い間、付き合ってきたパートナーのようによく戦った。
まだお互いについて知らない状況なのに、一匹を逃すと隣の同僚が代わりに処理し、大変だったら助ける関係になった。これは奇跡だね。
しかし、そんないい戦いも長続きしなかった。
戦闘にはもちろんチームワークも大事だが、一番大事なことは『体力』だ。
「はぁ、はぁ…」
「ふぅ…」
体力がそろそろ 足りなくなった。
「…これ、危ないね。そろそろ限界が…」
ユージは苦々しい表情を浮かべながら言った。
四人はずっと戦ったので疲れ果てた状態だった。むしろこれまでこれまで踏ん張ったのが大変なことだと言える。でもそれもそろそろ幕が下がると残念だったり、悔しかったりした。
「ここにずっといると私たちが不利だ。 他の場所に移動しなければならないんだ。」
「じゃ、高地どおりに行くのはどうかな? 高い所なら防御しやすくなるかもしれない。」
「いい方法だけど、問題は五木君ね。」
皆はますます消えていく体力問題をどう解決するかを話した。
鈴音が「ここにいたら死ぬ」と説明すると、 小兎が「高地帯に行こう」と提案した。
でも現在五木が倒れていて少なくとも2人は彼を持ったままで走らなければならないために危険すぎた。 ややもすれば運搬担当は任せられた2人も攻撃されてしまうんだ。
そして、問題がもう一つあった。高地帯にどう行くのか、だ。前には数多くあるエックスが急速に近づいている中で、一人は戦闘不能状態だ。ここを脱出するために道を開くには強力な一発が必要だ。攻撃が失敗すると、最悪の場合には1人の犠牲が必要になるかもしれない。
最初はためらったが、このまま黙ってやられるよりは何かをしてやられるのがよさそうだとし、皆乗り越えられる肯定の返事を切り出した。
計画を実行するために、ひとまず何を引き受けるか決めた。
春瀬を運搬を引き受けたユージと小兎。正面はサクラが、後方は鈴音が担当することにした。
とりあえずここを抜け出すには道を開かなければならないが、それは当然サクラの担当だ。
春瀬が落ちたスピアを左手に握った後、前方に向かって持ち上げたまま勢いよく走り出した。
サクラを攻撃するために多数のエクスは口を開いてきた。
サクラが持っているスピアがあいつの口の中に入れた。正確に言えば自分が来たのだ。
スピアはすぐエックスの頭を頭を貫通した。前方にいた2匹はやってのけたが、そばにいたエックスたちには被害が全くないのでソードで周囲の敵を切って道を開いた。そしてそのまま走った。もしここで止まったら死ぬから。
後ろにいる3人は正面にいるエックスが死んだことを確認し、サクラの後ろを付けた。
しかし3人が走り始めることと同時に包囲網が早いペースで縮まった。それは後方にいる鈴音がガンを撃って守った。
全員無事に脱出に成功した。もう残ったのは高地帯に移動することだ。
エックスは私たちが走る速度より早いので四方を警戒しながら行かなければならない。しかもここは四方がすべて石であるうえ、地面が不規則で体力消耗がもっとひどかった。一ヶ所は地面が突き出ているし、もう一ヶ所は地面が凹んでいるし、あまりにも不安定だった。
エックスにだけ集中したせいで、石の角をじろじろ見ることができなかった鈴音は転んでるところだったが、幸いに重心を握った。
後方は前方と違ってエックスの数が多くて、もっと気をつけなければならない。心では前方の護衛を捨てて後方に移動したかったが、時々現れるエックスのせいで不可能だった。
サクラと鈴音が一生懸命に戦っている時、小兎がいい場所を見つけたと大声で話した。
「「どち?」」
「ここで左側にずっと。」
小兎教えてくれたところに視線を向けると、良さそうな場所が見えた。
「あそこに行こう。」
サクラはそこに行くために方向を変えた。しかし世の中にたやすく流れることは一つもない。
移動する途中で鈴音がエックスが吐いた酸性液体を避けようとしたが、石につまずいて転んだ。
底にぶつかった膝の痛みを堪えながら追いかけてきたエックスに向けて銃を向けた。しかし鈴音は思ったより近い距離まで追いかけてきたエックスを見て瞬間的に驚いてしまった。
驚きのあまり銃を撃つことができず、自分が直ぐに春瀬と同様に戦闘不能状態になるだろうと予想した彼女は目を閉じたまま電流を受ける準備をしていた。でもそれを黙って見てばかりいるサクラではなかった。
サクラの手にある春瀬のスピアを鈴音を攻撃をしているエックスに強く投げた。するとスピアはそのエックスの体にめり込んだ。
ー「きいいいいぃぃぃ!」
その音を聞いた鈴音は自分を助けてくれたという事実を知って気がついた。
「陽美さん、加勢します!」
今はほとんど目的地であるし,前方にはもうXが出ないので後方に行くことにした。
スピアに刺されたまま、怪音を叫びながら暴れているエックスをソードで切り取って確認射殺をさせたサクラは、ついてきたエックスたちまで処理した。鈴音が正気になるまで完全に守ろうとした。
サクラを見て気をもんだ鈴音は彼女に「ありがとう」と言った。サクラは当たり前のことをしただけだと答えたが、今はのんびりと時間を過ごしている時ではないので、暖かい状況は後回しにした。
その間、小兎とユージは安全地帯まで行くのに成功し、底に座り込んで息を整えていた。
2人が安全だということを確認して、気楽に休めるように全力でエックスたちを処理した。
でも時間が経つにつれ,次第にウェホンの熟練度が上がり、どう対応すればいいか攻略法もわかり、簡単に撃退するほど成長した。自分たちは強くなっている事実を感じることはできないが、見守る立場ではそうだと思うだろう。
そしてプレゼンテーションの時、奇怪な姿のせいで覚えやすかったエックス、【レッド·アイズ】が姿を現した。もともとあったのに見えなかったかもしれない。
レッド·アイズの特徴は黒い身体に赤い目を持つ人間型エックスであり、地形物が多い所であればあるほど、奴がどんなに厄介なのか分かる。
壁や壁を踏みながら,素早く近づいてくる奴、でも鈴音は然り気なく対処した。沈着に奴を照準して撃ったら、正確にやつの胸元に命中した。それでも1匹だけがいるのがなかったから後で攻撃してきたレッド·アイズを桜が空中で切ってしまった。
「すごいね、サクラちゃんの剣術は。」
「陽美さんこそ、何ですか、そのとんでもない照準力は。」
「私はFPSゲームが好きだから。ゲーセンに行けば銃と関連があるゲームだけするから。」
「へえ。」
「私にとって銃は、理想的なもんだからね。ところでさあ。」
鈴音は何かおかしいことに気づいたようだった。
「急にエックスが強くなったように感じられるけど、私だけなの?」
「…いいえ、私も先から感じたんです。でも気きのせいかも知しれないのでずっと言いわなかったのに、やっぱり。」
もともと感じていた。 しかし間違った事実であるかも知れないので話すことを悩んだが、やっぱり奴らがさらに強くなったようだ。
その証拠に、ゴーグルの右側上端には現在の難易度を示す文字があったが、最初はミディアム1だったけど今は2になっていた。誰も知らない間に難易度が上がったのだ。
「これからは変なことが感じられたらすぐ言うのがいいと思う。 無駄口をたたかずに攻撃されたら…はぁ、はぁ。」
「はい、そうします…」
疲れきった彼女たちはもう話すことさえまともにできなかった。
そのせいかもしれないが、サクラはもともとエックスを1~2回程度の攻撃すれば殺すのが可能だったが、今は3回以上を打撃しなければ殺すことができた。鈴音も集中力が落ちたのか命中率が少しずつ下がり始めた。このままだったらきっとやられてしまうだろう。でもここまで頑張って来たのにあきらめることはできない。少しだけ…
殺すスピードの落ちるサクラと鈴音は、もうほとんど限界に達している。そのタイミングであらかじめ高台に登って体力を補充していたユージと小兎がその2人を助けようと駆けつけた。
「サクラちゃん、鈴音ちゃん!交替!」
「君たちは休め。私たちが何とかするから。」
「気をつけて。」
「お願いします。」
サクラと鈴音は戦闘を止めて高台に登り、体力を補充するために休んだ。
その二人も完全に回復していないので恐らく幾ら持ち堪えないだろう。
さき、再びゴーグル右上段にある難易度を確認しようと視線を移した時、ミディアム2で3になった。
サクラはその事実を皆に教えてくれた。
「ふぅ、それでこんなに大変なのか。」
「これひどいよ…」
「私が私が少し手伝ってくれるから、少しだけ頑張ってね。 私たちがすぐ行くから。」
しかし鈴音がガンで手伝ってくれても実力と経験も足りないが、数的にも不利だった。徐徐に押され始めるユージと小兎を見たサクラは、彼らを助けに行くために疲れた体であるにもかかわらず、早く走っていった。ちょっと距離が遠いし、よく走れないから彼らが戦っている場所まで到達する時間が結構かかった。
「高宮さん、山栗さん、加勢しに来ました!!」
サクラはあの2人からは絶対に耐えることができないということを直感したので、加勢するという話をしながら慌てて駆けつけた。
ミディアム1は皆と力を合わせて作った結果だと思いますが今はミディアム3だ。たった2人で耐えられるほどの難易度ではない。ミディアム1を耐えられるのも奇跡と思ったけど…
「うっ…」
「もう少しだけ、耐えてください。」
「もう、限界。」
サクラが到着する前に、春瀬をを戦闘不能で作ったエックスと同じ種類の蜘蛛型エックスに攻撃されてしまった。
「あ、ああ。」
すぐ前にいるサクラは恐れのせいで動けなかった。
その状況を見た鈴音は衝撃に陥った。でもこうなるだろうと予想はしたが、いざこんなことが迫ってきて、胸が苦しくなった。
ユージと小兎は安らかな顔色をうかがいながら戦闘不能状態になった。
「二人にはごめんなさいけど、一旦は後退を…」
鈴音がいるところまで後退しようとしたら、後方から彼女の声が聞こえてきた。
「…うあぁぁぁ!!」
「あっ、陽美さん、危ない!」
鈴音は巨大な蜘蛛型のエックスの頭を撃ちながら駆けつけた。はずれたエネルギー弾丸もあったが,ほとんど当たっけど、蜘蛛型エックスにダメージが入ったようだった。やつはエネルギー弾丸の衝撃のせいで後込みをして人間型のエックスや昆虫型エックスを踏んで中心を失った蜘蛛型エックスはそのまま転がった。
とんでもない大きさのおかげ後付いて来る大量のエックスは蜘蛛型エックスによって殺された。当然蜘蛛型エックスも死んだ。
鈴音のおかげで登って来たエックスたちも最初の時点から再び登らければならない。そして二人を救出ができたけど、彼女はもう理性を失った。
二人の安全を後にしてエクスを殺そうという思いばかりだった。
山を下りてエックスたちを襲おうとしたが、サクラは彼女が気を取り戻せるように肩をふるった。もし振っもし振ったのにしっかりしないと、ちょっとした衝撃療法を使おうとしたが…
「しっかりしなさい、陽美さん!」
「…あっ、ありがとう、サクラ。」
幸い衝撃療法を使わなくても、まともな精神で戻ってきた。危うく頬を殴るところだった。
鈴音は深呼吸をして、再び元の冷静な彼女に戻った。
「…やつらがここまで来るには時間が少しかかるから、この隙に二人を一日として,隣に置こう。」
「は、はい。」
まっすぐな戦闘で邪魔にならないように、事前に安全な場所に移動させた。
二人とも移った後、さっき立っていたところに行ったのだが、エックスたちとの距離は相当近くなった。
「陽美は、怖いんですか。」
「当たり前よ。君は?」
「私も怖いですねぇ、へへ。」
エックスとの距離約20m。
「はは、初練習の時にこんなことを経験するようになるなんて、悪運だね。」
「そうですね…」
「もし、私たちがひどく怪我したら、補償金、たくさんもらおうよね。ははっ。」
「へへ、そうしましょう。」
鈴音は緊張した体をほぐすために軽い冗談を言った。
――無事に帰れますように。――
――無事に帰れますように。――
サクラと鈴音はおなじタイミングで、同じ考えをした。
そしてエックスとの距離約5m。
「「いやぁぁぁ!!!」」
今度の作戦はサクラが重要な役割を任された。今のサクラはメーンディーラーで、鈴音はサポートディーラーだ。
鈴音が先にエネルギー弾丸を合わせたエックスについてブリーフィングして教えてくれると、それを中心に切る。逆にサクラが先に切ったエクスについてブリーフィングをして教えてくれれば、鈴音はそのエックスを中心に撃つ。
本来なら不可能だ。こんな状況が起きた理由はだぶん"生き残るため"と思う。
しかしこのようないいストーリーも長続きしなかった。体力が不足な部分もあるし、完璧なチームワークではなかったからだ。
サクラが判断ミスで後方にいた鈴根が攻撃されてしまった。原因は鈴音の位置を把握していないということだ。エックスの攻撃を避けようとして、鈴音が攻撃されてしまったのだ。
鈴音は後方にいるからさくらの位置把握は容易だったが、サクラは彼女の位置を把握するのが難しかった。そしてここはまるで戦場、場所を移動しながら戦わなければならないので、自分の位置をずっと知らせるべきだった。
「ごめん。」
鈴音は満足そうな表情をしながら戦闘不能になった。
「はは…もう、終わりですね。」
サクラは鈴根を抱いたまま、もう未練はないと思っていた。よく戦ったから。これくらいなら大丈夫だ。
――そういえば、昔お姉さんと話した内容が思い出した。今と同じ状況だったけ。――
。
ー「サクラちゃん、もしサクラちゃんが一人で怪物たちに包囲されてたらどうする?」
ー「何よ、いきなり。」
ー「答えてください~」
ー「…怖くて動けないとか、 なんとか逃げるかも。」
その返事を聞いたお姉さんは軽く笑った。
ー「な、なによ。」
ー「いえいえ、私もそんなことがあってさ。」
ー「へえ。その時のお姉さんはどうやってしたの?」
ー「あまりにも怖すぎて体が動けなかったけど、セイバーその、住民を守る存在じゃないの。それで自分の命をかけてもう一匹でも,あるいは時間を稼ごうという考えで無謀に戦ったの。」
ー「どうやって?」
ー「敵に囲まれている状態が危険な理由は四方から攻撃してくるので危険なの。それでエックスの死体を壁で使って、周りを安全にする。」
ー「それで?」
ー「それでって…こんなに生きているから大体予想が行くんじゃないの?」
あ、その時が思います。だぶん私が14歳の頃だったけ。(その時のお姉さんは15歳。)
――今と同じ状況ですし…私もできるかな。――
私は将来には立派なセイバーになりたい。その目標を達成するため私は何もかもやるつもりだ。そうした覚悟も十分できている。こんなことを経験するのも将来立派なセイバーになるための足場かもしれない。
大切な人たちを守りたい。子供の頃私の両親はエックスに殺された。私は何年間大切な人たちを失って悲しい感情を心の中に抱いて生きてきた。
その感情を隠すために我慢して我慢したが、到底堪えられない時は部屋の中で静かに泣いた。その時に決心した。私がセイバーになって私みたいにそのような苦痛と悲しみを持つ人がいないよう守ってあげたい。
平和な日々を過ごしたい。友達、または大切な人たちと一緒に美味しい食べ物を食べったり、ショッピングもしたり、いい思い出をたくさん、たくさん残したい。
――…頑張ろう。――
ソードを杖にして重い身を起こした。足が震えて、怖かったが今なら何もかもできるそうな気分だった。
サクラはソードをしっかり握った。
「できる、今ならできる!」
攻撃してくるエックスを次々に切った。しかし、難易度が高い今3回以上頭を攻撃してこそ殺すことができた。でもソードを振るう速度がさっきより速くなってその短所をなくした。
――もっと、もっと、もっと!――
その時、後ろから来ているエックスを遅く見たサクラは、驚きのあまり反射的に体を回して避けようとしたが、完全に避けることができなかった。
攻撃された部位は右肩、その衝撃で転んでしまった。
「ううっ…」
肩に電流が流れると,サクラは肩につかまりながらうめき落とした。こんなに苦しいのに…
でもこうしている時間がない。 早く起きなければ他のやつらが暑くなってくる。
自分を攻撃したエクスを先に素早く処理した後、他の者たちを相手にした。苦痛を堪え忍んで死体の壁の中に入ってきたエックスたちをすべて殺すことに成功し、周りを見回しながら攻撃してくるエックスがいるか探してみた。しかし、もう遅かった。
後ろに3匹に人間型のエックスが攻撃していた。
攻撃を受けたサクラはひざまずきながら苦痛を感じた。でもソードのおかげで完全に倒れてはいないが、今では起き上がることができないほど疲れていた。
そして続いてくる他のエックス、サクラはもう諦めた状態だった。
――ここまで、だね。――
サクラはエックスを見ないために視線を他のところに向けたが、変な音が聞こえた。
―[Error Code – 041 : システムの復旧を始めます。復旧まで10秒、9、8……1、復旧完了しました。]
―[管理者の権限要請でトレーニングを強制的に終了します。]
――終わり、だ。――
プログラムが終了するという文章が現れると、緊張が解けたか意識の紐を置いた。
すると私たちはもともとあったトレーニング室に帰ってきて、待機していた医療チームによって救急室に運ばれた。
そして、ユーラとセリカも救急室に行った。
その後…
―[難易度-ミディウム1~3 / MVP:ミヨ 桜 / 陽美 鈴音、高宮 ユージ(タカミヤ ユージ)、山栗 小兎、五木 春瀬 / スコア:156,000]
[等数を再調整します。]
最終結果、サクラを含めた5人はミディアム部門で310位に輝いた。この結果は無視できないほどすごい記録であり、1年生の授業を終えた学生たちもあの点数にはるかに及ばないが、新入生がこの程度の記録を出したとうわさがあれば、全国のセーバー学園で驚くことだ。
でも今の状況に点数を気にする人はわずか数人だった。
。
「……」
「……」
「…………」
システムをハッキングしてその状況を見ていた3人の人物はサクラのすごいな活躍に言葉を失った。学園第6位、ミヨ月人の妹らしい実力だった。必ずしも血がつながったからといって、強いだけではない。それほどさくらは全員の常識を壊した。
サクラだけじゃないんだ。他の学生たちの実力も他の学生の実力も無視することができなかった。特に 陽美鈴音という少女、総熟練度が高かった。本人はゲーセンFPSゲームだけをすると言ったが、何か隠しているのが明らかだった。
3人は目を疑ったが、それは事実だと受け入れた。
「ふぅ、もう少し早く押さえていなかったら命に支障が生じたはずです。二度とこんなことしないのがいいです。」
少女は不快な口調で言った。
「ふん。そうするつもりだ、ちびっ子。とにかく、お前の席が危ないな。そう思うだろう、【黒い騎士】様~」
少女の言葉はだいたい答え、黒い騎士と呼ばれる男に言った。
「その【様】表現するな。気持ち悪い。まぁ、本当にそうかもしれないね。」
「ついにライバルの登場か、面白れぇ。お前気を付けろう。」
「そうしなきゃ。じゃなければ席を渡すかも…」
「エッヘン。」
少女の空咳スキルを発動した。その効果で黒い騎士は話を途中で止めた。確かに、彼は最強の座を簡単に譲るという言葉をしたのも同然だから。
「とにかく、僕もお願い。そんなことするな。」
「分かった、分かったよ、全く。もうあの子に用はない。じゃ、先行くぞ。」
「……」
私たちももうここに用はないから。
「行こう、仕事だ。」
「…はい。」
黒い騎士と少女が部屋を出ると、誰もいないこの暗い部屋に一人で残されたモニターの画面では、意識を失った桜の姿を映していた。
あと、モニターの電源を切るのをうっかり忘れたら,少女はリモコンで電源を切ってからまた部屋を出た。