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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第4章 四人は荒野をひた走る
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探し物を求めて。その3・・・竜の火酒 終編

--第2試合 準決勝--

ちょっとの休憩後、呼ばれ、会場へ向かう。

相手のチームはもう来ているようね。

メンバーは・・・

あ、まぁ、そうだよね、あり得ない話じゃないわね。

はぁ、闘技場に出場なんて馬鹿なことを・・・

更正するチャンスを不意にして・・・


「よぉ、虎ネェちゃん、こんな所で会えるとはな?」

「あ、あなたたちは!盗賊団の・・・あ、そうだ、ゴリラにサル、あとは・・・思い出せないや、あなた誰だっけ?」

「こら!それは酷くないか?ゴリラじゃねぇ!」

「僕もサルじゃない、そうっぽいが亜人でもないよ」

「俺なんか知らない?ふざけんな」

「あ、あの犬の亜人さんは?」

「レッジか?あいつは、真面目に服役すると、言って降りた。腰抜けの亜人が」

「そう、良かった」


レッジはまともな考えをしたらしいわね。

でも3人を止めてほしかったな。

ゴーリを止めるのは難しいか。


「・・・ゴーリ、サルエル、カイ・・・」

「ん?フードの方、俺たちを知ってるんか?」

「ゴーリ、あれは多分、姐さんだ」

「なんだと!?あんたが裏切ったから俺たちは・・・」

「正しい道に戻しただけですよ。

それよりあなた達の刑はそこまで重くないはず、何故こんなところに?」

「俺たちはなぁ!お頭の刑を減らしたいんだ、お頭だけ15年も檻の中なんてあり得んだろう!」

「それはバイアールの指示ですか?」

「いや、俺たちの勝手だ。そもそもお頭には会えん。お頭が出れたら一緒にあんたらに復讐するつもりだった。まぁ、ここであんたらには会えたが」

「いつまでも復讐って、みみっちぃわね、大体、私達に対しては逆恨みじゃんか、そんなんだから私覚えてないんだよ」

「うっせぇ、虎ネェちゃん、黙って俺達に負けとけ!」

「愚かな・・・死罪にならなかっただけでもかなりの温情措置だと言うのが分からないんですか」

「それだけではなく、あなた達は負けたら奴隷です、数年服役していれば、社会に復帰できたものを無下にすると?」

「姐さん、一度国から捨てられているはみ出しものの俺たちを受け入れる社会なんかないんですぜ、どうせ刑が終わっても碌なことにならんのです」


そう言ったサルエルの目は寂しそうだった。

サルエルはもう戻れないと諦めているのかしら。

サルエルはゴーリに付き合ってと言う感じだったのかも。


「二度、救うことはありません。私達にも勝たないといけない理由があります」

「望むところだ!あの野郎がいないなら俺たちの勝ちだ!」


と、威勢が良かったのに・・・

はっきり言って弱いわ。

いや、彼らは変わってないし、一般兵程度の相手ならかなり苦労する腕前でしょうね。

事実第2試合までは来てるわけだし。

ただ、セニアも私も、常に戦いの日々だったし、

エルガルドで修行したりしていたらねぇ。

短い期間とは言え、服役していた3人と私達の戦闘力が差が開いて当然よ。

服役中にレベルアップ出来るとも思えないし。

ゴーリはセニア一人の攻撃に耐えきれず、ボコボコになってしまったし、

サルエルも魔法使う前に黙らせたし、

カイに至っては気づいたらセニアの尻尾ではたき回されていた。

やはり、レッジがいないからか、連携も甘かったわ。

出場なんかやめておけば良かったのに。

まぁ、3人が決めたことだ、責任は彼らにあるわ。

情けはもうかけれないよ。


「ごめんね、ゴリラ。私に同じ戦い方は通用しないよ」

「だから、ゴリラってい・う・・な」


3人とも気絶した。

3人とも今後大変だわね。

それにしても、セニア、本戦でも絶妙に殺さないんだね。

奴隷に落ちるのも相当きついとは思うんだけど。

さ、次はいよいよ決勝よ。



--第3試合・決勝--

おかしいわね。

私達が控え室に入ってから

もう1時間以上経つわ。

第1,2試合は平行して行われているから

決勝もすぐに始まると思い、控え室に入ってしまったのが間違えかしら。

次の相手となる試合を見に、一度出るべきだったかな。


決勝の相手が決まらず。

しばらく待ちぼうけを食らっているわけだ。

控え室は飲食も出来るし、寝ることも出来るし、

トイレも完備されている。

代わりに一度入ったら試合が始まるまで出ることが出来ない。

まぁ、ここで食事や仮眠を取れる人は、

相当神経が図太いのではなかろうか。

相棒(セニア)は肉を食べてさっきから寝ているけど。

彼女は自分達が負かせた相手がどうなるとか、

必要なら殺すとか殺されても仕方ないとか

そういうのは気にしないのだろうな。

割りきってるのか覚悟を決めてるのかはわからないけど。

少しだけその精神力、図太さが羨ましい。

私はやはり負けた人のことを少し考えてしまうし、

気に病んでしまう。

特にゴーリ達はきつかったな。


それにしても長い。

それだけ隣の第2試合が苦戦しているのね。

結局、呼ばれたときには、控え室に入ってから3時間くらい経った。

セニアを起こし、会場へ。


第2試合とは会場自体は一緒だが、雰囲気が、異様だった。

原因は対戦相手だ。

相手は、正確な名前はわからないが、青いトロル種だった。

凶暴かつ粗暴、体の大きさに任せて

破壊の限りを尽くす、魔物だ。

エルガルドで戦ったオーガよりは小さいが、セニアの倍くらいの身長はある。

動きは早くないが、攻撃力は半端ではない。

猿ぐつわと足枷がされているのを見ると、

誰かに隷属させられているようね。

となると、対戦相手がこれに決まるのに時間がかかったのは、

苦戦していたのではなくて、これが暴れていたからかな。

もしくはこれとさっきまで戦った人は・・・止めよう、気が滅入るだけだ。


まったく厄介な話だわ。

観客が異様なのは、不愉快だけど、私達がなぶり殺されるのを見たいと言うことかしら。


「リルム、この敵は駄目だわ」

「え?」

「手加減してる余裕がないわ、全力で戦うよ、最大限のアップお願い!」

「あ、うん、え?」


要するに、今までは手加減していたと?

だから殺してない?

正気ですか、セニア。

私も、全力でいかないと駄目かな。

翼の封印をしてる場合じゃないか。

トロル相手なら、サイレンスとかはいらないし、

状況から攻撃魔法もいるはずね。


セニアはグリフォンネイルを装備し駆け出した。

私も、翼を全開にし、魔力チャージをしながらアップをかける。

プロテクション、シャープネス、ヘイストを乗せる。

いきなりスクリューブローからの正拳突きを放った。

クリティカは正拳付きにしか乗らなかったが、ダメージは通る。


外野や実況がやかましい。

あ~翼、ばれちゃったな・・・


トロルはトゲ付きの棍棒を力の限り振り下ろす。

セニアはなんなく避けるが、

舞台にヒビが入った。

トロルとは言え攻撃力高すぎる!

一撃でも貰うと私は勿論、セニアでも死ぬ可能性が高い。

ダウンも習得しておけばよかった。

セニアは、連撃で攻める。

右フック、左アッパー、サマーソルトキック、右上段からの斜め切りさき、左正拳突き。

何かの新しい技なんだろうか。

やはり正拳突きをメインにしているようだ。

一撃ずつにクリティカを乗せるとなると、

私も、かなりクリティカを連発している。

翼に魔力を貯めてないと間に合わない。


トロルが大きな足を振り上げ、セニアを踏み潰そうとした。

それは、私がスプラッシュで邪魔をする。


(あれ?いま、詠唱無しで出来た?)


上げた足じゃない方を狙い、バランスを崩した。

その隙にセニアはトロルの足を駆け登り、

顔面に正拳突きを繰り出した。

トロルはたまらず棍棒で殴りかかるが、セニアは綺麗に避けるので自分の顔面を強打した。

頭は凄く悪いようだわ。


会場がざわざわしている。


トロルは顔を真っ赤にして立ち上がったが、


『その試合、ストップ!』


何人かの魔法使いが、会場の外から拘束魔法を使い、トロルの自由を奪った。


実況?審判?マスクを被った人が話をしている。

だが、急にストップ!と言われても、

攻撃体制のセニアは止まれない。

渾身の正拳突きをお見舞いし、トロルを倒して試合終了。


『あ、勝敗は今ので決まってしまいましたが・・・』

『試合自体、無効で、124番の勝ちです。78番のパワートロル選手は失格負けです』


124はセニア達の番号だ。

何が起こったのよ?


「え?」

『ご安心を、124番には賞品と賞金は通常通りに授与しますし、観客の賭けとしても通常通りに』

『説明いたします』

『78番パワートロル選手に、外部から不正に補助魔法がかけられている事実が発覚しました』

『第2試合で疑惑がもたれ、決勝でも調査しましたが、少なくともシャープネス、バーサークが会場外からかけられていたことが発覚しました』


バーサーク?

えげつないことするわね。

防御0にし、攻撃に振り替える魔法で、

かけられた方は、戦い後に精神に異常を来たし、壊れてしまう。


『試合中は基本的には何でもありですが、流石に出場しない人物が補助魔法をかけるのは重罪です』

『首謀者と見られる、78番の後見人であるクレバー公爵、捕縛の上、追って罪状を出します』

《ま、まて、わ、わしは関係ない、ええい、触るな、無礼者が!》

『あなたが同じやり方で私腹を肥やしていたのは明確です。過去にも不正があると見ています。今までの賞品没収、賞品価値と同等の罰金、賭け金相応の罰金、爵位剥奪、家名とりつぶしくらいはあるかと思います、ご覚悟を』


観客席で身長の低い真ん丸なおじさんが捕縛されていた。

何か喚いてはいるが、

無駄っぽいな。公爵なのに馬鹿だなぁ。どうでもいいか。

会場がざわざわしていたのはこれのせいかな。


「セニア、勝ったね!よかった」

「残念な形で終わったけどね」

「でも、あのまま戦っても勝てたよね」

「いやぁ、どうかな、多分、むりだったよ、私、力使いすぎて、立ってるのがやっとだし」

「そうなんだ、お疲れ様、あ、肩貸すから掴まって?」

「ごめんね、リルムも疲れただろうに」


確かにここまでヘロヘロしてるセニアは初めて見たわ。

私も、魔力を酷使したから早く寝たいわね。


そのあと、ライルエル家に戻り、ゆっくり眠った。

父とバトスが無事で良かったと号泣していたが。


翌日の午後に闘技場に行き、竜の火酒と賞金20万フィルを手に入れた。


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