探し物を求めて。その2・・・ヘパイトスの火種 前編
「アレン様、何があるか分からないので、戦闘仕度をしてきます、しばしお待ちを」
アレンはテッハの部屋にて待機。
解散してから、ディアナ・レイチェルチームは報告を兼ねて、一度武器を調達しにケリューンに戻った。
防具は適当に渡したのを着けたが、
片手剣はやはりアレン達も使えるような手持ちが少なく、実質使えるのは、フレアバゼラートくらいしかない。
炎の素材集めるのにそれは流石にないだろう。
その他はスネークソードは使いにくいし、かなりランクが落ちるためだ。
ただ、レイチェルだったらスネークソードでも使いこなしたかもしれないが。
ところで、アイスコフィンはアレンが持っているわけだが、それは貸したままでいいらしい。
また、セニア・リルムチームも既にライルエル家に向かっており、
テッハも書簡を用意しだすし、
ミチルが帰ってくるまでやることがない。
解散してから思った、リルム達は良いとして、ディアナ達に金を渡してないな。
まぁ、なんとかするだろう。
「では行きましょうか」
しばらくすると、ミチルが装備を整えて、ドアを開けた。
きちんと準備したらしい。
ミチル・ヒナギク 20歳
ハーフリング♀
Lv52 フェンサー☆6
ポリティシアン☆6
主属性 無
聖銀のレイピア☆5
ガードグラディウス☆5
ブルーラインリボン☆4
ハードクロムレザー☆4
ハードクロムスカート☆4
ロングブーツ☆3
いや、可愛いな。
かんざしを刺したスタイルも良いが、
リボンにポニーテールもなかなかいい。
鎧ではなく服装というのも新鮮だな、ミニスカにブーツか、いいよぉ!
そして、見た目がさらに若く見えるようになった。
歳上なのにな。レイチェルのお姉さん風とはまた違う魅力がある。
うん、どちらかというと俺はミチル派だな。
「以前とは装いが違いますね」
「国を背負っての任務ではないですから、ドレスアーマーだといささか華美になるので、変えました、防御力は落ちますが。その分は攻撃力でカバーします」
「あまり目立たない方がいいです?鎧姿は目立ちますか?」
「アレン様は平気です。別段サルトベルクにも鎧の男性は普通に居ますし」
「しかし、鎧姿の女性は少ないのと、サルトベルクは兵士の中には私を見知る人もいますからね、隠れる必要はないですが、あえて見つからないでもいいでしょう」
サルトベルクは綺麗な水の都だ。町中には清らかな水が流れており、
移動には小型船が循環しているのを使う。
各家も壁や屋根まで統一され、景観を損ねないように決められているそうだ。
しかし、中身は打って代わり、かなりの軍事独裁国家である。
ウィリアムやケリューンよりも軍人色が強い。
さらにはかなりの強硬な政策もするため、なかなかに懐柔は難しいだろう。
そして、水の大陸をほぼ一手に担っていおり、
水の大陸にはサルトベルク以外に街や村が存在していない。
所々に宿場があり、そこを利用することは可能だが、
大陸内は馬車移動が基本だ。
ミチルのエスパシオでサルトベルクに飛ぶ。
「知ってるかもしれないですが、俺はアイテムストアが使えるから、それなりに重たいです」
「そうですか、すぐにどうこうとはならないでしょうが、魔力切れを起こさないよう気をつけますね」
ミチルのエスパシオで飛んだ先はサルトベルクの入口だ。
聞くと不思議そうに、『入口に着くのが普通ですが』と言われた。
やはり、ディアナのやつは性能が段違いな気がするな。
ストア内の重さにしろ、同じエスパシオでもディアナには必要ない気を使うことになるな。
街で情報を集める。
サルトベルクは基本的にヒューマンが多いようで、
ドワーフは該当する人物はすぐに判明した。
名前はドワンダというらしい。
しかし、数ヶ月間、行方不明だそうだ。
怪我で引退ししばらくは居たようだが、
いつからか姿を見せなくなったと。
怪我で動けないならチョロチョロするなよ、ったく。
「どうします?近くを探しましょうか?」
「いや、すぐには見つからないでしょう。数ヶ月行方不明なら、もしかしたら既に生きていないかもしれない。大人しくテトゥルジャに飛びましょう」
「ですが、せっかく来たのですから武器や道具など見ていかれたらどうです?」
察するに、エスパシオの連発は辛いんだな。
アレンのストアが想像以上に重たかったか。
時間がない、急げ!と断るよりは優しさを見せておこう。
しばし、休憩がてら、武器屋、魔法具屋、道具屋をながめ、
素材として使える、武器、防具類を買おうかな。
ああ、また重たくなってしまった。
優しさ駄目じゃん。
武器、防具はまたにしよう。
しかし、魔法具屋ではオニキスリングを買った。闇耐性のある腕輪だ。
指輪ではないからゲイルリングとも併用できる。
よし、これでダサい兜はやめれるな、すまんブラミス。
ダサい兜は素材に回して、黒耀の兜に戻そう。
アレン・クルス 17歳 ヒューマン 男
Lv38 エレメンタラー☆6
剣豪☆1
主属性 風
アイスコフィン☆5(水+1 氷+1)
黒燿の兜☆4
シルバーメイル☆4
竜の手甲☆4(火+1)
翡翠ズボン☆3(水+1)
ダマスクスグリーブ☆4
ゲイルリング☆3
オニキスリング☆3(闇+1)
久しぶりにみたな、自分のステータス。
レベルアップもしてるが、
エレメンタラーもランクがあがってるし
やはり剣豪がセカンドジョブに付いてる、よしよし。
「では、そろそろテトゥルジャに行きましょうか」
「お願いします」
しばらく時間を置いたら魔力が多少は回復するんだろうな。
それか、浪費すると戦闘に差し支えるからか。
テトゥルジャは炭鉱と職人の街で、ドワーフも多いし、
鍛冶屋も必然と増える。
大体の家は煙突があり、煙を出しながら何かを作り、生計を立てている。
「アレン様、ここは情報を集めつつ、是非とも道具屋に行きましょう。何せ、鉱石がかなりのレベルのものまで売っていますから」
「重くなりますがいいですか?」
「頑張ります、ですがせっかく来たのですから。ただ、今日戻ったら、アイテムストアの中を整理お願いしますね」
「分かりました。ところで鉱石買うんですね」
「うーん、ドワーフはかなり気難しい方が多いですから、買い物とかした方が情報を聞けるはずです」
「確かに。ブラミスも今は好好爺みたいですが、最初はめんどくさい感じでした」
「そうなんです、ブラミスさん、私が尋ねた時、いきなり『兵士がなんじゃ?帰れ!』と怒られまして」
うわ、言いそう。
「それと、ここの鉱脈には街の人以外は手を出せない決まりなんです、必要になるなら買ってもいいのでは?」
「そうなんですか、何故です?」
「旅人に採掘されると荒らされたり、万が一怪我や、死人が出ると、街の人が世話をするはめになるからですね」
「なるほど、あとはそれで収入を得てる人への配慮でしょうか」
「はい、その通りです」
安くはないが、貴重な鉱石が手に入るのだ。金はあるしな。
ミチルがいいなら行こうか。
とは言え、ミスリルやオリハルコン、ブルーメタルなどの希少メタルは売ってない。
結局、ルーンメタルを10個、火緋色金を5個、グリーンダイヤを5個、黒檀を10個、琥珀金を10個、ラピスラズリを10個を買った。
かなりの出費だが、装備を強化するには必要だしな。
ま、全部ブラミスに預けるが。
道具屋から情報を聞くと、
亡くなったドワーフはドルビンという爺さんで、
墓は街の北外れにあるらしい。
街の北に向かうと、墓に一人の女性がお祈りをささげていた。
しばらく待つかと思っていたら、向こうから声をかけられた
「あんたら、ヒューマンね?ヒューマンがドルビン先生に何用かしら?」
「あ、貴女は?」
「人に名前を尋ねる時には、自らが名乗るのが礼儀では?」
「あ、すみません、僕はアレン・クルスといいます。こっちはミチル、お察しのように両方ともヒューマンです」
「あたしは、ドワンダ、ドルビン先生に鍛冶屋にしていただいた、見ての通り、ドワーフよ」
ドワンダ 42歳 ドワーフ 女
Lv40 ブラックスミス☆5
ドワンダいた~!
それにしても、風貌が凄いな。
赤茶色の髪はすごいボリュームだし、
身長は小さいが、腕や足腰はしっかりしている。まさにドワーフだ。
そうか、サルトベルクから居なくなって、ドワーフの多いこっちに来ていたのか。
故郷なのかも知れない。
確かに鍛冶屋ではあるらしいが、ジョブもランクもブラミスには大分劣る。
年齢もドワーフとしては若いしな。
「実は、僕たちは・・・」
「待って、あんたらに事情があるのも理解はするわ、でも、急に来て、なぜそれに耳を貸さないといけないの?」
「確かにおっしゃる通りです」
「それに、ドルビン先生に用事というなら、見ての通り既に亡くなっているわ。他を当たった方が良いわよ」
「いや、さしてドルビン殿に用というわけではないのですが・・・」
「では、あたしにかな?なら、あたしには話を聞いてあげる義理はないわね、それに、見ての通りあたしは怪我をして鍛冶屋は辞めたのよ、他を頼りな」
見た目ではあまり怪我と言われてもな。
確かに腕を吊っているから、骨折か脱臼はしてそうだが。
治るだろといいたい。
「その通りですが、さして鍛冶をしてもらいたいわけでもないんです」
「ならあたしの出る幕は尚更ないわね、余計早く帰った方がいいわよ」
「ではどうすれば、話を聞いてもらえます?」
「そうね・・・じゃあ、あんたらはお酒は飲めるかしら?ドワーフはお酒で語り合うの。まずはあたしと勝負しましょうか?ハンデとしてあんたらは二人、あたしは一人でいい。あたしに勝てたら話くらいは聞いてあげるわ」
マジかよ、飲んだことないし。
大体が蟒蛇と言われるドワーフに勝てるわけない。
あんたらの話なんか聞きたくない、でもしつこいからとっちめようと言われてるのが丸わかりだ。
「アレン様、お酒は行けるクチでしょうか?」
「いや、まだ飲んだことがないのでなんとも・・・ミチルさんは?」
「嗜む程度です。ですが、ここは私がやるしかないようですね、お任せください」
ミチルも20歳だ。
酒を飲んでそんなに経つわけでもないだろうが。
彼女に任せよう。




