火山に行く前の準備その4・・・
レイチェルの部屋で談話しながら、夕食なのか昼御飯なのか夜食なのかわからない食事をした。
セニアが食事を待っててくれたのは意外だった。
また、レイチェルの物腰がかなり柔らかくなった。
ある程度の腕前は認めてくれたらしい。
飯はというと、相変わらずバトスのサンドイッチは旨かったし、レイチェルがシェフに頼んだ肉も最高だった。
空腹は最高のスパイスなり。
「アレン、明日の予定は?」
「そうだな、ルルさんに顔だしてから、イラガジェン火山に行こう」
「ではアレン殿、私は朝、城門にて待ちます」
となった。解散し、宿に一泊。
体の疲れより、精神に来てたため、ぐっすり眠ることが出来た。
次の日、ルルの元へ行くと、薬は出来ていた。
また、ドラヤーキを渡すと嬉しそうに頬張っていた。
ちなみにドラヤーキは朝皆で食べてみたが、美味しいがどら焼きとは全く違っていた。
あんこの代わりに入っていたのは甘い果実のジャムだったし、
そもそも小豆はこっちにはないのかもしれない。
ドラヤーキを頬張るルルはどうみても幼女そのものだ。
何年生きてるかは聞かなかったことにしたい。
小さいおばあさんが、和菓子食べてるようにしか見えなくなるし。
さて、渡された袋の中を見ると
体力回復アイテムでは傷薬の強化版かつ状態異常も直す万能薬、さらに回復量が高い万能霊薬が複数入っていた。
また、魔力回復では、回復魔力の量が多い、魔力秘水、魔力霊薬
があり、
更にパーティー全員に効果がある緋色万能薬、紺碧魔力水もあった。
まだ、上のレベルがあるとは言え、
かなり終盤までも使える回復アイテムがある。十分な成果だ。
ルルとは仲良くしておこう。
そしてお礼の菓子を用意していたリルムは流石である。
礼を言ってルル宅を後にしようとしたら、ルルにアレンだけ呼び止められた。
「アレンさん、くすりでこまったらなんでもいってください~」
「ありがとうございます」
「それから、あじんもけっこうくわしいですから~なにかあればいらしてください~」
「それは心強いです、是非お願いします」
「これをわたしておきます~」
「?」
ルルの亜人薬メモ
「これは?」
「あじんのおねえさんたちに、まんがいちあったときに~、ひつようとなるくすりのざいりょうが~かいてあります~」
「万が一?」
「あじんなので~・・・いそぎではないですが、あつめておくのがよいかと~」
「わかりました」
仲間に亜人が増えたら一度相談してもいいかもしれないな。
キャットウーマンのサキもいるが、火山から帰ってきたら聞いてみるか。
ハイエルフのディアナは亜人ではないから対象外だろうけど。
メモを見ると漢方のような物からかなりレアな素材もある。
『ウェアタイガー:トウシキミ、暗黒樹の樹皮、月の雫、白虎の爪』
トウシキミはいわゆる八角だ。スターアニスとも呼ばれている植物だ。ドロップではなく、そこらへんから採集する必要があるだろう。
暗黒樹は冒険後半に出てくる魔物で樹皮は普通にドロップするため、なんら問題なし。
月の雫も終盤の敵~ドロップするはずだ。貴重な回復アイテムではあるが、手に入らないものではない。
ヤバイのが白虎の爪。白虎って、四聖獣やんか。
ゴブリンの巣最奥地にいるが、言うまでもなくエクストラダンジョンだし、Sクラスの力を持っている。
更に、守護聖霊候補でもあり、倒すには大変な戦闘力が必要となる。
簡単に集めた方がいいってマジすか。
避けてもいい強敵と戦わざるを得ない状況にさせられたわけか。
『フェザーフォルク:風切り羽、鼈甲、ジンガールペッパー、虹色の尾羽』
なんだか、ウェアタイガーに比べると種類は多いが難易度は低いな。
風切り羽はハーピー類が死ぬほど落とすし、そもそも持ってる。
ただ、手持ちのは防具用にブラミスに預ける予定だから足りないか?
それならまた集めるのはなんら問題なし。
鼈甲も既にあるし。
ジンガールはよく分からないがテッハの家で豚の生姜焼きがそんな名前だったはず、ペッパーはわからんけど。
テッハの奥さんメアリーに聞けばわかるはずだ。
虹色の尾羽は、デザートイーグルが落とした黄尾羽同様に、虹色の衣の材料であり、終盤に出る極楽鳥が落とすはずで必ず集めるはず。
万が一がどういう事態なのかが、気になるが、心に止めておこう。
ちらっと後でディアナと話してもいいか。
「アレン、ルルさんなんだって?」
「いや、気を付けてだそうだ」
「そう」
「では、行きますか?」
「待って、道具屋に行こう」
「何を買うの?」
「火傷軟膏をな、火傷には俺もなるらしいし、火山にいくなら必要だろう、リルムのリフレッシュだけで間に合わない自体が来るかもしれん」
「ルルさんから貰えば・・・」
「いや、ルルさんは普通に買える消耗アイテムは扱ってないんだってさ」
散策しているときに、武器屋は見たが、特に買うものはなく、
また、イラガジェン火山に行くか決めてなかったから火傷軟膏も買ってなかった。
火傷状態になると、一定時間ごとにダメージを受けるうえ、痛くて武器が握れなくなる。
また、戦闘後にも状態異常として残るし、
ゲームでは、そう言う設定はなかったが、現実では深刻な火傷は、死亡の原因にもなる。
意外と厄介な状態異常であるとして対策はこれでもかってくらいしておきたい。
道具屋にて、火傷軟膏を買いだめし、各人が持った上で、ストアにもカンストするまで溜め込んだ。
後は飲料水か。高いなぁ。
しかし火山で干からびるは勘弁して欲しい。
まぁ、サキと話して決めようか。
やはりディアナも道具を胸にしまった。
魔術師系には一般的な道具の持ち方なのかな。
おっさんだったら使用したくなくなるな。
そして城門にいくと、すでにレイチェルがいた。
ありゃ、そんな遅くなったつもりはないんだがな。
サキとも合流し、事情を説明、レイチェルを紹介し、出発と相成った。
「移動は日中で問題ないか?」
「イラガジェン火山までは4時間もあれば着くから大丈夫」
「サキ、火山内に持っていく飲料水はどれくらい残っている?」
「あ、それは、大丈夫よ、昨日のうちに、かなり仕入れてくれたから」
「え?」
「帝都ウィリアムからセニアが手持ちして、ディアナのエスパシオ使って何往復かしてくれたの」
「エスパシオって、運ぶ重さによって消費魔力がかかるのでは?ディアナ、大丈夫?」
「問題ありません、それに多分私が一番飲みますでしょうし」
確かに、ディアナは植物に水を上げるみたいに、水を多く飲む。
節約してくれるのは構わないが買えばいいのに。
あ、ケリューン領内で買うのは今の政情的にはアウトか。
一回に何リュー運んだんだろう?
セニアのことだから力任せに持てるだけ運んでみたにちがいない。
どれくらいの量?と聞いても回答はなさそうだ。
ま、いいか。火傷軟膏も水も揃った、よし、準備完了。
先生、バナナはおやつに入りますか?バナナないけど。
「じゃ、出発しようか」




