火山に行く前の準備その2・・・
2階に行ったところを見ると、薬師は軍属ではなく、町人らしい。
ちょっと安心した。
まぁ、軍人でもいいんだけどさ。
レイチェルは一室の前に立ち止まり、ノックをした。
「ルルさん、レイチェルです、ご在宅でしょうか?」
『はいです、レイチェルさん、どうぞ~』
ドアの向こうから可愛らしい声がした。
ん?若いな。名前はルルらしい。
風邪薬かよ、薬師だけに。
それにしても、ケリューンでの登場人物、ひたすらラリルレロな名前が多いな。
ドアをあけ、レイチェルが入っていったのでアレン達も着いていく。
「ルルさん、事前に説明した通り、この人達に、薬作るの協力してもらえないでしょうか?」
「はいです、だいじょうぶです~」
「よろしくお願い・・・ん?」
あれ?声はするのに姿が見えない
はて。
「おーい、おにいさ~ん、したです、した~」
下を見ると、女の子が一人いた。
うわっ、小さっ! 可愛い!
可愛いといっても女性の可愛らしさではなく、マスコットやペットか、という愛らしさだ。
身長は多分90センチくらいで、3歳児くらいのサイズにしか見えない。
耳はなんかの動物、しっぽまである。
しゃがんで目線を合わせる。
ルル・シャルバン
8歳 フォックステイル ♀
Lv5 グランドファーマシー☆8
8歳?マジかー。8歳にしては小さすぎるよな。
手を出したらロリコン越してるな、こりゃ。
いや、出しませんよ?
まぁ、それはいい。
ファーマシーは調合の出来る薬師だ 。
グランドが付いているのは薬だけではなく、秘薬や、霊薬、さらには神薬までも作れる最強の薬師だ。
しかもランクは最高位。
レベルは低いので旅に出たことはなさそうだ。
人は見た目に依らないと言うが正しくだ。
あれ、8歳のルルに38歳のレイチェルが、敬語だ、軍人だからか?
「はじめましてです、ルルといいます、とうぞくたちをつかまえてくれたのはおにいさんたちですか?」
「あ、はい、初めまして、アレンっていいます」
「こんにちは、セニアです」
「リルムといいます」
「ディアナです」
「ルルさんは見た目は若いですが、この国で一番の薬師ですよ」
「レイチェルさん、わかるから大丈夫です、確かに腕はいいようだ。僕は見た目では判断しないし」
「え?そうなの?どうみても子供じゃ・・・」
「セニア、あなたも亜人なのに、他の亜人はあまり知らないのね?ルルさんはフォックステイルですよね?」
「ですです、キツネのあじんです~」
「可愛い!」
「やっぱり。私は鳥、セニアは虎よ」
「わぁ、あじんがいっぱい~」
なんか嬉しそうだ。キツネと虎、鳥が仲良いかは知らんが。
「フォックステイルはあまり大きくならない種族なのよ、戦闘向けじゃないけど、職人向けよね」
「皆、本題に入るよ、えっと、ルルちゃん?でいいかな、薬の調合を頼めるかな?」
「はいです、おしごとですよね?」
「ああ、もちろんだ、お金はきちんと払うよ」
「おかね?それはつかわないのでいらないです~ 」
「え。仕事でしょ?一人暮らしみたいだし、受け取ったら?」
「いらないです~」
「アレン殿、ルルさんなど2階に住んでいる職人層の住人は仕事をするかわりに、食事から家から生活に必要なものな全てを国が保証していますし、国内では何を買っても無料なので、お金は不要なんですよ」
「凄いですね」
「だから、あまり国外に出ないんですよ。もちろん国としても出ていかれると困るので、そういう保証にしています」
なんと!ケリューンは社会主義だったのか。知らんかったな。
それにしてもベラルーシみたいだな、ベラルーシは美女を国外に出さないためにあらゆる優遇が受けられるらしい。
だから街には美女だらけで、美女側に取っても満足度は高いらしい。
一度行ってみたいが、行ったところで美女の持ち出しは禁じられてるしな。
この囲い混み政策はうちのパーティーにも導入すべきか?
「ええっと、それだとお礼が・・・」
「じゃあ、たまに、がいこくのおかしかってきてください~」
「それでいいの?何が食べたい?」
「はいです~。あまいものならなんでもいろいろたべたいです~」
「それからあじんのおねえちゃんたち、たまにあそびにきてください~」
「分かったわ、いいよね?アレン」
「まぁ、素材たまったら来ることになるしな」
「では、いまおもちのそざいをあずかっていいですか~」
サボ系からのものを中心に、今まで集めてブラミスに行ってない素材を預け、依頼を出す。
ブラミスは武器、防具の材料にならない素材は受け取らないのだ。
そういうのは大体は薬用だ。
「どれくらいかかりますか?」
「いまは、いらいがけっこうつまってますから~、あしたにはおくすりだしときますね~」
「頼みます」
「はいです~」
ルル宅を後にした。
特徴的な話し方をする人だった。
おくすりじゃなく、おくしゅりって言ってくれれば完璧だったのに。
まぁ、大人のフォルムだったら間違いなくムカつくが。
「なんか、依頼溜まっているとか言っていたな、大丈夫かな?」
「大丈夫でしょう、ルルさんは仕事早いですし、正確ですよ」
「なんで依頼が溜まっている忙しい人に協力を?」
「アレン殿、ルルさんはご両親を赤き爪痕に殺されています」
「そうですか、それは・・・」
「ですから、アレン殿達の話をしたらすぐに了承してくれましたよ」
なるほど。ルルにしてみれば、親の敵を取ってくれた人になるのか。
だから協力してくれると。
合意的である。
「それに、アレン殿達の薬師として、ルルさんより適任はいないでしょう、彼女なら亜人系の薬も作れますから」
「亜人系?」
「私たち亜人はヒューマンと違った病気にかかったり、ヒューマンにはない生理現象があるのよ、ほら、毛がわりとかさ」
「なるほどな、ところでレイチェルさん、なぜルルちゃんをルルさんって呼ぶんですか?」
「え?仕事を持っている人間には誰であろうとさん付けが普通ですが・・・」
「年下でもですか、凄いですね」
「え?なんですって?」
「え?」
「アレン殿に私の歳、言いましたっけ?」
「あ、いや・・・」
やべ、墓穴掘ったかな
「見た目的に、レイチェルさんの方が上ですよね?」
ディアナ、ナイスフォロー。
ディアナはステータス見れるの知っているし、
見たの気付いてるだろうに、流石だ。
「あ、あぁ、なるほど、結論からいうと、ルルさんは年下ですが、私より長く生きてますよ」
「ふぇ!?なにそれ?」
「彼女はフォックステイルですから、ヒューマンの約8年に1年しか歳を取りませんので・・・」
ま、マジかー。
オリンピックより長い間隔じゃん。
じゃあ、約60年生きていてあのロリっぷりか、詐欺やん。
いや、見た目で判断しないって謂ったが流石に違いすぎるよ。
もたもたするとルドルフより年上かよ。
リルムが頭を抱えている。
どうやら知っていたらしい。
フォックステイルがあまり大きくならないってそういう意味かよ。
「そんな話はおいておきましょう、さて、このまま、修練場に行きますか」
「はい、お願いします、出来れば今日中に終わらせたいです」
「わかりました、そのスピード感で覚えるつもりなら手加減はしませんよ」
「宜しくお願いします」
「今日中と言った覚悟は認めます。が、余程私をなめているのか、才能にあふれているのか・・・とくと見極めさせてもらいます」
ヤバイ、変なスイッチおしたかな。
流石、剣豪、誇りもあるし腕もあるってことか。
レイチェルの目がギラっと輝いたように見えた。




