火山に行く前の準備その1・・・
街の人に先代の話を色々聞いてみる。
RPGの基本ではあるが、こっちに来てからあまりしてなかったな。
正直アレンにとって有用な情報はあまりなく、微妙だし。
ルドルフ曰く、王の居室以外はとりあえず自由にしていいみたいだ。
しかし、大臣が見つからない。
色々聞いてみると、どうやらそもそもそういう役職の人間が居ないらしい。
つまりルドルフが実質大臣も兼務しており、
騎士団はレイチェルが動かしているらしかった。
ルドルフがNo2か、幼妻をめとったロリコンなのに。
だからレイチェルが国王の護衛していたのか。流石No3だ。
街の人の話を纏めると、それはそれは先代国王は人格者で切れ者だったようだ。
また、イフリートが居るのは、ケリューンから北西のイラガジェン火山だそうだ。
うん、そうだよね。それくらいの情報はゲームでもあったし、知っているんだが。
この国の人に取ってはイフリート『様』らしい。それはそうか。
大体は無意味な情報ではあるが、その中で気になることもあった。
食堂のじいさんが言うことには、
「最近、火の威力が安定しない、今まではこんなことはなかった」と。
また、武器屋では
「鉄の焼き入れが上手くいかず、商売あがったりだ」と。
要するに、火を使う職業には何らか良くない影響があると言うことだ。
さらに食堂のじいさんに再び話を聞くと、
「イフリート様に何かあるとそういう影響があるかもしれない・・・」
と聞いた。
しかしながら、誰かが見に行かないといけないが、
方法まではわからないから自分では行けない、と。
つまり、お前らが行け。
と遠回しに言ってるわけですね、わかります。
RPGとしては定番ですよね。
ま、街人が色々解決したら主人公達は立場がなくなるしな。
しばらく歩き、話を聞いて疲れたので、休憩していたら、レイチェルがやってきた。
時計を見ると一時解散してから5時間ほどが経っていた。
なかなか早い時間だ、レイチェルは有能なんだろう。
「皆さん、お疲れ様です」
「あ、準備が出来ましたか?」
「いえ、工事とかはまだまだ、人員や資材集めに時間がかかりますから。ですが、部下に任せましたので私の手は離れました」
「では、修練場に行きます?」
「あ、その前にルドルフが呼んでおりますので」
また、あのおっさんかよ。
うざったいな。
仕方ないのでレイチェルに連れていかれ、ルドルフの元に行く。
レイチェルとの手取り足取りの訓練を邪魔するとはいい根性だ。
文句言ってやる。
と思ったが、部屋に入るなりいきなり、机に何か置き、近くに来いと促された。
「アレン殿、まずはこれを」
「これは?」
鎮火のアミュレット
ネックレスの中心部のようにも見えるが、アクセサリーではないようだ。
アミュレットだとお守りだが。
キーアイテムか?
鎮火してますけど。
「先代国王がイフリート様の加護を受けるときに貰ったものらしいです、炎のアミュレットです」
だから、炎は鎮火しちゃってますが。
一般人にアイテム名がわからんだろうから仕方ないが。
ふ、勝ったな。
「そんなのがあるなら先に言って欲しかったですが」
「すみません、王家に伝わる神器ですし、簡単に持ち出しは出来ないですから」
「貸し出しということですね」
「はい、私の全責任でお貸しします。貴殿方がの強さを全面的に信頼しているわけではないですが」
確かに、ルドルフはアレン達の戦いは見ていないわけだし。
魔王討伐とかの目的も伝えてないわけだしな。
それは仕方ないだろう。
「ですが、何もしないわけにはいきませんので・・・くれぐれも無くさないように、持ったまま死亡しないようにお願いしますね」
「我々も死ぬのはごめんですね、死ぬ前には逃げ戻ります」
「そうですね、それがいいですかね。期限は、もって10日くらいですかね」
「期限があるんですか?」
「はい、ケリューンから出たらでいいですが」
「守らないと指名手配されるとか?」
「いいえ、そんなことをしている余裕は我々にはないでしょう。もっと大変なことになります」
「大変なこと?」
「ケリューンでは、基本的に亡くなった方は土葬をします。そして、地熱と火山の力で徐々に土に帰り、そうすることで、火の神として生まれ変わるとされています」
「このアミュレットが無くなると、それが出来ないってことですか?」
「はい、その結果、ケリューン内がアンデットの魔物に覆われるでしょう、その中には先代王の亡骸もあるでしょう」
「はい?」
「そのアミュレットは、ケリューン内外を分かつ聖具でもあります。ケリューン内部に結界を張り、アンデットの発生を抑えているのです」
「にわかには信じがたい話ですね」
信じがたいさ、鎮火してるし。
「はい、ただ先代がそう言っていただけで本当にアンデットが溢れるかは分かりませんが無視も出来ないので」
「何故それを貸していただけるのです?持っていたらイフリートが話を聞いてくれるとか、炎の攻撃が効かなくなるとかがあるんですか?」
「さて、それも実例がないのでわかりませんね、ただ、イフリート様とケリューンの繋がりを示す唯一のものですから、イラガジェン火山に行かれるならお持ちください」
「他所から来た貴殿方が血を流し、命をかけるならば、我々ケリューンの民も全員で命をかけますよ」
ルドルフは初めはイケ好かないおっさんだと思ったが、
なるほど、筋は通った軍人らしい。
まぁ、旅人に国民全部の運命を預けるなよという文句はいいまい。
しかし、実際にこのお守りにどれくらい効果があるかだな。
ケリューン内ではちゃんとお守りになっているようだが、
持ち出したり、イフリートに対峙したりしたときにお飾りになる可能性も否定できない。
なにせ鎮火してるわけだし。
持っていてもボコボコにされるとかは勘弁して欲しいなぁ。
ま、お守りなんて効果がわからないものが普通だしな。
「それから、イラガジェン火山には、レイチェルに同行させます」
「はい?レイチェル殿は連れ出したら困るとおっしゃっていませんでした?」
「ええ、ですが、一時的であれば、問題ありません、必要なことですし」
「それは監視としてですね?」
「そうです。貴殿方がたに嘘や化かしは通用しないから認めます。が、まぁ、難しく考えずに戦力としてお使いください、きっと役に立ちます」
「正直ですね、わかりました、ですが、万が一レイチェル殿の身に何かあっても保証はできかねますが」
「私も軍人ですから、自分の身は自分で守りますので心配ならさずに」
あら、お姉たま、たくましいことで。
ま、確かに戦闘力は通常なら高いしな。
アレン達は通常ではないかもしれないが。
「では、レイチェルをよろしくお願いします。イラガジェン火山に行くタイミングはアレン殿に任せますゆえ」
退室を許された。
一時的とは言えレイチェルが仲間になったのか。
美人ではあるが、まぁ、そこらへんにいるレベルだ。
軽戦士だし、人妻だしなぁ。
「では、よろしくお願いします。戦いに関しては、皆さんは普段通りで大丈夫です、私は邪魔にならないようにしたうえで、私なりに動きますから」
レイチェル・ロレンス 38歳
ヒューマン 女
Lv45 剣豪☆6 NPC
主属性 無
Lc アイスコフィン☆5(水+1 氷+1)
Lc ジャンヌヘルム☆5
Lc ミスリルメッシュ☆5
Lc ジャンヌシールド☆5
Lc ジャンヌボトムス☆5
Lc ジャンヌグリーブ☆5
セリフからそうかと思ったがやはり、NPCか。
つまり命令も出来ないし、勝手に動くキャラで一時的な加入だ。
ブラミスはなんだかんだ言って言うこと聞いてくれていたしな。主属性は無し。まぁ、そうだろう。
装備についているLcは、ロック。プレイヤーが勝手に変えられないということだ。
いい装備してるわ、全部☆5か。それ、くれよ。
ジャンヌ装備か、いいなぁ。
まぁ、ジャンヌ装備は、名前からわかるように、女性軽戦士専用だからいらんか、セニアは使えんだろうし。
オルレアンの少女ことジャンヌ・ダルクの名前を冠しているが、女性であれば、少女でなくても使えるようだ。
どうせなら鎧も揃えればいいのに。
ミスリルメッシュはかなり汎用性も高いし守備力もいい、
これこそセニアにぴったりなんだがなぁ。
それに武器にも対火特攻ついてるし。本気かよ。
よほど、国をあげてイフリートをボコボコにしたいらしい。
「さて、アレン殿、これからどうします?薬師と修練場は準備出来ていますが」
「薬師にあってから修練場にいきましょう」
「わかりました。案内します。こちらです」
レイチェルは2階を目指し歩いていった。




