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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第4章 四人は荒野をひた走る
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こちらからの条件と解決案と・・・

「話はわかりました。まず、一つ目の水問題ですが、リルムの立場なりもあるため、そのまま依頼を受けるわけには行きません」

「そうですか・・・」

「そんな・・・アレン、なんとかしてあげようよ」

「セニア、よく考えてみろ。貿易の話はローシュ家の仕事だ。他の貴族が手を出してきたら面白くないだろう。ラルバやテッハにも迷惑がかかる」

「しかも、ローシュ家は四大貴族のなかでも一番力を持っているから、なかなかね・・・」

「進言したりくらいが関の山だろう。実際に動かせるかはローシュ次第だが、国王が動けないとなるとな」

「残念ですが、仕方ありません、他の解決策を模索します」


「ですので、私なりの解決策を提示しましょう」

「はい?他に策が、お有りなんですか?」

「説明はしますよ、ただ、条件が三つあります」

「三つも!?・・・なんでしょう、お金ならある程度は用意しますが大量には・・・」

「そんなものは要らないです。それを貰ったら尚更財政が逼迫するのが目に見えていますし」


金はどうしてもくれるなら受けとるがさして要らない。

しかし、タダで教えるつもりもない。

こちらにも問題はあるのだ。


「それに、その内の二つはどちらかと言えばお願いです。善処していただければ、結果、出来なくても大丈夫です」

「はぁ、お願いですか、聞きましょうか・・・」

「まずお願い一つ目です。腕の良い、薬の調合が出来る薬師を紹介してくれないでしょうか?素材は沢山有るのですが、我々には調合が出来ないんですよ」

「薬ですか、ですが、通常に調合される薬では国王は回復しませんが」

「いえ、国王の治療のための薬を作って欲しいわけじゃなく、私達の旅の助けとしてです」

「なるほど、そうですか。分かりました。それなら丁寧かつ、腕の良い者を用意できます。ですが、旅に同行は許可出来ませんが」

「それで構わないです。旅先で素材がまた貯まったりしたら、また調合だけお願いするのは有りですか?」

「そういう事でしたら・・・ならば、ケリューン内でやっていただく分、彼女の手が空いているときには許可しましょう。後で挨拶をさせます。レイチェル、手配を頼む」

「はい、かしこまりました」


薬師は女性か♀らしい。

いいよぉ、わかっているじゃないか。


「助かります。次にお願いの二つ目です。パーティーの戦力強化したいのですが、なかなか適材がいないのです」

「そうですね、今は、ギルドや酒場で仲間探しはおすすめしませんしね」


セニアの母、マーレにも同じことを言われた。

余程まともな人材はいないのだろう。


「頑強かつ信頼のおける重戦士で、旅に同行できるものは居ないでしょうか?種族は問いませんので、居たら身柄を借り受けたい」

「うーん、重戦士ですか、探しては見ますが・・・約束は出来かねますね、この辺で重戦士でしたら私が一番戦闘力には長けていますが・・・」

「失礼ながら、ルドルフ殿はケリューンを離れるわけには行かないのでしょう、ご遠慮します」


そもそもこのルドルフ公はアレンの中で『信頼のおける』という条件から外れてる。

わざとだったのも分かるが出会い頭の印象があまり良くない。

しかもおっさんだ。それだけで要らない。

パーティーメンバーに手を出されたら困るし。

身分があるからと言え、手を出さないとは保証できない。

うちのメンバーはそれだけ美人揃いだからな。

手を出していいのは俺だけだ。

やはりどうせならそういう心配の要らない♀がいい。

百歩譲っておっさんであってもディアナやエルガルドとの協力を得ようならヒューマンは避けておきたい。

それでも一万歩譲っておっさんかつヒューマンなら間違いなくテッハを引き込むのが最強だ。

しかもテッハならエルガルドでも平気なはずだ。

ヒューマンのおっさんならテッハ以外の選択肢はない。


「ふむ、確かに私はケリューンから離れられませんな。分かりました、探させましょう。それで、もう一つはなんでしょうか」

「最後だけは条件なんですが、レイチェル殿、墜落しつつある飛行船で戦ったという話から推察するにかなり出来る剣豪ではないですか?」

「ふぇ、わ、私ですか!?確かにジョブとしては剣豪ですが、良くお分かりになりますね」


完全に気を抜いていたからか、いきなり話を振られたレイチェルは少し慌てていた。

ふぇ、って可愛い。

もちろんステータスを見て剣豪だと分かっていることは言わない。


「剣豪ということは、種族特攻剣技を複数使えますね?」

「はい、悪魔斬りとゾンビ斬り、ドラゴンキラー、スピリットキラーが使えます」

「悪魔斬りは私も出来るので、それ以外の3つを私に教えてください」

「え?教える・・・ですか?出来るかなぁ・・・経験がないのでなんとも」

「アレン殿、レイチェルを連れていかれるのですか?それはいささか困ります」

「あ、いや、そんなつもりはないです。模擬戦闘で良いですから、私に放ってください、あとは勝手に理解して真似るようにしますので」

「はぁ、なんだか分かりませんが、それでしたら。修練場で後程出来ますが・・・」

「すみませんが、すぐに出来るとは限らないので、何回も使ってもらうかもしれません」

「まぁ、大丈夫です。ですが、アレン殿にダメージが・・・」

「それは私が治療および、プロテクションをかけるので大丈夫です」


ラーニングの説明は特にしない。色々聞かれても面倒くさいし。

そして、流石はリルム。マジ有能。

既にこう言う話では指示すら要らないんだな。

まぁ、ラーニングで強くなるのはもう定番だしな。

しかし、レイチェルが歯切れが悪い。

きっとルドルフの許可が欲しいのだろう。


「関係ないですが、ルドルフ殿とレイチェル殿はどういう・・・」

「補佐官であり、妻ですが・・・何か?」


何か?じゃねぇよ、つ、妻だと!

何歳年下なんだよ、おっさんそれは犯罪でっせ。

レイチェルは歳いってるかと思ったが、幼妻だったわけか。

お姉たまって言ってごめん、言ってはないけど。

ますますイケ好かないおっさんだ。

それにしても、ルドルフさんよぉ、自分の妻を国王の護衛にして危険にさらすとはなんたることか!


「では、ルドルフ殿。大切な奥方様をお借りしてもよろしいですね?」

「う、うむ」

「で、では、アレン殿が考える解決策を教えていただけますか?」

「はい、まず、水は、少量から自給しましょう、ガルハック地下洞穴から治水工事をすれば確保できます」

「工事ですか、それはまた莫大な費用と期間がかかりますな」

「確かに。ですが、初期投資としては仕方のないことです。一度行えば、今後、サルトベルグに頼る必要はなくなり、逆にサルトベルグへ強く出ることが可能です」


サルトベルグの燃料とかはケリューン側に依存しているはずだ。

財政的に化石燃料を持っているほうが確実に有利なのが普通だ。


「今は、時期的にそこまでサルトベルグが燃料を必要としていないのでしょうが、寒くなれば必ず燃料の輸出量が増えているはずです」

「確かに・・・」

「サルトベルグが現在強気な価格で水を売っているのを、燃料で取り返し、その費用で工事をするのです」

「わかりますが、長期間に及びますね」

「ですから、工事期間を稼ぐ間に、小規模ずつ、水を浄水していき、大部分は輸入し、一部は自給するんですよ」

「その一部をどんどん増やしていけば良いのです」

「ですが、ガルハック地下洞穴の水を飲むにはいささか・・・」


ヌメヌメしてるやつとかいるしな、気持ちはわかる。

しかし、アレンが言ってるのは地下洞穴の中ではなく、上にある山脈の方だ。

だからルドルフのとんちんかんな不安は無視。


「まず、浄水の方法は教えます。幸い、ここは木炭は作れるでしょうし、様々な粒径の砂利や岩には事欠かないでしょうし、油なども豊富ですよね」


そこから、まずは浄水の方法を説明する。

活性炭および、岩石でのフィルターの作り方を伝授した。

さらに、殺菌には一度煮沸し、冷却させることで綺麗な水になる。

冷源の確保が課題だが、密閉容器の断熱膨張でつくれる。

スプレー缶が冷えるのと同じ原理だ。

ガルハック地下洞穴でこの浄水方法をし運ぶのをしばらく続ける。

手間はかかるが、自給自足できる。

平行して治水工事を進めていくのだ。


次に地下洞穴の上にある山からの治水工事のやり方を説明する。

カナートのように地下に水脈を通す方法もあるが、掘削にさらに時間がかかるため、オーソドックスに行く。

山肌をはつり、岩石で水路を作る。

さらに浸水しないように固める。

コンクリートがあれば良いが、

コンクリートの材料である砂利はともかく、セメントを手にいれるには難しいため、

(にかわ)を粘土質の砂に混ぜセメントの代用にする。

それを当分比率でまぜ、よく捏ねる。捏ねが足りないと粘性が足りず液状化してしまうためだ。

実際の工事には付き合わないが、やり方はこれでもかと細かく伝えてあげる。

レイチェルが熱心にメモを取っている。

工事には時間がかかるのは仕方ないが。


「という感じだが、いかがでしょうか」

「大規模ですね、しかしやってみる価値はあるならば・・・早速準備にかかります」

「実際やってみると、色々不具合は起こるでしょうから諦めずにやっていきましょう、水質の検査は必要でしょうし」

「水質検査はサルトベルグからの輸入でもしていますので、薬品やらはありますので問題ありません」

「それは良かった」

「はい、では、アレン殿、まずは様々な手配をしますので、剣技の訓練はしばしお待ち頂いてもよろしいですね?」

「ああ、大丈夫です、では城内にいますので、準備ができたら呼んでください」


一時解散となった。

工事に関しては知識はあるが、やったことはない。

どこまでやれるかだな。


「アレン、なんか凄かったね」

「ん、ああ、工事のあれか、まぁ、後はケリューン側がどう頑張っていくかだな」

「それもだけど、普通に色々条件出していたよね」

「金より苦労するかもしれないからな、薬師はなんとかなるだろう。実際、薬師は戦闘力は皆無だし、帯同している必要はないからな」

「そうね、重戦士の方は見つかるかな?」

「そっちは厳しいだろうな、見つかったとしても、基本的に♀しか受け入れるつもりはないしな」

「え?そうなんですか?でも♀で重戦士となると種族的にはミノタウルスやラミアとかになるんですかね?」

「確かに。かなり獣寄りになるかもしれん。まぁヒューマンでもいるだろうが、種族は贅沢はいわないよ」

「アレン、なんで女性だけなの?エッチ!」

「まさか、エッチなことしようとしてるんでしょ!」


セニア、リルムからは散々な言われようだ。

普段からそういうことをしているみたいじゃないか。

・・・3人にはしてるな、うん。

それを聞いたディアナからもなにも言わず冷たい視線が飛んできた。

セニアにしろリルムにしろ、美女にエッチ!と言われるのはご褒美です。

ディアナの切れ長の目でそう見られるのももちろんご褒美です。

うん。

だが、ここは自分の名誉を守るために弁解しておこう。

私は無罪です、冤罪ですよ、皆さん!

痴漢冤罪はこうして生まれるのか。

ん?この場合、痴漢に関しては冤罪じゃない気がするな、まぁいいか。


「待て待て、それは誤解だ。もし、重戦士の男が入ったとして、君たちに欲情したらどうするんだ、皆、綺麗だし可愛いんだ、襲われてもパワーが強いと負けるじゃないか・・・」

「え?負ける前にのすけど・・・?」

「綺麗?うふふ、ありがと」

「私達を心配してくれているのですね、安心しました」


勝った。正義は守られた。

約一名間違った反応してるが。

普通はリルムとディアナの反応だろ、なんで戦う前提で勝つつもりなんだよ。

まぁ、でも、誤解ではないかもしれない。

襲うのは自分だけで十分だと思ってるのは内緒だし言わない。

嘘はついていない、情報を全て言わないだけだ。調書の記述に不足があるのは良くあることさ。


「技のラーニングはいつも通りかな、でもアレン、よく思い付いたね」

「ま、ステータスからレイチェルが剣豪なのは分かっていたし、剣豪になる条件は4つ以上の種族特攻剣技を持つことだからさ」


これには実はもう一つ狙いがある。

アレンも4つの特攻剣技を覚えたら

剣豪になれるはずだ。

しかも今、アレンのジョブ、エレメンタラーと剣豪は全く関係がない。

つまり、ジョブが剣豪になるかもしれないが、セカンドジョブが開花する可能性もあるわけだ。

ジョブにはジョブ効果がある。

複数持てるなら、それも強くなる方法だ。

因みに、エレメンタラーは属性攻撃ダメージ+10%、剣豪は物理ダメージ+10%が付くはずだ。

剣豪がセカンドジョブに入れば、属性付与攻撃や属性強化攻撃は自ずと+20%になるはずだ。

そうではなくジョブが剣豪になったとしてもアレンは魔法で戦えないから全て物理攻撃だ。

つまり、今と変わらない。デメリットは何にもないわけだ。

上手くセカンドジョブがつくといいが。


「後はさ、アレン、水の属性付与攻撃が欲しいんじゃない?」

「そうなんだよな、なかなか水流撃覚える機会がないんだよな、イフリートと戦うなら有るに越したことないのにな」

「条件に出せば良かった?」

「そうかもしれないが、あまり要求するのもな」

「レイチェルさんが使えたりしないのかな」

「いやぁ、無理じゃないか?レイチェルさんが水属性ならわからないが、属性は付いてないからね」

「そっか、イフリート対策も考えないといけないわね」

「スピリットキラーを覚えれば、多少はな・・・」


スピリットキラーは霊や精霊の類いにダメージが増す技だ。

炎の精霊であるイフリートにも効果はある。

が、まずは、戦わないで済ます方法を探したい。


時間もあるし、先代国王がどうやってイフリートの加護を受けたか調べるか。


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