荒野を抜けキリアルへ・・・
そういえば出発の準備中に請求書が飛んできた。お金を近づけたらスルスル入って消えてしまった。
うわ、気持ち悪っ!
規定額を入れると請求書はキラキラ光って燃えるように消えた。
これで支払い済みらしい。
荷物はまだ届かないが、サキは関係なく出発しようとしている。
荷物はしばらく後に馬車で届くんだそうだ。
また例に漏れず魔法絡みらしく、どこでも届くし、どんなに早く移動しても追い付かれるらしい。
運び屋というジョブの魔法だそうだ。
何そのストーカー、怖い。
この世界では戦闘系以外のジョブ、御者や運び屋などがかなりあり、どれもその仕事に便利な魔法があるようだ。
知らなかった。まぁ、そういうのはサキに任せよう。いちいち構ってられん。
ところで、盗賊のアジトからウィリアムに帰ったときを除いて、
馬車を用いてのかなり長い移動は初めてである。
サキ曰く、全員が馬車に乗っていれば戦闘をせずに移動はできるとのことだが、
経験も積みたいし、ラーニングスキルや素材的にも戦うことにする。
この辺り、キリアルまでに出る新しい魔物はストーンマン、ランドタートル、ハイコボルト、ダイヤウルフ、スコーピオ、グレースライム、夜にインプくらいだ。
こいつらは特に耐性もないのでどんな魔法も効くはずだ。
ストーンマンは前に戦ったコールマンの強化モンスターであり、ディアナが加わった今となっては大した敵ではないだろうが、素材で色々な鉱石を落とすため狩り対象だ。
ランドタートルも堅いが魔法があれば問題ないし、亀の甲羅と鼈甲を落とす。両方とも素材としては優秀であるし、鼈甲は金にもなる。
後は、スコーピオの麻痺と、グレースライムからの不意討ちくらいに注意だ。
グレースライムは特筆する強さではないが、風景と色が同じで必ず不意討ちでくるウザったい敵だ。
ダイヤウルフは現実世界では絶滅種であるが、デカイ犬だ。
デカイのはこっちの世界では既に見慣れたものだしな。
スキルとしてはダイヤウルフのダブルスパイク、ハイコボルトの大防御をもらうことにしよう。
ダブルスパイクは、刺突2連発で、斬撃2連発の双連斬と相性がいい上、属性も乗る。
大防御はしばらく動けなくなる代わりにダメージを8割軽減する防御系の技だ。本人にしか効果がないのが残念だが。
上記を皆に伝える出発すると、いきなり襲われた。おあつらえだな。
ストーンマンLv30×2
「後ろにもいます」
グレースライムLv28×6
囲まれた。結構な数だ。
ディアナが後ろのスライムにいち早く気づいたため、態勢としては悪くはないが。
「ディアナ、後ろの数を減らしてくれ、セニア、リルムは前だ!」
「任せて」
「わかりました」
ディアナが全体攻撃魔法を詠唱し始め、指示を飛ばす前にリルムはシャープネスをセニアに。
その後、リルムは鞭を振るって攻撃をしていた。
倒すまでの威力もないし、技もないが体力を削るくらいはできるらしい。決定打としては使えないわけか。
とは言え、リルムの動きはかなりパターン化されてきたな。
その後、セニアが確実にストーンマンの数を減らし、石榑を築いていく。
虎=猫科と鳥なのに、この二人は相変わらずコンビネーションがかなりいい。
一方、アレンは一閃斬をメインに確実にグレースライムを減らしていく。
ぐにゃぐにゃしてるが一閃斬でいけばあまり関係はない。
それにそろそろ斬撃でも範囲内攻撃が欲しい。
一閃斬からの派生技で乱閃斬を覚えれば範囲攻撃が出来るため、使用数を稼いでおきたい。
いつ使えるかはわからんが。
グレースライムはディアナがスプラッシュで3匹を一撃殺し、残った3匹はアレンがしとめた。
え?スプラッシュで一撃?いやいや、マジかー、お強いんですね。
レベル的にも優位ではあるが、 楽勝だ。
魔法攻撃力が大きいのだろうし、そもそも魔法攻撃をメインに出来るのはかなり助かる。
しかも、ディアナは魔力回復力的に全体に初級魔法を放ったくらいでは魔力不足にならないらしい。
しかも属性縛りがない、ハイエルフ、なんたるチートだ。
328フィル
鉄鉱石×2
スライムパウダー×4
ドロップはしょぼい。
鉄鉱石はブラミス行きとして、スライムパウダーは、正直いらん。
片栗粉のような効果のある食材で使い道はあるが、正直、あのヌトヌトしたスライムから出た粉だ。
店で売られてる料理には入っているのはわかってはいるが、積極的に食べたくはない。
「ディアナ、いい感じだよ」
「ありがとうございます」
「使う魔法は任せていいか?」
「構いません、何かあれば指示を頂ければ従いますが、魔力が枯渇しないように使っていきます」
「それで頼む」
キリアルに近くなると、砂地や荒野が広がり、海は見えなくなっている。
環境は変わってもウマと馬車は順調に涼しい顔をして進んでいる。
水平器とかジャイロを積んでいるのかってくらい平坦に歩く。
こういうのを見るとやはりウマは生き物ではないんだ実感する。
そんな観察をしていても勿論、魔物は関係なく襲ってくる。
ランドタートルLv31
ランドタートルLv29
ハイコボルトLv30×2
とりあえずはハイコボルト以外を任せ、大防御を取りに行く。
大防御を使わせるのは簡単であり、ラーニングも簡単である。
コボルト属は元々弱くしかも臆病だ。
逃げ出さない程度に削れば自然と使ってくる。
原理的には意識を集中させるという意味では練気に近いのかもしれない。
練気より物理ダメージの軽減効果は薄いが、魔法ダメージにも適用でき、かつ持続時間が長い。
色々使えるはずだ。
ラーニングが完了したらボコボコにするだけ。酷いな、我ながら。
相手はほとんど動かないし、時間はかかるが、負けることはない。
アレンが大防御を覚えて、ハイコボルト2体を片している間にランドタートルも片付けられていた。早いな。
後で聞いたら、ディアナがスプラッシュで打ち上げ、下からセニアがスクリューブローをお見舞いしたみたいだ。
確かに亀には下から攻撃したいが、的確すぎてエグいな。
いや、待て。スプラッシュってそう使うもんだっけ?
水量を圧縮とか出来るのかな、なおさらエグい。
568フィル
鼈甲×2
石の鏃
鏃は槍の素材なるが、石かよ。要らん。
あれ、そういえば、鏃といえば矢の先端だよな。
弓は買ったけど矢の部分ってどうなってるんだ?
よく考えてみるとゲームでも矢はアイテムとしてないぞ。
うん、使っている人に聞こう、先生、教えてくださいな。
進みながらディアナに聞いてみた。ディアナは歳上だ、意味的に先生だろう。
「ディアナ、一つ聞いていいか?」
「なんでしょう?」
「弓矢の矢ってどうなっているんだ?」
「ああ、矢ですか、狩猟用のウッドボウとかにはありますが、戦闘用には必要ありませんよ」
「要らない?え?」
「はい、本弭と末弭に魔力を通して弦を引っ張ると、矢が形成されます。」
「だから、装填する必要もないし、慣れれば連射もできますが、魔力を持たない者には使えません」
「じゃあ、弓で通常攻撃しても魔力を使うということ?あまり多用はできない?」
「いえ、矢自体は何かに当たったり、墜落して失速すると魔力に還元され戻りますし、そもそも、使う魔力は微々たるものですね。そうですね、50発打っても魔力自体は減らない感じですね」
「じゃあ、逆に魔力を大量に込めれば威力が高い攻撃が出来る?」
「多少はとしか。技にはありますが、私はまだ使えません。あまりやりすぎると弦が壊れるんだそうです。あ、属性付与や状態異常を引き起こしたりは出来ますよ。私はまだできませんが」
本弭と末弭は弦の両端を支える本体部分だ。
もうこっちの世界の魔力の便利さにツッコムのはやめておこう。
なんでもありなんですね、わかります。
MPの概念や数字として把握出来ているかは分からないが減らないというならそうなんだろう。
強い一撃はあるのは知っているが、魔力を大量に込めるわけではないのかな、でも魔力は消費するよな。
そんな話をしていたらまたもや戦闘だ。
ダイヤウルフLv32×3
スコーピオンLv31×2
定石でいえば、ダイヤウルフを観察したいところだが、組み合わせが悪い。
ラーニングは後にして、麻痺にならないアレン、対策がしてあるリルムでスコーピオンを叩き、ダイヤウルフはセニアとディアナに任せる。
獣に対して滅法強いセニアがあっという間にサンタテしたようだ。
キャインと泣くダイヤウルフはやはり狼というより犬っころだったようだ。
スコーピオンは生意気にもディアナにも麻痺針を飛ばし、見事に麻痺させていた。
いや、目の前のアレン達に集中しろよ!隙だらけなので瞬殺。
ディアナを見ると、ホントに動けないんだ、彫刻みたいに固まっているが美しいな。
動けないからイタズラしちゃ・・・いや、なんでもない。
麻痺していても胸は柔らかいんだろうな・・・ちょっとだけさわ・・・いや、なんでもない。
そんな感じで戦闘を繰り返し、昼くらいにはサキが食事を出してくれたが、いつ作ったんだ?
午後も変わらず、今日はいい時間になった。
夜しかでないインプを相手に戦うのも必要だが、
夜はやはり危険だ。
キリアルに着いてからでいいだろう。
寝るのは馬車で寝れば安全だが、煮炊きはしよう。火元もあるわけだし。さながらキャンプだな。
キャンプに美女達とってたまらんよな!
その後も順調に進み、予定通りの日程でキリアルが見えてきた。
キリアルまでの戦果としては、ラーニングもちゃんと出来たし、鼈甲、亀の甲羅も結構集まった。
また、ストーンマンからもゴーレムコアが一つ、玉鋼が三つと上々だ。
亀の甲羅、鼈甲、玉鋼からはブラミスに防具を作ってもらえる。
ゴーレムコアは金になる他、ウマの餌になるらしい。
何かあってサキがウマに魔力供給出来ないときに食わせれば良いらしい。予備燃料だな。
さ、キリアルに入ろう。
サキは馬車で待機のようだ、まぁ、魚はないだろうし、そうなるよな。




