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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第3章 三人衆は戦いの日々へ
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オーガーと戦ってみた

外に出ると、エルガルドの雰囲気が一転していた。

木は倒れ、家なども破壊されていて、

所々から煙があがり、燃えているところもあった。

幸い、まだ入口付近までしか被害はないようだが、放っておいたら拡大していくのは間違いない。


「何?これ?」

「襲撃されてるんだ!」

「アレン、あっち!」


真剣な顔でセニアはエルガルド入口を示した。

リルムは既に美しい翼を大きくなびかせ、魔力を溜めだしているようだ。


森とエルガルドの間ではデカイ影が動いていた。

暴れている手には棍棒みたいな物を振るっている。


「オーガーだ!行こう!」


すぐに入口に向かう。

すると、ギルを筆頭に、多くのエルフが武器を構え、オーガーに向き合っている。

マジャルの姿もみえる。


レッドオーガーLv45


デカっ!5mはあるんじゃないか?

でも大丈夫だ、そこまでレベルが高いわけじゃない。なんとかなる。

鵺とそう変わらないし、弱点じゃないだけで楽だ。


「ギルさん、大丈夫ですか!」

「な、あ、アレン殿、何故ここに?」

「なんだい、アレンちゃん達来てしまったんかぇ、全くマーゴットは何をしているんじゃ」

「いやマーゴットさんには止められましたが、私たちが無視しました。マジャルさんも無事で良かったです」

「二人とも、俺たちも戦いますよ」

「い、いけません、お客様にそんな・・・」

「そうじゃ、これはワシらエルフの危機じゃて、危ないから下がっておいで」

「エルフがどうとか今は関係ないですね、アレン、あれがオーガーね?・・・全力で戦って問題ないよね?」


そう言ったセニアの目がギラっと怪しく光った。

戦闘スイッチが入ったらしい。


「ああ、セニア、手加減はいらない。ギルさん、珍しくボロボロじゃないですか、手を貸しましょうか?」

「オーガークラスには流石に、私の樹外皮も役に立ちません、しかもやつは火属性ですから・・・」


樹外皮っていう技なのか、ゲーム中にはそんな技はなかったな、初めて知ったよ。


オーガーは色で属性が分かれている。レッドオーガーは勿論、火属性だ。

そりゃ、エルフはほとんどが木属性だ。火属性のレッドオーガーは苦手だろう。


「ギルさんやマジャルさんにはお世話になりました、放ってはおけない」

「・・・では、甘えさせていただきます、ですが、アレン殿達の強さでは、到底やつに勝てないで・・・」


「・・・プロテクション!」


ギルと問答している間に、リルムがセニアにアップ魔法をかけ出している。

流石話が早いな。

翼を広げた時から準備していたんだね。


「リルムちゃん、あんたいつの間に詠唱を?」


驚いたマジャルに対しリルムはニコリと笑いかけ、さらに詠唱を続けた。


「セニア、あいつはレッドオーガーだ。属性は火、体力もあり、怪力だが動きは遅い、口から炎を吐くから注意だ、弱点は頭だ」


ブラミスからもらった防具には火耐性ありで3人とも装備している。

エルフが戦うよりは絶対マシだ。


「リルム、あいつは魔力自体が低い上に賢くないからあらゆる魔法が効くはずだ、一通りアップをかけた後は、バインドだ!回復のタイミングは任せる」


リルムからはアレンにも既にプロテクションがかかっており、

リルムは次の魔法を詠唱しながら静かに頷いた。


「れ、連続詠唱・・・じゃと?」


マジャルがリルムの魔法スピードに驚いている。

通常、魔法を打ってから次に詠唱出来るまで、魔力を溜めるためのタイムラグが発生する。

しかし、フェザーフォルクは自身の翼に魔力を蓄えており、本気で魔法を使うと溜め時間を短くできるのだ。勿論回数に限りはあるが。

リルムの魔法は元からそうだったが、マジャルとの修行でさらに開眼したのだろう。


まずはセニアが駆け出す。

オーガーが棍棒を振り回しているが、あっという間に間合いを詰めた。

やはり攻撃は全く当たらない。

セニアのキレキレな動きはやはり素晴らしい。

セニアがオーガーの元に突く前にはシャープネスも乗っていた。

リルムはさらに詠唱を続ける。


セニアが全力でタイガークローを放ち、オーガーの左足にヒット。

続いて、爪をまっすぐ突き出し、そのまま手首にスナップを利かせ、引き裂いた。

また新しい技らしい。

反撃とばかりにレッドオーガーは踏みつけてきたが、そんな大振りの攻撃がセニアに当たるわけがない。

踏み出された足に爪で攻撃しつつ、土台に使いセニアは器用に昇っていった。

いや、忍者みたいやな。


「は、早い!あれがセニア殿の本来の動き・・・」


アレンも負けてはいられない。

駆け出す最中に、抜いたドワーブンソードに風をまとわせる。

ちょうどセニアの一撃目が当たるときに、

レッドオーガーの右足に烈風波が当たるタイミングに調整をする。

倒れてくれれば楽だったんだが、そうはいかないらしい。

そしてそのまま走り距離を縮めたら、右足に烈風双刃を放つ。

属性付与攻撃はギルにかなりの数を打ち、練習させて貰った。

合技ではあるが、これくらいは軽く出せてしまう。

さらに、そのまま刃を突き出しながら駆け抜けた。


「アレン殿もそんな攻撃が出来るのですか・・・2回攻撃みたいな・・・」


ギルは少しビックリしていたが、すぐに冷静になり、指示を飛ばす。


「魔法が使えるものは、火の手を消火!あわせて怪我人の回復を最優先だ」


セニアの本来の動きを見て邪魔しない方がいいと感じたらしい。

ギルは司令官としても優秀だ。


レッドオーガーは両足にダメージはあるが、まだ倒れない。

アレンに対し、棍棒を力一杯振るって襲ってくる。

(見える!)

アレンは軸足に力を込め、一瞬で背後に回り込んだ。

めくりだ。やっと戦闘中に意識して出来るようになった。

そしてそのまま火炎弾を3発お見舞いする。

それを合図に、セニアはレッドオーガーの頭付近に爪で攻撃し、

反動で体をはなし、戦闘開始位置までジャンプした。

アレンの意図が分かっているらしい。流石すぎる。

それにしてもやっぱりどういうバネしてんだよ?


「さぁ、行くぜ?」


火炎弾を打ったところに、烈風撃を放つ


「喰らえ、合技、暴風刃!」


凄まじい風をレッドオーガーに叩きつける。

暴風刃は風属性なのでレッドオーガーにも効果はある。


「こ、これは!な、なんという・・・」

「驚いた、魔法無くても戦えるじゃないか、しかも属性混合とは」


ギルとマジャルが驚いている。そりゃ、一人合技はチート臭いしなぁ。

流石のレッドオーガーもよろめいた。

だが、倒れないで耐えきった。デカブツは体力が凄い。

暴風刃の勢いのまま走り抜き、アレンも元の位置まで戻った。

それと同時にリルムが


「無数に生い茂る緑の蔦によりて汝の歩みを止めよ・・・アイヴィバインド!」


いいコンビネーションだな。

蔦が絡まり、レッドオーガーの動きを止めた。

上手いこと口も蔦が絡んでくれた。

長持ちはしないが、作戦が練れる。

その間はエルフが遠距離から魔法で攻撃しているが、

レッドオーガーに木属性はあまり効果がないだろう。


「アレンの合技受けてもダウンすらしないよ、なかなか凄い体力ね」

「やっぱり頭、特に角のあたりを狙わないと、体から削るのは時間かかるかもな」

「頭かぁ、なかなか昇るのも時間かかるよ、意外と大変」


普通は意外とじゃなく、凄く大変か、出来ないかだと思うんだがな。

ケロッとした顔で言うセニアが怖いよ。


「方法はある。けどなぁ、ギルさん、エルフの中に上級以上の氷攻撃魔法を使える人はいます?」

「上級以上の氷ですか?」


氷魔法を使うには水属性を深化させる必要がある。

それなりに経験がいるし、

しかも主属性が水と来ているし、かなりのエネルギーを生みたいわけで上級くらいは欲しい、

勿論ゲームのエフェクトから判断しただけだが。

エルフはほとんどが木属性だからなぁ。


「難しいですね、水属性上級の使い手くらいだったらそれなりにはいますが、氷は・・・」

「水か、水でもいいんだけど、流れちゃうから大量にいるんじゃないかなぁ」

「水なら私だってそうだけど・・・まだ威力がね、ギガスプラッシュはまだ使えないし」

「いや、リルムはさ、補助魔法に集中してほしい」

「あ、女王様は?」


確かに。セニアが核心をついた。

ハイエルフである女王は氷も使えるはずだし、

そもそもこの場所に何故いないんだ?

滅ぼしてくれる!とかいって真っ先に戦いそうなくらい勝ち気に見えたが。

流石に君主がそんな常識ないことしないか。

それは置いといて、少なくとも何事か!と出て来ても良さそうではある。

そういや、ずっと見てないな。


「いや、その、女王は今、えっと・・・」


ギルは歯切れが悪い。


「ギルや、アレンちゃん達に隠しても仕方あるまいて。アレンちゃん、女王様はディアナ様の魔力回復をしておる」

「ディアナ様の魔力はかなり枯渇しており、通常の治し方では時間がかかるでな、ハイエルフの女王様が直接魔力を分けとるんじゃ」

「なるほど、だから動けないと」

「そうじゃ」

「あ、オーガーが動くよ!」


アイヴィバインドの効果が切れた。

途端に暴れだした。


「とりあえず、我々エルフでバインドをかけ続けます、レッドオーガーにバインドが効くとは知りませんでした。それなら木属性である私たちにも出来ます」

「すまんが、それでも炎は飛んでくるじゃろう、動きを止めるだけじゃ、その間に攻撃するのは任せていいかの、アレンちゃん」

「分かりました、大丈夫。多分、俺たちの方があいつにダメージが通ると思います」

「リルム殿に合わせて、回復と補助魔法もエルフも放ちます」

「では皆さんはダウン系をお願いします」


さっきリルムのバインドで口も塞げたのはまぐれだしなぁ。

仕方ない。でも動きが止まった相手をタコ殴りか。

面白くないな。いや、少しでも削ろう。

バインドがずっと効くわけがない。バカでもそれなりの反撃はあるだろう。


その後、しばらくはアイヴィバインドで縛られた巨人に対し

アレンとセニアで攻撃していった。

ガリバー旅行記かよ。


しかし、その戦い方も直ぐに終わりを告げる。

レッドオーガーが縛られた状態でも炎の玉を吐き出し、エルフに負傷者が増えだし、

回復が間に合わなくなってバインドを放つ人数が減っていったためだ。

結局はリルムのアップ補助を浴びたアレンとセニアで体力削りになった。


「地味に疲れるわね、どれくらい続くのかしら」

「さぁな、あっちのHPが尽きるのが先か、こっちが疲労するのが先かって話だな、セニアどう?」

「まだ大丈夫だけど・・・」

「やっぱり頭だよね、一気に減らしたい」

「レッドオーガーの腰くらいまで何かで上げてくれれば、なんとかなるんだけどなぁ」

「え?そうなの?」

「え?」


アレンは頭まで昇る必要があると考えていたが、

セニアは腰くらいまでの考えだったらしい。何か案があるんだろう。

そういうことは早く言ってほしい。

高さが違うならエネルギー的にいけるか?


「セニア、信じるよ、なんとかなるかもしれない。ギルさん!水属性使える人集めて下さい!」

「わ、分かりましたが威力はあまり・・・」

「攻撃力はいい、まずは水量を確保したい、メガスプラッシュ以上でデカイ水溜まりを作ってほしい」

「分かりました、皆聞こえたな!」


何人かのエルフが頷き、詠唱に入った。


「セニアは飛ぶ準備を。奴が水溜まりに炎を吐いたら、Goだ!」

「分かったわ」

「リルムは魔力貯めて待機!」

「はい」


全てはタイミングだ。セニアの戦闘センスを信じる。


しばらくしたら水溜まりが出来たがやはり流れる。

そこでアレンは水溜まりの端に位置とり、烈風波をレッドオーガーの顔目掛けて飛ばす。

上手く行けば炎で反撃してくるはず。

この誘発行為はゲームでも知られているが、普通はやらない避けるべき行動である。

炎はかなり威力が高いからだ。顔を狙わないと使う確率は高くはない。


数発、烈風波を放ったら、炎を吐いた。狙い通りだ。

アレンは向かってくる炎に対し、刃を向け風をまとわせ、防風壁によりダメージを軽減させた。


「セニア!」


声をかけたが、セニアは既にジャンプしていた。

水溜まりが一気に熱され上昇気流になり、セニアがそれに乗った。

セニアはレッドオーガーの腰に一度足を付け、

そこからイーグルクローを放つ格好でセニアは高く飛び上がり、

レッドオーガーの頭めがけて急降下。


「いっくよ~、せーの!」


「リルム!今だ!クリティカ!」


アレンの合図と機に、リルムが詠唱を始める。


「紺碧の光に魅せられて、邪成るものを見つめる汝の心を開眼せよ・・・クリティカ!」


クリティカの乗ったセニアはイーグルクローから

途中でドワーブンメイスに持ち替え、

クリティカルヒットを放った。

100%会心の攻撃だ。

ちょっと待て、セニア、今、技をキャンセルしただと?

いつの間にそんなスキルを・・・


ドワーブンメイスがレッドオーガーの頭頂の角にヒット!

しなりを活かしてセニアが全体重を乗せている。


『バッキィィィ~!』

と凄まじい音を立てたと同時にレッドオーガーが雄叫びをあげ倒れた。


これがそのまま決勝点となりレッドオーガーは無事討伐された。

セニア、ナイススイングだ!

それにしても、セニアは恐ろしい子。

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