エルガルドでの夜、方針を考えてみた
「こちらの部屋をお使いください」
「ありがとうございます」
「明日は魔法に長けた者のところに行きますが、よろしいですか?」
「お願いします、あと、馬車がおけるような、広場みたいなのありますか?御者の仲間と合流したいのですが。」
「かしこまりました、明日、ご案内いたします」
ギルが案内してくれた宿、というか家は城の下、一番近いところにあった。
小さな家だが、綺麗だし広さも十分だ。
風呂もあるみたいだ。ちゃんと湯船にはお湯が張られている。
居間には布団が3セット敷かれている。
「すぐにお休みになられますか?」
まだ寝るには早い。エルフはどういう生活スタイルなんだろうか。
「いや、食事をお願いできますか?」
「わかりました、では、お持ちさせますのでごゆっくり」
ギルはお辞儀をして去っていった。
ギルもかなりの美男子だ、興味ないからステータス見ないけど。
そう言えば、エルフは何を食べるんだろう。
霞みとかかな?そりゃ仙人か。
「びっくりしたね、王女様だって」
「まぁ、ハイエルフだしね、大体は身分高くなるわな」
「ん?アレンはハイエルフって知っていたの?」
「ん、あぁ、ステータスで見れる。実はリルムのも、捕まったときにクレリックだって知っていた」
「ああ、そうなんだ、だから、合流した時疑いがなかったんだね。他に何が見られるの?」
「名前、種族、年齢、性別、ジョブ、敵対するかどうかくらいかな」
「敵対するかがわかるんだ?それは、便利ね」
「まぁ、実際、すぐに戦うかはわからないけど警戒は出来るし、騙し討ちはされにくいね。でもどちらでもないって見える場合、いや、見えない場合もある。あまり関係にならない村の人とかさ。」
「ふーん、よく分からないけど、まぁ、いいか」
「ところでバイアールに報復とかいいださなくて良かったね」
「そうだな」
そんな話をしていたら、マーゴットが、食事を運んできた。
予想と反し、普通に肉とかもある。
「ありがとう、美味しそうだね」
「食べ終わりましたら、表に置いてください、こちらで片しますゆえ」
「わかりました」
「では。何かありましたら、そこにある鈴を鳴らしてください」
マーゴットか、まるでメイドだな、まぁ、侍女もメイドも変わらないしな。
と思って、お辞儀をして出ていく彼女を見てみた。
マリア・マーゴット ???歳
???
?
Lv ???
?????☆8
主属性?
ん?なんじゃ、こら。
名前はマリア?マーゴットは姓?でも、皆、マーゴットで呼んでいたよな。まぁ、そこはいいか。
でも、歳も、種族も性別もレベルもジョブも不明って。
敵ではないらしいが。
それにジョブレベル8って!
何かの最高位にいるわけだが、マジかよ。
この少女、いや、少女に見える何かは何なんだろうか。
(こ~ら、だめよ♥坊や、人のことあまり覗かないのよ♥)
な、なんだ、今のは。
頭に直接響いたし、セニア達には聞こえていないみたいだ。
(怯えなくていいわ、坊や、貴方にしか聞こえないわ、直接意識に話しているから、そのまま話してごらんよ、あ、マーゴットよ)
(なぜこんなこと出来る?そもそも、観察してステータス見ていたのに気づいたのか)
(ヒ・ミ・ツ♥今はまだ、教えてあげられないわ、まぁ、敵ではないから、気にしないで♥)
そのまま振り返りもせずマーゴットと名乗った何かは去っていった。
敵ではないのなら恐怖する必要もないが、
得体の知れないものとは距離をあけたい。
「どうしたの?アレン?」
「いや、なんでもないよ、ただ、あのマーゴットという侍女、なんか怪しい気がしただけだよ、敵じゃないから放っておくけど」
「そう、まぁ、エルフは正直わからないしね」
エルフでもないみたいだが、言わないでおこう。
言っても説明できないし。セニアが殴って確かめたいとか言いだしても困るし。
食事もし、一息付いたので、風呂に入って寝ることにする。
あまり遅くはないが、たまにはいいだろう。
明日からやることを決めておきたいが。
リルム、セニア、アレンの順で風呂に入るわけだが、
セニアが風呂に入っている間、
リルムが腑に落ちない顔で思案していた。
「どうした?リルム」
「うん、あのね、お風呂で考えていたんだけど、さっきの女王様の話さ、あれ本当かな?」
「どの話だ?」
「ほら、その、魔力持ちの異性といると魔力密度がって話。どう思う?」
「ああ、あれか。確かに気になるし、単体で強くなるよりなんとなく良くなるかな?くらいかなぁ」
「うん。でもさ。魔力密度って話、私聞いたことがないのよ」
「まぁ、リルムが知らないなら、俺もわからないよ、セニアもわからないんじゃないかな?」
「アレンは魔法は使えないけど、魔力あるじゃない?どれくらい魔力密度あるのかな?」
「いや、計り方がわからないとねぇ・・・。バイアールは高かったみたいな話を女王様は言っていたけど、リルムはどうなの?彼と一緒にいて魔力に変化あった?」
「うーん、バイアールといたのはほんの数ヶ月だからあまり実感はないわ。全く変わらないって思うよ」
「亜人やヒューマンはダメなのかな?相手がデミヒューマンだから・・・は関係ないか。まぁ、気にしてもしかたないよ、そのうちルーアに会ってから聞いてみよう」
「うん、ルーア様ならわかるかもね、なんだか焦るなぁ、強くなれるなら、そういうのにも頼りたいよ、魔王復活まで時間はないしね」
向上心があるのはいいことだ。しかし焦っても仕方ない。
魂が直接か、一度臨死体験とかしたらあがるかな?
いやいや、危ないわ!そのまま死んだら話にならない。
そんな話をしていたらセニアがあがってきた。
どんな話してたか聞いてきたが、理解は難しいだろうし、
強くなることに関しては、セニアの方が貪欲そうだしな。
面倒くさいから、話題を変えよう。
「明日はまず、魔法がうまい人に会う、サキと馬車を呼ぶくらいか?」
「え~つまんないなぁ、体動かそうよ~」
「まぁ、多少はな、でもセニアも魔法頑張ってみようよ」
「そうなんだけど」
「でも、アレン、ここだとそもそも魔法書とかエルフ語じゃない?アレンはフラウちゃんから読めるかもだけど、わたしもエルフ語は無理よ?」
「リルムが無理なら私もっと無理~」
確かにそうだ、同時通訳は話し言葉だから出来るわけで、
書き言葉だと辛いかなぁ、ってか無理か。
うーん。明日考えるか。
二人には魔法を覚えるではなく、魔力上げてもらうとか?
魔力量なのか魔力密度なのかはわからないが。
そもそも魔法って、何をどう教えてもらえばいいんだ?
訓練って何をするのが普通なんだ?
レベルアップ以外でのやり方は知らんのだが。
まぁ、明日だな、リルムもいるしな。
それから忘れてはいけない、あれだよ。
「あのさ、リルム、それに、読み書き教えてもらえないかな?」
「え?アレン、ヤパナ語わからないの?」
「話せるけど、読み書きはフラウに頼ってる」
「そうか、アレンは別世界の人だもんね、いいよ、私が教えてあげるわ」
「リルム、ありがとうな、あまり世話はかけないようにするから、基本だけ教えてくれれば」
「わかったわ、ついでに詠唱も少し教えてあげる」
リルムから字を習うことにしたいが、
リルムなら教え方もきちんとした仕事をしてくれそうだ。
セニアも読み書きできるので、教えてもらおうと話したこともあったが、
「シャー」とか「よっ!」みたいな擬音が混じり正直訳がわからなかった。リルム先生に頼りたい。
リルムはパーティー内でお母さんだし、先生か。
苦労かけるな。
詠唱は、リルムが仲間になったときにアレンが魔法使えない理由で考えていた。
ヤパナ語が分かり、詠唱できれば打てるかもしれないが、まぁ、過度に期待はせずに行こう。
「じゃあ、アレンが言葉覚える間は私は体動かしたい。そう言えばギルさんは戦えるのかなぁ、手合わせしてもらうとか駄目かな?」
「それは本人に聞いてみよう」
やれやれ、セニアは相変わらずだな。
だが、知らない種族がどう戦うのか知っておくのは大事なことだ。
「あとは武器屋、道具屋、などもいく。まぁ明日かは微妙だけど。必要なのは主にアクセサリーだ」
「そうね、それは焦らないでもいいかもね」
「そう言えばリルムのスカイリングってさ、アクセサリーにカウントされる?」
「これは種族固有でアクセサリーじゃないのよ。だから大丈夫よ。指輪の他のアクセサリーも付けられるわ」
武器などは大体はブラミス製が上だ、少しの強化と素材くらいだ。
あとは、鵺戦でまともな槌装備がなく、ブラミスの戦力を活かし切れなかった経験から、アレン達が使っていない種類の武器をストアにいれておくくらいか。
金には余裕があるし、今後仲間にいつ誰が増えるかがわからないわけだし。
ちなみに、このゲームの世界ではアクセサリーは一人2つまで。
しかも同じ種類のものは魔力が反発するため不可。
例えば、指輪は一つだし、アンクレットも左右で同じものをつける。
だから、イヤリングと指輪など違うものをつける必要がある。
スカイリングはカウントされないらしい。助かる。
他の指輪が装備出来ないのは痛すぎる。
とりあえずは状態異常防止アクセサリーは一式いるな。
ゲームならカッシームで買うはずだが、それより先にエルガルドに来たのでゲットは可能なはずだ。
とりあえず寝よう。
でも眠れるかな、
左には霊峰セニアが、右には神の山リルムが佇んでいる。
いや、いかん、平常心は保とう。
ギルや、マーゴットに昨夜はお楽しみでしたね?と言われるのは困る。
運営から性的描写でやり過ぎだと
待った入ったので、がっつり変えています。
本質は変わりませんが、かなり説明的にしています。
最悪内容変わったの気付かなくても続きには影響しません。
なお、この話以外でも変えています。




