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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第3章 三人衆は戦いの日々へ
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馬車について考察してみた

馬車に座っていると、馬と馬車の間に座ろうとしていたサキが思い出したようにアレンに何かを渡してきた。


「あ、そうそう、アレン、はい、これ。それからまずどこに向かう?」

「いや、サキ、なんだこのペンダント?」


馬車主のペンダント


「この馬車と御者の所有者の証よ。詳しくは後で説明するわ」


馬車の持ち主は分からんでもないが、御者の?つまりはサキの所有者ってことか。

その言い方は可哀想だ、サキは奴隷ではないわけだし。


「そうか、まぁ、後で教えてくれればいいや。とりあえず行き先はエルガルドへ行きたいんだけど、行けるかな」

「エルフの国、エルガルドね、うーん、エルファーの森、つまりはエルガルドの入り口までは判るけど、森は馬車じゃ入れないよ」

「だよな」

「それから、エルファーの森は迷いやすくて危険らしいわ」

「それに関しては大丈夫だと思う」

「えっと?」

「サキは知らなかったな、これよ」


アイテムストアから緑魔力の結晶を出し、

これはバイアールというデミヒューマンに捕まっていたエルフの少女が姿を変えているものだ。

という説明をした。

しかもただのエルフじゃない、ハイエルフだ。かなり身分も高いはずだ。


「エルフがいるなら行けるかもしれないわね、エルガルド。わかった、じゃあとりあえずエルファーの森に行くね」

「頼むな」

「まぁ、しばらくかかるからゆっくりしてて」


サキの運転が上手いからなのか、馬車がスペックが高いからなのか、揺れ方がかなりソフトで、定期便馬車より快適だった。

流石にコーヒーとかは飲めないだろうが、寝るとかには十分だ。


エルファーの森は帝都ウィリアムから南西に広がる大きな森でまだ未開発感が強い。

開発しようにも人間からしたら、エルフに邪魔はされるし、森で迷い犠牲者は出る。エルフは開発なんかしたくないし、ましてや人間にはされたくない。

双方ともに進めないし、今のところメリットもないからだ。

事実、エルファーの森によって分断されているからこそ、お互いに不可侵的になっているから平和なのだ。


道すがら、先ほどラルバから小遣いをもらった件、その使い道について話をした。

リルムは呆れていたが、まぁそんなもんだわな。親の心子知らずだな。

ちなみに話自体は御者をやっているサキも参加できるらしい。

さらに、馬車について気になるところの話を少ししておく。


「サキ、リルム、何個か馬車について質問があるんだけど?」

「うん、なぁに?分かることなら教えるわ」

「この馬車って何人くらい乗れるんだ?」

「そうね、プライベートなスペースはないけどサキを入れて7人くらいかしら」

「私は数にいれないで大丈夫です、御者はウマと馬車の繋ぎ目にスペースがありますから」

「サキ、ま、それはおいといて、じゃあ、パーティーメンバーは6人?それって可能なの?」

「ん?どういうこと?」

「いや、レン達は4人だったじゃん、それより多いパーティーを組むのは可能?」

「あぁ、そういうことね、大丈夫よ、レン様の時代は冒険者が多くてね、

少しでも魔王討伐できるかもしれないパーティーを作るために人数制限がされていたらしいわ。

大人数だと裏切りとかで駄目になるパーティーもいたらしくてね、でも20年くらい前にその法律がなくなったわ。」


なるほど、つまりは勇者の信託受けてない者でも強いなら魔王と戦わせてみたいと。

魔王ではなく、その他の雑兵相手か、上級魔族と戦えるやつがいれば儲けものという感覚か?

いや、それでも無茶な話だな。


「重量的にはどれくらい馬って引けるのかな」

「あ、確かに、セニアいいこと気付いたね」

「このウマだと馬車を含めて、大人20人以上分は全然余裕で運べるわね」

「え?凄くないか、それ」


ま、とりあえずはパーティーは6人くらいなら馬車に入るらしいし、重量も大丈夫みたいだ。

アレン、セニア、リルムで3人、後は魔法使い系は必ず欲しいし、

数的には重戦士を入れるのも大丈夫みたいだ。

後はもう一人くらいか。万能タイプがいいな、なかなか居ないだろうな。

後、絶対女性か♀だな、野郎が馬車にいたら色々と面倒を起こしそうだ。偏見かな


「うん、ありがとう、次に馬車ではトイレや食事はどうするんだ?」

「ああ、まず、トイレはね、基本的には外でするのよ。それ用の簡易トイレは雑貨屋で売っていて、今は大体100個ほど積んであるわ、適宜追加をお願いするわ。」


サキが答えた。


「また、食事は私が作るわ、ただ、移動中は難しいかな。食材も今は積んでいるけど、適宜追加をお願い。街では食材は豊富に手に入るし、戦闘でも手に入るわ」

「火は?」

「外で起こすわ、馬車の中では無理だよ?」

「いや、サキ、というか御者は馬車から離れちゃいけないんじゃ?」

「ああ、そういうことか、大丈夫よ、馬車から降りても、手綱が届く範囲なら魔法切れないから、あ、トイレのことも聞いたのはその疑問があったからか、ごめんごめん」

「いや、サキ、理解が早くて助かるよ、じゃあ、街とかには行けない?」

「基本的には、無理ね」

「そうか、それはすまないな」

「あまり私のことは気にしないで大丈夫。皆が街で宿に泊まったり、食事をしても、基本的に私は気にならないし、馬車で一人でも大丈夫」


キャットウーマンは本質は猫なのか、気まぐれとかわが道をいくタイプなのか、

皮肉や冗談ではなく本当に気にならないんだろう。


「基本的には?」


要らんところにセニアが食いついた。まぁ、例外があるってことだよな。


「うーん、御者には御者専用の魔法があるんだよ」

「御者の魔法?」

「うん、まずは、前に説明した、御者と馬車に対する結界魔法。」

「ああ、聴いたな、それは。」

「それから御者は自分の意志で馬車をしまって持ち歩くことができるんだよ、だから馬車を出す魔法と、収納する魔法があるよ」

「すげぇ」

「じゃあ、馬車を収納すれば、サキも街に行けたりするってことかなぁ?」

「いや、しないわよ。

馬車を出し入れするのには、かなり魔力使うし、収納したまま歩くのは疲れるから、よほどのことがないと。

出すのも疲れるし。

馬車はずっと出しっぱなしが基本。

御者と馬車セットなら魔物からも見えないし、人なんかは襲えない魔法かかるし、出しっぱなしの方が実は安全なんだ。」


収納ってどこへ?は気になるが聞いてもしかたがないか。

いやいや、質量保存の法則はどうした?何百キロ持つんだよ?

サキは力持ちとは聞いていたが『馬車を持てます』は流石にやべぇだろ、

まぁ、これも聞いてもしかないか、魔法でなんとかするんだろう。

そして魔物からしたらステルスだと?半端ねぇな、馬車。


「それから、よく洞窟とかの入り口と出口違う場合とか、街の反対側とか乗る人達と離れないと行けないところなんかは、馬車ごと合流するための魔法なんかがあるわ。ただ、ワープと違うのは好きな場所に行ける訳じゃなくて、合流だけよ」

「凄いな、御者。」


もう物理法則は無視しよう、女神ユミルが嘘ついたとしか思えん。何が『大体物理法則は一緒』だよ。


「さっき渡したペンダントに魔力を通したら、御者に合図が届くの。所有者として登録したアレンしか使えないから、注意してね」

「なるほど、そのためのペンダントか。試していいか?」

「いいけど、私と一緒だと何も起こらないわ、あと、それ装備品じゃないから、アイテムね。身に付けておく必要はないわ」

「所有者として登録したというのは?」

「それは御者が自分の魔力を結晶化したもので、渡された人が魔力を込めるのがスイッチ。だから私とアレンでしか役にたたないのよ」

「そうか、ありがとう」

「アレン、くれぐれも馬車がおけるスペースあるところで呼んでね、足場が悪いとか、そういうのも気をつけて。私からは全く呼ばれる先の状況がわからないからさ」

「分かった、気を付ける」

「御者の魔法って凄いね、かなり魔力高いのかな、戦えるんじゃないの?」

「セニア、それが無理なの。御者は魔力高いけど、特殊な使い方するから、戦闘は出来ないのが普通なのよ、常に放出していて、自然回復もしてるイメージだわね」

「なるほどな」


戦闘に使う魔力は使うときに爆発的に高める起電力のイメージで、御者の魔力は保持電力のイメージか。


「分かった、ありがとう。次に、馬のエサとかそういうのはどうしたらいい?街で定期的に買う必要あるのか?」

「?いらないわよ、そもそも馬車の『ウマ』って言ってるけど、本当の馬じゃないからさ」

「え?」

「あ、いや、だから、生き物じゃないのよ、『ウマ』」

「は?いや、明らかに普通の馬だったじゃないか」


いや、待て。サキが言っている『ウマ』と、アレンとセニアが言う馬は微妙にイントネーションが違うぞ、別物か、道理で話がずれているわけだ。


「うーんとね、定期便とかは生きている本当の馬が使われるんだけど、長距離長期間移動用のやつには『ウマ』が使われるんだ」

「コスト的な話と、アレンが言ったように餌もあるのよ、『ウマ』は初期コストが高いけど、

運用費はいらない、魔力で動いているからね。逆に馬は餌が定期的にかかるし、糞もするし」


こっちの世界では常識らしい。サキとリルムが交互に説明してくれた。


「『ウマ』は、馬型のゴーレムみたいなものね、動力には魔力を溜め込んだ石が使われていて、御者が乗ると充填されていくの」

「なんて便利な」

「うん、だから『ウマ』から見ても、馬車は基本的には出しておくものなのよ」


時計にしろ『ウマ』にしろ、意外とこの技術を目にするな。

魔力を石に込めるのは一般的な技術なのか?

バイアールがやっていたのとは違うのかな、

リルムが石から魔力を取り出したり出来なかったから、あれはなんか特殊な技術な気がする。


「さて、着いたよ、エルファーの森」


色々な馬車の疑問が解けたと同時くらいに、サキが声をかけてきた。

鬱蒼とした森が広がっている。

そしてどこか神秘的なものを感じる。

緑魔力の結晶を取り出すと淡く光っていたので意識の中でフラウを通じ話をしてみる。


(とりあえず、入り口だよ、エルフのお嬢様?)

(案内をします、私の光が強くなる方がエルガルドです、しばしこのままで失礼)

(へいへい)


反応が返ってきたし、さて、いきますか。

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