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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第3章 三人衆は戦いの日々へ
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テッハと戦ってみた

テッハに向かっていく最中にバゼラートに風をまとわせる。

烈風撃からの双連斬を放つ。

しかし、テッハは手にした剣で一撃目をいなし、鎧の小手部分で二撃目を受け止める。


「ほう、属性付与攻撃か、なかなかだな」


簡単に防御しといてよく言うよ

体を翻し、その勢いのまま火炎弾を放つ。

が、これも盾で防御し、テッハには効果がない。

避けることをしないのは、素早さに難があるからか。戦士はそういう特性がある。

対するテッハも上半身を回転させ、重たい一撃を放ってきた。

軌道もわかるし、斬撃自体は早くはない。

そのため、避けられるかとも思ったが、あれはヤバい。そうアレンの直感が働いた。

サイドステップの要領でいつもより余分に動いてかわした。

アレンが今まで居たところには大きな斬撃跡の他に小さな傷が無数に付いていた。


「ふむ、俺のスラッシュを見切ったか、偶然であってもなかなかいい目をしている」


あれがスラッシュか!

スラッシュは斬撃に剣圧を乗せることで、本体の斬撃の周囲に別の剣線を発生させる上級な斬撃で戦士の得意技である。

直感で風圧を感じられたから避けられたもんだ。

危ねぇ、こっちで初めて見た技だが、ゲームで見ていなければ、餌食になっていたかもしれない。


「そりゃ、どうも」


くっそ、避けたのに冷や汗が止まらない。ただし、見えるところには出さないようにする。あくまで心がけだが。


守りに入っても駄目だ、防御しても当たったら多分アウトだ。

攻めだ。攻撃は最大の防御なり。

少しでも削らないと。ロイヤルガード相手に効果があるかはわからないが。

次は、烈風撃を連発し、火炎弾で着火し、さらに烈風波を放つ。


「合技!暴風刃!!」

「む!なんと!ぐぬぬぬ!」


暴風をまとった斬撃によりテッハはジリジリと後退りをした。

そしてアレンはそのままの勢いのまま、狙い撃ち。

確実にダメージにはなるはずだ。


しかしテッハも並大抵ではなかった。

暴風刃を受け止めつつ、追撃の狙い撃ちは鎧の肩で受け、そのまま左手に剣を持ち替え、アレンに上段から振り下ろした。

体幹どうなってるんだよ。


終わった。

流石にレベル差がひどい。

アレンはテッハの攻撃を左肩から胴に向けうけ、そこで倒れた。


セニアとリルムの悲鳴が聞こえたが、アレンは気絶した。






目が覚めた。セニアとリルムが心配そうに覗き込んでいたようだった。


「あっ、アレン目が覚めた?」


セニアの声である。

ゲームオーバーにはならなかった。そりゃそうだ。

ゲームでいえば負け確定イベントなわけだが、

普通に考えて貴族が自分の執務室で殺人をするわけがない。

考えていると頭の上から、野太い声がした。


「さっきはすまなかったな、心配するな、刃で切ったわけじゃない、剣の腹で殴っただけだ」


ベッドに寝かせられていたようだ。体を起こして声のした方を見てみる。

手は動く、骨折はしていないようだが、胴体がズキズキとまだ痛く、肩が上がらない。ひどい打撲だな。


「アレン、大丈夫?」

「一応の回復は済んでるけど、大丈夫?」


セニアとリルムが声をかけてくれた。


「なんとか。まだ痛いけど動くには大丈夫みたいだ」

「手加減はしたんだが、すまんな、やっと魔王討伐を志すものが来て、お手前を拝見したくなってな」


手加減って!

レベルが違いすぎる。

メジャーリーガーが少年野球で投げるようなもんだ。


「アレン君、君はスピードに頼りすぎだね、体力も力もまだまだだし技もまだ粗削りだ、属性付与にしてもただ属性を足しているだけになっている。その上があるのは知っているか?」

「はい、分かっています」

「だが、一人合技には驚いた。それに手加減していてもなかなか俺のスラッシュを避けれるやつはいない。そして覚悟もあり、根性もある、君が言っていることが本当なのも分かったし、盗賊討伐も偶然ではないようだな」

「一応合格ですか?」

「そうだな、魔王は直に復活する。その前に君たちのようなものが現れるのもレンの言っていた通りだ」

「レン様は他にどのようなことを?」

「まぁ、色々話したいこともある。一から説明がいるだろう。魔王との戦いから、その後まで。とりあえず家に来い、妻も紹介したいし、飯と宿くらいは提供するぞ」

「王様へはどうします?テッハさん以外にも魔王の話を知ってる人もいるんですよね」

「いや、王はお忙しいため、すぐに話をしたところで、どうにもならん。と言うか、魔王対策のために、城を補強しているわけだしな」

「じゃあどうすればいいですか?」

「うむ、王への話もするが今ではない。家で話すが、君たちには会ってもらいたい人がいる。先にそっちだ」

「わかりました」


テッハ曰く、帝都ウィリアムにもアルベルト家の邸宅があるらしいが、

あまり使っていないらしく、隣町のオードリーに家を構えているらしい。


テッハに付いて、帝都ウィリアムの隣町のオードリーに向かう。

馬車はテッハが手配したようだが、そんなに距離はない。

歩いても一時間くらいのはずだ。


馬車の中では自己紹介と簡単に盗賊達の話や炭鉱の話をして居た。

ブラミスの話をしたら、テッハは妙にテンションが上がった以外は特筆することではない。


オードリーは一言で言えば田舎である。小さな町で、静かな為、別宅を構える貴族も少なくはない。

テッハもそうなのかな?


「俺は、こっちの家の方が落ち着くんだ。こっちが本宅くらいの感覚だ」


とテッハは言って、町の奥に入っていって、小さな普通の家の前でたち止まり、鍵をあけた。


「ただいま」

「あら、あなたお帰りなさい」

「妻の、メアリーだ」

「メアリーです、主人がお世話になっています」


メアリー・アルベルト 63歳 ヒューマン 女


貴婦人というのがふさわしい、品の良さそうな身長の低い女性だ。

63歳にしてはかなり若く見える。


「いえ、お世話なんてとんでもない。僕はアレンと言います」

「私はセニアです」

「リルム・ライルエルと申します」

「ほら、話していたレンの意志を次ぐ子達だ、話もあるから拾ってきた」

「あら、お若いのね、ゆっくりしていってね、ご飯もすぐできるわ」

「急に押し掛けてしまい申し訳ありませんが、お邪魔します」

「あら、大丈夫よ、こんなところで良ければいつでもおいでくださいな、大したこと出来ませんが」

「まぁ、食事しながら話をしようか、ゆっくり寛いでいてくれ」


メアリーが用意してくれた食事は意外と普通だった。

貴族ならもっと豪華なものを食べてるイメージがあった。

いや、豪華な食事より普通が一番いいわけだが。

メニューはライ麦パンのようなもの、シチュー、アクアパッツァのようなものだった。

素朴だが旨い。


食事をしながら、テッハが話をし始めた。


「さっきも言ったが、宿も提供する。長い話になるから今日はここに滞在しなさい」

「ありがとうございます」

「なんの、さてどこから話をしようかなあ」


こりゃ、深夜まで話し込むことになりそうだな。

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