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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第3章 三人衆は戦いの日々へ
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新聞と時計と。勇者パーティーメンバーに会ってみた

明くる日、アレンもセニアもかなり寝坊をしてしまったようだ。

目が覚めたときには、日がかなり高くなっており、昼くらいなのが分かった。

セニアに起こされて、準備をしていると、サキが呼びに来て、

ドア越しに声をかけてくれた。


「お疲れ様です、既に昼食のお時間ですが、如何いたしましょう?」

「サキ、おはよう、リルムは起きているかい?」

「はい、ただ、今しがたと言う感じで、お食事を待たれています」

「わかった、今行く」


二人でリビングに向かうと、リルムは準備万端で席についていた。

そして新聞のような情報紙を読んでいた。


「あ、アレン、セニア、おはよう、よく寝れたかしら?」

「リルム、おはよう、お陰でぐっすりさ」

「私も、なかなか動き回ったからかしら」

「昨日は凄く動いたものね、食事しながらゆっくりするといいわ」


運動量で言えば、セニアはアレンのそれより遥かに多かったはずだ。

逆にウェアタイガーの体力がなければ昨日の作戦は上手く行かなかったかもしれない。


「あ、そうそう、はい、これ」

「?」

「この前の盗賊討伐の記事よ」

「記事?報告書で上に上げただけじゃないんだ」

「うん、この大陸で流通してる情報紙に載せてもらったんだ」

「見せてもらうね」


フラウを通じて読んでみる。

なるほど、盗賊達の実名は伏せてあるが、盗賊になった背景も書いてある。

国側も少し説明が必要なくらいには批判されているが、今の国政に影響するほどでない。

さらに、アレンとセニアの名前は巧妙に隠してあった。

流石としか言いようがないまとめ方だった。

これをリルムが書いたのか、素晴らしい。


「それから、これ。さっきのは全国版で、こっちは地方版よ、地方版は今回はアリアナと、ウィリアム城内に回そうと思うんだけど、どう?アレン達が駄目っていうなら出さないけど」


受け取ったもう一つを読むと、大筋は変わらないものの、盗賊の実名、そしてアレン、セニアの名前も入っている。

セニアの母であるマーレや、アリアナの人にはこれの方が、セニアの無事や活躍が伝わり良いかもしれない。


「城内限定は、国王と側近、かなり上の貴族にしか読めないわ」


と補足された。それくらいなら名前が知られても大丈夫かな。リルム、完璧や。

セニアにも読んでもらい、掲載、配布にOKを出す。


昼食を食べながら、予定を話す。


「アルベルト卿に会いに行くのよね?」

「うん、どこに行けば会えるだろうか」

「アルベルト卿の今日の予定はバトスが調べてくれたわ」

「流石だなぁ、リルムとバトスは仕事ができるね」

「ありがとう」

「でも予定ってどう言う感じ?時間はどうやってわかるの?」

「え?アレン、時計知らないの?」

「え?あるの?時計」

「・・・」

「・・・ごめん、ちょっと知らないことが多くて教えてもらえる?」

「アレン、私も初めてなの、アリアナには時計ないからさ、時計って高いんだよ」

「・・・分かったわ、アレンには何か特別な事情があるのよね、時計っていうのは、これよ」


リルムは胸元から懐中時計のようなものを取りだした。

受け取って見てみると生暖かい・・・いや違う、ゼンマイと歯車で動く機械の様だった。

しかし、現実世界のアナログ時計ともデジタル時計とも違う。

文字盤には針が1本しかなく、時計回りに見て針より前の文字盤が暗くなり、進んだ方が明るくなっている。

しばらく眺めていたら、針の動きはちゃんと時計回りのようで、動きは分針より早く、時針より遅い。

動力はなんだろう?電池ではないようだが。


「リルム、これはなんのエネルギーで動いているんだ?それから、一日に何回転するんだ?」

「動力はないわ、作るときに、魔力を貯めた石を埋め込むのよ、それでずっと動くわ。回転は一日に5回転よ、左側に光っている石の数で何回転したかわかるのよ」


なるほど。また魔力か。便利だね。

そして一日が約25時間らしいから5時間で一回転、1時間で72度か。

中途半端に思えるが正五角形を思い描けばわかりやすい。

左を見ると4つ石があり2つが光っていた。

2つなら10時から15時、針は180度くらい回っているから、大体の時間はわかる。


「なるほど、今は13時前か」

「流石アレン、その通りよ、よく分かるのね」

「まぁ、読み方がわかればな」

「時計ないと不便よね?用意させようか?」

「頼むよ」


リルムの胸元で暖まったやつがいいです。とは言えなかった。


「セニアは?」

「私はいいや、アレンが持っていれば。どうせ読み方わからないし。そもそも太陽の位置とお腹の空き具合でなんとなく時間わかるし」

「そう?その方が凄いわね」

「アリアナは自然と一緒に生きてるからね」

「じゃあ、アレンの一つね、後でバトスに持ってこさせるわ」

「ありがとう」


こっちに来てから悩みだった時計、時間の話が解決した。話を戻そう。


「んで、リルム、アルベルト卿の予定はどんな感じ?」

「アルベルト卿は今日は前半は工事管理していたみたいで、後半は執務室で仕事をしているみたい。15時にアポイントメントを取っておいたわ」


流石すぎる。リルムを秘書にしたらそりゃ、仕事が進みそうだな。

いや、待て、秘書にイヤらしいことしたくなって進まないか。


「では、城に行けばいいのかな?」

「そうね」

「格好はこんな戦闘用でいいのか?」

「問題はないわよ、冒険者も多いからね」


確かにそんな話を聞いた記憶がある。

だが流石に帯刀はいいのか?

まぁ、駄目なら門で止められるだろう。


昼飯を食べて支度したらいい時間になった。

出かけにバトスがアレンに懐中時計を持ってきてくれた。助かる。


リルムを先頭に城に向かう。

やはり門番に止められたが、リルムが身分を明らかにした上で、アルベルト卿への書簡を取りだしたら通してくれた。


リルムが歩きながら話す。

厳かな雰囲気はなく、開かれた城と言う感じだ。

勿論全ての場所には入れるわけではないだろうが、町人の姿も多い。


「城の内部はまた今度案内するわ、また、王様への謁見もアルベルト卿に会ってからでいいかしら」

「わかった、それにしても城は凄い綺麗だな」

「ね、私も2回しか入ったことないんだ」

「セニアは来たことあるんだね」

「うん、父がここで働きだすのが決まってからと、小さい時に一回かな」

「着いた、ここよ」


『コンコン!』


リルムが小気味良くノックをした。時間はちょうど15時。営業マンかよ。


『はい』

「お約束していた、リルム・ライルエルです」

『そうか、そんな時間か、入ってくれ』

「失礼します」


リルムに続きアレンとセニアも部屋に入る。

部屋には大柄で筋骨隆々で年配の男性が一名。にこやかに迎え入れてくれた。


テッハ・アルベルト 69歳 ヒューマン 男

Lv88 ロイヤルガード ☆8

ソードマスター☆8

主属性 無

ホーリーバスター☆8

聖騎士の兜☆8

ディバインアーマー(上)☆8

白銀の盾☆7

ディバインアーマー(下)☆8

ミスリルグリーブ☆7


勇者レンのパーティーの戦士テッハだ。

ステータスと装備がすげぇ!

セカンドジョブとか有りかよ。

ロイヤルガードは護衛士系最高位、ソードマスターは戦士系最高位だ。

守りも攻めも何でも任せろって感じだ。

69歳であの強さって凄いな。

しかもLv半端ないな。

勇者レンとの旅が終わったときLv1だったはずなのに。

俺のせいで。

めちゃくちゃ修行したらしい。

何にせよ、ようやく勇者パーティーの一人に会えた。


しかしこのおっさん、なんで執務室で鎧や剣装備してるんだよ。


「ようこそ、リルム殿、久しぶりだね」

「はい、アルベルト卿、10年振りくらいでしょうか」

「ああ、立派になったね、で、そちらが例の?」

「はい、紹介します、アレンにセニアです」

「初めまして、アレン・クルスといいます」

「セニアです」

「テッハ・アルベルトだ、宜しく頼む、君たちの話はラルバからの書簡や、盗賊討伐の記事を読んだよ」

「どうもありがとうございます」

「魔王復活の件も、それに対して君たちが立ち向かおうとしてることはラルバから聞いているよ、出来る限りの協力を約束しよう」

「ありがとうございます」

「色々お聞きしたいのですが、よろしいですか?」

「ああ、構わないよ、ただ、すぐと言うわけにはいかないな」

「え?」

「俺はね、さっき言ったみたいに君たちの旅の目的も、ここに来た理由も分かっている。さらに、アレン君、君の正体もレンが言った通りだと推測しているよ」

「・・・」

「えっと、アレンの正体って・・・」

「セニアさん、その話は後にしよう、心配いらない、実は魔王の手下でした、とかそう言う話ではないから」

「良かった・・・」

「セニア、それはそうでしょ、さっきアルベルト卿は協力はしてくださるって言ったじゃない」

「そっか」

「アレン君、俺は記事や伝聞での君たちの活躍は参考にするが、自分の目で確かめたい」

「つまり、テッハさん、貴方と戦えと、仰っていますか?」

「ほう、理解が早いな、その通りだ、出来れば一人でな。魔王討伐だ、実力のないものが行っても犬死にするだけだ。もし、君がそうなら年長者として協力するわけにはいかないな」

「ごもっともです、では・・・!」

「どこらかでも来ていい、手加減はいらんよ」


だからか、だから帯刀での城への出入りも許可されたし、テッハも装備してるわけか。

くそっ、ステータス見なきゃ良かった、勝てる見込みがほぼないわけだが、やるしかない。

手加減?冗談だろ、そんな余裕あるわけがない。


バゼラートを握りしめ、テッハに向かっていく決意を固めた。

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