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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第3章 三人衆は戦いの日々へ
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ボンボン貴族の末路を見てみた

しばし休みながら談笑していた。少しの間、立てそうにない。

魔力も体力も腹もすっからかんだ。

そうしたら、あの馬鹿が、またやってきた。


「ご苦労。諸君、我々ゴルドー家の働きにより落盤は解決した、各自片付けをし、解散。あの化物がおとしたアイテムは我が家が持ち帰る、回収しろ」


皆、白けた上でポカーンとしている。

ご苦労じゃねぇよ、しかもドロップ巻き上げかよ、マジ殴りてえ。


「は?ゴルドー家の働き?」

「何かおかしいですか?あなた方も私の指揮の元にいたはずです、つまり、指揮官の私が優秀であるから倒せたと言えます」

「リルム、やっぱり殴っていい?」

「セニア、本当にやめて、気持ちはわかるけど」

「それに、あなた方4人は、軍法会議に出廷してください、罪状は、私への侮辱罪です」

「ピエール様、それは流石にあんまりです」

「素直に謝るなら情状酌量しましょう、ただ、無罪放免なわけがないでしょう、少佐相当官への侮辱は即ち国家への侮辱です、さ、皆のもの、この者達を逮捕しなさい」


家来に命令したが、誰も反応はしなかった。

まぁ人望のない貴族様だこと。

あんた以外の皆が、あんたが間違っていると感じているのがわからないんだな。


「彼らを庇うなら全員、同罪ですよ」


ピエールの脅しに何人かの家臣が動いたが、本心ではないのが丸わかりだ。

本当に役立たずのうえにくずだとか救いようがない。

だが、もう疲れた。とりあえず手っ取り早く帰りたい。


「いいよ、どうせ、反抗するような余力もない、殺されはしないだろう」

「そうですか、殊勝な心がけですね」


フードを被った家来の人が近づいてきて、アレン達を連行しようとした。


が、何故かアレン達の前に立ち、背中を向け、ピエールに向かいあった。


「・・・なんですか?何か文句でも?」

「流石に先程の訴状はありえないかと」

「私に歯向かうということは、あなたも同罪です。それにクビになりたいのですね、ではどうぞ辞めてください」

「この馬鹿者が!ピエール、お前はワシが誰かもわからんのか?」

「な!?誰だ、私を名前で・・・」


フードを外すと老人だった。

明らかにピエールより目上だし、風格が半端ではなく、家来という雰囲気ではない。


グリナス・ヴァン・ゴルドー

70歳 ヒューマン 男 Lv61 中将


ん?おい、ゴルドーって、まさか・・・


「ち、父上!?何故ここに?」


やはり本物のご当主様らしい。

あんたの息子、どうにかしろや。


「貴様のろくでもない噂は聞いておる、この恥さらしが」

「し、しかし、父上は北国へ遠征中なのでは?」

「馬鹿者が、貴様のことが気がかりで戻って補給部隊に混じっておったのじゃ、それで、先程の恥さらしな訴状はなんだ?」

「父上、この者達、リルム殿も含め、私に対する侮辱罪を働きましたゆえ・・・」

「黙らんか!侮辱罪?貴様はそう言えるだけ働いとるのか!明らかに皆のお荷物になっとるのがわからんのか!?」

「くっ、しかし、指揮官として・・・」

「全てワシは見ておった、指揮官の仕事ならばまずは前線に立て!貴様はふんぞり返り、成果を待つだけの禿鷹ではないか!」

「そ、そんなことは・・・」

「禿鷹ついでに、まずは、魔物のドロップはお前のものではない、討伐者に返せ!この泥棒が!」


すごすごとアレンに返してきた。

明らかにむくれ顔だ、ガキかよ。


ビーストネイル☆4

毒牙の鞭☆4

ダマスカス×5

紅銅石×5

53148フィル


なかなかだな。☆4装備が二つ、爪と尻尾が武器になったらしい。

それぞれセニアとリルムの武器にちょうど良い。

後は腹の中から鉱石類が出てきた。食っていたのか。

金もかなりいい。


「よし、次だ、ピエール、貴様は貴族云々よりも人として間違っとる!家臣は大事にしなければならんのがわからんのか!」

「いや、だって、その私が死んだら、その方が被害が大きいですし」

「馬鹿者が!誰が死のうが同じ命じゃ!貴様を守るために家臣がどれだけ血を流してるか、感じないのか!家臣あっての貴族じゃ」


ここらへんからピエールは反論する気力もなく、父親の公開説教独断公演が始まった。

小学生が廊下に立たされてるような感覚だな。

ざまぁみろ。


「自分の考えの浅はかさ、恥ずかしさ、間違いを認めるんだ、そうでなくては成長しないぞ」

「明らかにリルム殿達が言ってることが正しいではないか、どこで育て間違ったかの、リルム殿、それからえっと・・・?」

「アレンです、こっちはセニアにブラミスです」

「お三方も馬鹿息子がご迷惑をかけ、誠に申し訳ない、それから落盤のこと、解決してもらい感謝致します」

「いえ」

「申し遅れました、現ゴルドー家当主、グリナスと申します。それにしてもあなた方はお強いですな、先程の魔物も見事に倒されましたし、息子にも見習って欲しいところですな」

「・・・私だって知っていればあれくらいの魔物は倒せたはずです」

「お前は黙っとれ!そんな言い訳は聞かん」


グリナス、ああ、思い出した。

確かにゲームの中ではそんな名前の貴族と一悶着あった気がする。

ゲームのときの高慢チキなイケすかない野郎というイメージとは違っているが、

48年も経てばそうか、かなりの経験もつみ、酸いも甘いも知っている高齢だ。

馬鹿みたいな貴族理論は変わったのだろうな。

ゲーム時にはピエールとそう変わらない考えをしていたはずだが、何があったんだろうな、興味ないけど。

ただ、子育ては無事、間違ったようだ。かなり高齢になってからの子供だからかもしれない。


「ピエール、ワシは悲しいぞ、貴様が貴族としての矜持を忘れていることも、家臣からの信頼もないのが残念だ。責任はとりなさい」

「と言いますと・・・?」

「ここの責任者なんだろう?お前は今この時点を持って、ゴルドーの名を名乗ることを禁じる」

「は?父上、それはその、え?本気ですか?」

「また、爵位、少佐の肩書きもなし、お前は今日から上等兵の地位じゃ」

「ち、ち、父親、それは、誠でしょうか!!ど、どうか、それだけは」


実質の勘当。ピエールは後ろ楯をなくし、呆然とし、立ち尽くしていた。

さらに軍での地位も少佐から上等兵か、かなりの降格になる。

旧日本の階級と一緒なら、少佐はかなり偉いわけで、

少佐、大尉、中尉、少尉、准尉、曹長、軍曹、伍長、兵長、上等兵の順番であり、9階級も落ちる。

下から数えても3番目でしたっぱに毛が生えた程度だ。

通常はそんなに落ちることは懲戒解雇になり、まずはあり得ない。


「上等兵ごときに侮辱罪は適用できないため、アレン殿達は無罪放免じゃ」

「そんな、父親、アレン殿達の訴えは取り下げますからどうか、ご勘弁ください」

「・・・ピエール上等兵、上官に意見する立場ではないのがわからぬのか?私の軍位を知らないわけではあるまいな?」

「・・・」


そりゃ、中将だったら、少佐を一存でほぼ解雇状態まで出来るわな。

そして階級で10個以上離れていれば、意見は出来るわけがない。

平社員が社長に文句つけるようなもんだ。


「それからピエール上等兵、そなたは明日から、北の国境での防衛戦線任務に着きたまえ」

「くっ、そ、そんな・・・し、しょ、承知しました」


そして、左遷。

自分の息子でも容赦ないなぁ。

まぁ、それくらいして立派に更正してもらいたいものだ。


グリナスはその後、アレン達の近くに来て一礼。


「アレン殿、倅がご無礼を。処遇はこれくらいでよろしいかな?」

「いえ、すみません、厳しいかとも思います」

「今回の件以外でも色々ありまして、まぁ気にしないでくだされ」

「ありがとうございます」

「また、何かありましたら屋敷までいらしてください、ワシはこれからあの馬鹿者がめちゃめちゃにした領内を元に戻すよう忙しくなりますので、これにて失礼します」


グリナスが去ったあと、アレン達もようやく動けるようになった。


「なんか、凄まじい人だったな」

「貴族として立派な方ですね」

「さて、帰ろうか、ブラミスはどうする?」

「ワシも帰るわ、帝都までの。それから、お前さんがた、気に入ったわい、鍛冶屋はいらんか?」

「え?ブラミス、鍛冶してくれるのかい?」

「勿論じゃ、お前さん達なら正しく武器を使うじゃろ。武器や防具などは任せんしゃい。あ、ただ、素材と金は貰うし、確実に成功するとは言えないがな?」

「勿論だ、頼むよ」

「ブラミス、宜しくお願いしますね、そういえば、ブラミスは好きに動くって言っていたのに、アレンの指示聞いていたわね」

「はっはは、気に入ったからじゃよ、アレン、君には過去に見たレンと同じ強い心が見えたわい、お主ら、本当の旅の目的は?」

「馬車の中で話すよ」


自己紹介では簡単に済ませたが、そうはいかないらしい。

流石年食ってるだけはある。


その後、サキの馬車に乗り、帰り道で魔王復活と、討伐の話をしたら、ますますブラミスはやる気になったようだった。


帝都ウィリアムに到着し、ブラミスが馬車から降りた。


「今ある素材は全部預かろう、それから、武器や防具なども預かるから、2日後にワシの家に来い」

「え?」

「今回はかなりダマスカスとかも取れたしの、サービスで武器や防具を作ってやろう、命の恩人だしの」

「マジ?助かるよ」

「うむ、久々に気合い入れて仕事しようかの」

「元気だな、ブラミス」

「はははっ、お前さん達より丈夫なんじゃな、それではの。しっかり休むがいいわ」


そう言ってブラミスはシャープエッジや、大木槌、ブロンズキュイラスなどを持っていった。

その後、アレン、セニア、リルム、サキはライルエル家に戻り、食事を済ませ、

明日こそはテッハに会いに行くことを確認し、

泥のように寝入っていった。

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