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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第3章 三人衆は戦いの日々へ
34/404

落盤の原因。対策を練ってみた

腹が減った

時計がないからわからないが、

感覚的には朝から鉱山に入って昼過ぎくらいだ。


一応ブラミスのステータスも確認しておく


ブラミス・ドワールフ 118歳 ドワーフ 男

Lv51 マスタースミス☆7

主属性 土

金のつるはし☆4

二角兜☆4

皮の腰巻き☆2

防火手袋☆2

職人ズボン☆1

防火足袋☆2

ヘパイトスリング☆4


ひでぇ名前だな、全く。ゲームスタッフが適当に考えたとしか思えんわ。

そして、意外と高齢でした、敬わないといかんかな。まぁ、いいか。

レベル的には強いけど装備が片寄りすぎだろ。

ジョブはマスタースミス!

武器でも防具でもアクセサリーでも何でも作れる一級の職人だ。

ただ、材料は必要だ、彼らは錬金術師ではない。

ヘパイトスリングは火種を作り出したり、あらゆる金属を溶かしたり、焼き入れするために温度調整をするための、鍛冶屋独特な装備であり、守備力などは皆無だ。

なるほど、やはりブラミスは戦いより鍛冶屋らしいな。

ただ、レベル的には戦えるのでは?

一人で鉱石取りにも来られるわけだ。


時間的にはまだ昼過ぎくらいだろうが、テントも張る。ブラミスも手伝ってくれ、楽に作業は終わった。

こういうダンジョンはあまり長時間進み、長時間休むよりは小まめに休息をとった方が疲れにくい。

バトスが作ってくれた食事を用意していたら、ブラミスは


「ワシは要らんぞ、自分の食べるものは常備しておる、若いやつの飯を奪うつもりないでの」


と一言。

皆で分け分けで足りない分は保存食にしようと思っていたが、まぁ、いいか、そんなに大量にあるわけでもないし。

ブラミス、普通に良いじいさんだな、ゲーム時は偏屈な面倒くさい奴だったと思うが、48年も経てば変わるわけか。

食事をしながら、リルムがブラミスに問いかける


「まずは、ブラミスさん、どういう状況で魔物に襲われたんですか」

「ライルエルの、ワシにさんは要らんわい、ブラミスで良いぞ。ふむ、この先な、ダマスクスや紅銅が取れる場所がある、そこで採掘をしていたら、急にじゃ、爪でざっくりじゃ」

「確かに腕に深い切り傷があったね、よくご無事でした」

「まぁ、ワシらドワーフは丈夫での、あれくらいじゃ死にはせんよ」

「襲われてからどれくらい経っている?近くにいるのか?」

「近くにはもう多分おらん」

「何故そう思うんですか?」

「やつは、尻尾を引きずりながら歩いておって、ズリズリと変な音を立てておったし、鳴き声も気持ち悪い感じじゃ、それが今は聞こえん」

「・・・確かに何も聞こえないですね」


リルムとブラミスが納得しているが、よくわからない。

そう言えば、フェザーフォルクは人間に比べかなり聴覚が優れていて、

超音波も聞こえるという設定があったな。ドワーフも人間より耳がいいのかもしれない。


「そもそもまず、どんな魔物なの?」

「ヒョーヒョー不気味に鳴いておった。猿の顔に狸みたいな胴体で手足は虎じゃ。尻尾は蛇が2匹。とにかくデカくて不気味じゃった」

「うわ、化け物ね、美味しくなさそう」

「・・・それは、鵺じゃないか?」


鳴き声といい、姿形といい、正しく平家物語に出てくる化け物の特徴だ。

ただし、そんな魔物はゲームだったこの世界には存在しないはずだ。

もちろん、祇園精舎の鐘もならない。


「ぬえ?アレン、何それ」

「伝説の妖怪だ、別名は雷獣だ。色々な厄災を引き起こすと言われている」

「え?雷獣?アレン、それってまずいんじゃない?」

「ああ、俺は風属性だ。雷は弱点になる。それにリルムも水属性だから雷にはかなり弱いはずだ。」

「雷属性は敵としては少ないけど対属性で有利なのが多いから脅威なのよね」

「ちょっと待てぃ、お前さんら、あやつと戦うつもりか?」

「もちろん、殺すか捕縛しないと落盤が収まらないのならやるしかない」

「くっくっく、はーはっは!」

「ブラミス、何かおかしいか?」

「いや、すまんな、なかなか思いきりの良い青年じゃわい、かつての勇者レンを見とるようだわい、気に入ったわい。」

「え?ブラミスはレン様を知っているの?」

「ああ、沢山武器とか作ったぞ、ありゃ楽しかったわい」

「いや、セニア、ブラミス、その話は後にしよう、今は鵺の話に戻そう」

「あ、ごめん、そうだよね」

「まぁ、いいや、えっと、属性的に、俺とリルムは厳しい。そこで雷に対抗するには土属性だ、つまりセニア、君が鍵を握るわけだ」

「え?私?殴る以外は無理よ、せめて土属性の魔法が使えたらなぁ」


短時間で魔力を覚醒させるわけにもいかんしなぁ、方法もわからないし。


「ブラミス、あんたは戦えるのか?ドワーフは土属性だろう?」

「そうじゃ、ドワーフは土と火に相性がよい。じゃが、ワシも戦えないことはないが、速さが着いていけんよ、ワシも歳じゃからな、特にあやつは素早かったぞい、それに戦うとしてもワシはワシの好きに動くぞい、数には入れん方がよい」


いわゆる、NPC扱いか。


「そう、それは仕方ないわね、でも対策は必要よね?」

「うーん、多分、属性的に不利すぎるかな、雷魔法を使われたらまず一発アウトだ。魔法を使うかもわからないけどね」

「アレンでも知らない魔物なんだ」

「うん、わからないな」

「じゃあ、私はまずはサイレンス、後はプロテクションをアレンとセニア、レジストをアレン、その後にシャープネスになるかな」

「リルム、それでいこう、レジスト使えるんだね、助かる」


プロテクションが守備力強化であり、レジストは対属性強化である。

両方使えるのならかなり安心できる。


「それでも決定力に欠けるわね」

「土属性の技か、セニアに覚えてもらうか、俺がラーニングするかだが・・・ここら辺にラーニング出来る土属性の技を使う魔物が出てこない」

「え、じゃあやっぱり私?魔法苦手だからなぁ・・・」

「おい、アレンとやら、お前さんはラーニングが出来るんじゃな?」

「ああ、一応な、ただ、技の特性や性質を見抜くまで時間がかかる上、使われないとそもそも始まらないわけさ」

「ふむ、なるほど変わっとるな、お前さん物真似士じゃないじゃろうに、ところでお前さんら、槌は持っとるか?」

「ん?大木槌があるよな?」

「それをワシに寄越せ」

「え?構わないが・・・でもどうするんだ?」

「ワシらドワーフは戦うなら槌を使うんじゃ、つるはしは採掘の時だけじゃ、そもそもつるはし本来は武器じゃないんじゃ」


確かに、コールマンが落とした槌はアイテムだった。

ブラミスが装備していたやつは自分で作ったオリジナルだろう。


「話がわからないよ?」

「要するに、ブラミス、あんたは槌を装備していれば、土属性の技が使えて、それをラーニングしろってことか?」

「ふむ、お前さん、頭も悪くないな、ますます気に入った」

「あ、そう言うことかぁ、やっとわかった、リルム付いていけてた?」


リルムも自信なさげに首を横に振った。

セニア、君だけ理解できてないんじゃないから、気にしないように。


「ただし、ワシの技をお前さんがラーニング出来るか、そもそもラーニング出来る技なのかまでは知らん」

「時間をかけてでも、やってみる価値はあるか」

「それから、ワシもそこの虎娘と同じであまり魔力が高くはない、あまり連発は出来んぞ」

「魔力水はかなり手持ちがある、やってみようか」

「わかった、飯が終わったら、ワシがお前さんに技を放つでな、よく見て盗むんじゃ」


職人がいう、見て盗む技って重みがありすぎるだろ。


食事を終え、ブラミスと対峙してみた。

もちろん、お互いを殺すつもりはないが

アレンには念のため、プロテクションとレジストをリルムがかけてくれた。


「では、行くぞい?」

「ああ!」


ブラミスが大木槌を地面に叩きつけてから放った一撃はアレンの前で石礫を形成し飛んできた。

半分は打撃、半分は飛び道具だ。


だが、どこからどういう風に石礫が形成されるのか、重力などがあるのに、飛んでくる理屈がまるでわからない。


「ブラミス、悪い、かなり苦労するかも・・・」

「仕方ないじゃろ」

「多分、弱点属性だから難しいんだな、風はあっという間に見えたんだが、そうはいかないらしい」

「あの、それで落盤するとか無いですよね?」

「採掘しとるのと変わらん、大丈夫だわい、続けるぞい」


その後、リルムに適度に回復してもらいつつ、ブラミスの技を何度も受けた。

初めはダメージを受けていたが、しばらくすると剣でいなす、かわすことが出来るようになってきた。

しかし、結局ラーニングするまでに、魔力水を4本、ブラミスは40発以上技を放つようになった。

終わる頃には全員ヘロヘロになっていた。

3人で四苦八苦している間、セニアは得意の鼻をいかし、魔物を避けた上で狩りに行ってくれていた。

小さいイノシシを取ってきて、捌いたりもセニアがしていた。

流石、虎娘。


「ブラミス、ありがとう、お陰様でやっと、地砕斬を覚えられた」

「そいつぁ、良かったわい、じゃが、疲れたのぉ」

「今日はやはりここで休みましょう」

「ご飯も出来たよ~」


テントもさっき張ったままにしてあるから、今日はここで打ち止めだな。

あまり進んでいないが、無駄ではなかったはずだ。



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