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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第2章 一人よりも二人が良い
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ウィリアムを散歩し続けてみる

「ふぅ、ご馳走様でした」

「いやぁ、美味しかったね」

「私の分まであった、執事長にはお礼をしないと」

「なんかさ、仕事モードのサキもいいけど、普通にしてるのもいいね」

「そう?なんか恥ずかしいなぁ」


昼食はサンドイッチのようなものだった、

パンはパリジャンみたいに固くかなり旨い。


しばし談笑していた。

セニアもアリアナの話をしたりして、女子が二人で盛り上がっていたが、

切り上げないと日が暮れそうだ。


「午後はまず武器に強い武器屋に行こうかな」

「じゃあ案内するね」


サキは西側の武器屋に案内してくれた。

しばらく店の中を見渡して、

セニアが一言。


「とは言ってもあまり買うものがないよね」

「まぁ、俺もシャープエッジの方がランク高い武器だし、セニアも盗賊達のドロップの方が良い武器だな」

「じゃあなんで来たの?」

「まぁ、この先、鍛冶屋に仕事頼めるようになったら材料を調達しないといけないし、様子見だね。後はセニアの武器かな」

「わたしの?ありがとう!」

「ふーん、まぁ私は見てるだけで楽しいな」

「サキはあまり買い物とか来ないの?」

「うん、雑貨屋とか食品は買うけど、武器屋は入らないわ。私、戦えないからさ」

「なるほどね」

「あ、アレン、槌あったよ」

「あ、セニア、待って・・・」


セニアは槌コーナーに駆け寄り、

バトルハンマー☆3を手に取り、振ってみている。


「セニア、人の話は最後まで聞こうよ」

「あ、うん、ごめん」

「セニアはさ、初めて会ったときも槌使っていたじゃんか」

「大木槌ね」

「でもすぐにメイスに変えたでしょ、その方が強かった自信無い?」

「うん、でも大木槌よりメイスが攻撃力高いからじゃないの?」

「セニアは多分ね、槌合ってないんだよ」

「え?」

「槌は、柄の部分と先端の重さを利用して、テコの原理で威力を出すわけね。それか遠心力で無理やり振り回すか」

「ん?うん?テコノゲンリ?」

「どちらにしろ体の中に支点がいるわけだが、セニアは細くて軽すぎるんだよ」

「う~ん」

「だから槌に振り回されて体が持っていかれる」


テコの原理がわからないかもだが、説明はしない、だるいから。

ウェアタイガーの体幹は人間より強くしなやかなんだろうが、

単純に体が軽いのはどうにもならない。

尻尾でバランスをとるのだろうが、それでもふらついていた。

後は、おっぱいが大きいのも槌に合わないはずだ。

体を振るうとどうしてもおっぱいが左右に動くわけだ、重心が狂うから使いにくい。

これは言わないけど。


「でもメイスは平気だよ?あれも槌だよね?」


そこからか、セニア~、頼むぜ。


「いや、メイスは槌じゃないよ、棍だよ」

「コン?」

「どちらも殴る武器だけど、棍棒と金槌は原理が違う武器なんだよ」


槌は体全体で振るう武器、棍は腕を中心とした上半身で振るう武器だ。


「そっか、知らなかった。要するに殴る部分が大きくないのが棍なのね」

「うん、セニアは今のバトルメイスでいいと思うんだが、これを試しに買わないか?」


アイアンクロー☆3


をセニアに渡した。


「えっと、爪?」

「うん、セニアはかなり早く動ける上、敵の近くでも攻撃を避けることが得意だろ。

跳躍力もあるから武道家のような戦い方が多分出来る。一対一のときなんかは爪が最適だと思う」

「使ったことないからわからないけど・・・」

「メイン武器は棍にして、サブで爪を持っていく感じかな」

「やってみるね、明日フィールドで少し使ってみるよ」


サブ武器とはいえ、腰の道具用皮袋に入れると邪魔になるので、

右腰のベルト部分に取り付ける。

しゃがむときは邪魔になるかもしれないが、ホルスターみたいで収まりがいい。

いや、セニアの腰が引き締まっていて尻がプリプリしてるからではない、多分。

ちなみに爪武器には爪がないナックルなども含まれるが、

そっちは純粋に格闘家の戦闘力が必要で、爪の殺傷力ある方が慣れていない今はいい。

よって、手持ちのアイアンフィストではなく、クローにする。

そもそもアイアンフィストはゴーリが使っていたものだ。汗臭いのがセニアに移ったらなんか嫌だ。


後はリルムと合流してから彼女の武器は考えようか。


「次はどうする?」

「セニア、親父さんの働いてる現場行こうか」

「うん、ありがとう」

「じゃあ、お城の外壁ね、今はお城の北側を工事しているわ」


サキはそう言ってライルエル家の横のメイン通路を通っていった。

考えてみると、あまり効率的に動けてないが、女子の買い物はこんなもんか、まぁ、いいや。


城の傍まで来ると、こりゃ凄い。

足場も組んであって本格的な工事をしている。

しかし仰々しいなぁ。修繕というか改築じゃん。

外壁だけじゃなく中もいじってないか?


「なんでこんな大規模な工事をしているんだ?」

「国王は魔物襲来に備えて、という風に募集をかけたのよ」

「ふーん、まぁ、備えるのは良いことだがな、働かされてる人は大変そうだね」

「無理やりじゃなくて、希望者よ、父さんもだけど」

「そうなんだ」

「うん、報酬がかなり高いんだって、しかも私達ウェアタイガーは体力的に有利だしね」


なるほど。バイタリティーはかなり高い上、肉体労働なら大丈夫と。確かにセニアもそんな感じだ。


「あ、いた、父さんだ」

「え?どこ?」

「ほら、あそこの板を運んでいるウェアタイガー」

「・・・すまん、全然見えん」


遠すぎだ、アレンも視力は1.5あるのに全然見えん。

セニアはどれくらいの視力があるんだ?

虎並か、一度ランドルト環見せようかな。いや、ここには無いけどさ。


「近くにいく?」

「いいや、元気そうだし、仕事の邪魔になってもあれだから」

「そう、じゃあ、次はどこにいく?」

「ギルドかなぁ」

「何をしに?あまりギルドは有効に動けていないよ」

「イレインでも同じ事を言われたよ、まぁ、依頼掲示板くらいは目を通しておこうかと」

「そうね、掲示板は役に立っているかな、たまに冒険者がお小遣い稼ぎに解決したりしてるし」

「じゃあ、ギルドにいこうか。確認したいこともあるし」


ギルドは街の南部にある。

この先は良い子が入ってはいけないところなようで、一応ギルドが壁のような役割を果たしているらしかった。

まぁ壁とは言え、ハリボテだよ。


「ギルドに着いたよ」

「依頼掲示板は?」

「あっちだよ」

「セニア、なにか目ぼしい依頼ある?」

「どういうのがいいのかな?」

「レベルアップ出来そうなの、困ってるランクが高いの、報酬が魅力的なやつという感じかな」

「うーん、わからないなぁ、アレンが見て選んでよ」


セニアに読ませるつもりが、結局フラウを通してアレンが読むことになった。

まぁ、戦ってない日だから魔力には余裕があるし、いいけどね。

気になる依頼は・・・うーん・・・


「これとこれはどうだろうか」

「何々?見せて~」


○レッドポーク 5体 討伐

報酬10000フィル 竜の鱗×5

○セージ×5 納品

報酬 3000フィル 万能薬×3


討伐系は、修行になるし、報酬も悪くない。

レッドポークはこの辺によく出る小型なくせに狂暴な豚だ。

生きてるのに、ピッグじゃなくポークなのが憐れだが。

レベル的に問題ない相手だろう。

報酬の竜の鱗はもう少し進めば買える素材で特に貴重ってわけではないのだが、

帝都ウィリアム付近で手にいれるのは正直難しい。

上手く鍛冶屋に依頼できれば結構良い武器、防具の材料になる。


納品の方は万能薬が美味しい。状態異常全てと、体力の回復を同時に出来るため終盤でも使えるアイテムだ。

これも冒険が進めば買えるが良い値段するし、リルムの回復だけに頼るより安全だ。

しかも、目的のセージはウィリアムから近いエイブラ高原に生えている。戦闘をしつつでも、1日で帰ってこれるだろう。


「じゃあ、そうしようよ、アレンが決めたならいいよ?」

「じゃあ、カウンターにいこうか」


「よぉ、見ねえ顔だな、かけ出し冒険者かい」

「まぁね」

「この時代によくやるね、定職に着いた方が食っていけるし、万が一死ぬ危険も少ないだろうに」

「そうかもしれないけど、冒険をしないといけない事情があってね」

「そうかい、精々頑張りな、おっと、ここウィリアムの管轄内では死ぬなよ、事後処理が面倒だからな」

「肝に命じておくよ。ところで、この依頼を受けたいんだが?」

「はいよ、じゃあ、この紙を読んでおけ」


紙切れを2枚渡された。

フラウ曰く、依頼者の名前やらの詳細があるらしい。

依頼を受けたら直接会っても会わなくても話はすすむ。

会わない場合はギルドを通じて情報や物がやりとりされるが

その場合、ギルドは金銭報酬の10%持っていく算段だ。

このシステムはゲームと変わらないらしい。


「・・・一つ、聞きたいことがあるんだが?」

「なんだ?金はあるのか?初心者には悪いがこちらも商売なんでね」

「これでいいか?」


500フィルを机に置く。


「いいぜ、なんだい?」

「鍛冶屋を紹介して欲しい」

「鍛冶屋か、うーん」

「難しいのか」

「鍛冶屋はドワーフなんだが、元々ドワーフは気難しい性格なんだ、金を積んだってなかなか動かねえ」

「紹介するのはいいが、仕事を受けるかは俺は責任取れねえ、すまないが」

「いや、十分だ」

「それから鍛冶屋はしばらく街にはいないぜ?」

「どこにいるかわかるか?」

「いや。結構居なくなって、いつの間にか戻るおっさんだからな、わからんな、鉱石か何かを探しに出ているんだろう」

「わかった、こちらで探そう」

「じゃあ、これを持っていけ」


紹介状を渡された。どこにいるかわからないのが残念だが、今はこれで十分だ。

今日はこんなもんかな、もう夕暮れだしライルエル家に戻ろう。

雑貨屋と道具屋は明日だな、セニアとサキと行くと多分時間が掛かりそうだ。


「お帰りなさいませ、アレン様、セニア様」

「あ、バトスさん、わざわざ、すみません、昼ご飯美味しかったです」

「ありがとうございます、お風呂が沸いております、また食事もすぐにご用意出来ますがどういたしますか?」

「夕食はリルムと一緒がいいです、彼女のスケジュールはどういう感じでしょうか?」

「まだ、夕食は取られないと思いますが、その旨をお嬢様にお伝えしまして、調整後、アレン様達のお部屋にお呼びにいきます」

「わかりました、ラルバ様はご在宅でしょうか?」

「ラルバ様は城に勤めておいでです。通常は城に常駐されており戻りません」

「そうですか、わかりました、それから、サキさんは一緒に食事はダメですかね?」

「はっ!?わ、私ですか?そんな滅相もごさいません」

「なかなか良い子なのでセニアも気に入ったみたいでして、休みの3日間だけでも一緒に話をしたりしたいのですが、今日は助かりましたし」

「そうですか、下女ですから、普通は駄目ですが・・・わかりました、お嬢様にも許可を取りそのようにします。但し、食事までです、寝室は別でお願いいたします」

「わかりました。では先にお風呂をお願いしてもいいですか」

「かしこまりました、あと、イレインからお荷物を引き取りました、お部屋にありますので、ご確認を」

「ありがとうございます」


一時解散となった。

風呂から上がり、部屋に戻るとセニアとサキが談笑していた。

なんか良いな。

荷物を確認していたら、バトスが食事に呼びに来た。


食事を頂きながらリルムとも昼間のことを中心に雑談をする。

サキは流石にリルムには敬語だが、アレン達には普通に接していた。やっぱりこの子、出来るな。


「サキはどうだった?失礼はありませんでしたか?」

「大丈夫だよ、なかなか良い子だね、セニアとも気が合うかもしれない、楽しそうだった」

「そうですか、それは良かった」


昼間の疑問を聞いておこう。


「なぁ、リルム、質問があるんだが?」

「え?何です?」

「城の工事って何の目的?」

「いや、昨日、お父様が言っていた通り、魔物に備えてのはずだけど?」

「そうか、ならいいや」

「気になっているのはあまりに大規模だから?」

「うん、まぁね」

「でも昨日の話で出たけど国王が魔王復活を知っているのなら、あれくらいになるんじゃないかしら」

「そんなもんかなぁ」


何か良からぬ物を作っているのではないかと思ったけど、気のせいならいいや、気にはしておこう。


「そうそう懸賞金も受け取ったよ、金額にびっくりした」

「そう?普通よ」

「ところで、ライルエル家が盗賊に懸賞金を掛けた理由はなんだ?」

「うーん、やはり解決したい事件だと懸賞金かけたりはするよ」

「それにしても各盗賊毎の懸賞金額が戦闘力を適切に分析してるなぁと」

「なるほど、それは私が報告していたからというのと、国への牽制という意味が強いわ」

「・・・見せしめか」

「うん、アレンは頭がやっぱりいいね、ただ、犯罪者への見せしめではなくて」

「盗賊達を盗賊にしたのは国に責任があり、国政が駄目だと後処理に多大な時間と金がかかるよ、しっかりしろや?という意味だな」

「まぁ、平たくいうとね、そこまで分かっているんだ、流石ね」

「要するに、ライルエル家は国の誰か偉い人を断罪したいわけか」

「アレン、それくらいで勘弁してくださいな」

「あ、すまん、報告書はどうかな?」

「やはりまだ、かかりますね、アレン達は明日はどうするのです?」

「午前は道具屋と雑貨屋にいく。午後はギルドで依頼を受けたから、エイブラ高原と後はフィールドに出るよ」

「アレン、早速困ってる人を助け出すんだね、素晴らしいわ、でも気をつけてね」

「そんな大層なことじゃないよ、自分たちのレベルアップだったり、報酬がいいやつを選んでいるし」


話をしていていまいちわからないのが国王の人物像だ。

名主なのか暴君なのか、ボンクラなのか。

まぁ、そのうちわかるだろう。


今日はここまでか。

バトスに明日の朝食も不要、昼、夜はお願いをして、サキとも朝に部屋に来てもらうよう話をした。


うん、寝るか。ということで解散、お開きにした。

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