ライルエル家に到着してみる
目が覚めたアレンは、空を眺めているリルムに気付いた。
まだ馬車は揺れていてまだ帝都ウィリアムについていないことがわかった。
「リルム、どうした?」
「あ、アレン、少し考え事をしていました。ウィリアムにはまだ着かないから寝ていて大丈夫ですよ」
「そうか。何を考えていたの?」
「いや、アレン達は凄いなぁと思っていました。盗賊達が兵士崩れが多いのを知っていますか」
「ああ、聞いたよ」
「結構強かったかと思います。実際、ウィリアム兵団は放置していましたが、多分戦っていても勝てたかどうか」
「確かに、皆強かったな」
「それをたった二人でとは。実はピート達と戦っていたときには、バイアールとは家の者もいれて数で押す作戦を考えていました」
「まじか」
「でも、次々に撃破していくので、応援が間に合わなかったのです」
「二人だからかもな、余計に気を使わずに勝てるように作戦を組めた」
「二人は息ピッタリでしたね、昔からの知り合いなんですか」
「いや、会って数日さ」
「それはちょっと信じられないです、なんか羨ましいな」
「ん?何故?」
「私は部下はいますが、信頼しあえる仲間は居なかったので・・・」
「そうか」
貴族だとそうなのかも知れないな。
「ま、これからは俺達がいるだろ?」
「はい、お二人みたいになれるように頑張りますね」
真面目だなぁ。リルム。
「頼りにしてる。何せ、俺もセニアも回復魔法が使えないんだ」
「え?そうなんですか」
「うん、というか、魔法が使えないんだ、俺は魔法力はあるらしいんだが。セニアは苦手らしい」
「あれ?アレンは火を出したり風出したりしていませんでした?」
「あれは魔法じゃない、属性付与攻撃の応用だ」
「・・・アレン、普通はそっちの方が難しいと思います」
「そうなのか?」
「はい、でも何故魔法が使えないのでしょうか」
「わからない、どうすれば使えるのか俺がききたい」
「例えば詠唱を知らないとかですかね」
「そうかも、後で教えてくれないか」
「はい、わかりました」
詠唱がわからないか、なるほどな。
後でリルムがバイアール戦で使っていた魔法こっそり使ってみようかな。
「そう言えば俺はどれくらい寝ていた?」
「出発は朝方でしたが、今は夕方になりました」
時間の概念がないのはやはり分かりにくいが、軽く8時間以上寝てるのか。
腹へったな。保存食出して食べるのもなぁ。
馬車で1日かかるのはそれなりに遠いな。
移動魔法が欲しいところだ。
あっ、よく考えてみたら、イレインの連泊まだ残ってるし、リュックサックとか通常の荷物、部屋に置いたままじゃんか。
まぁ、連泊は最悪無駄になってもいいけど。
荷物は少々困る。何せ着替えがない。
「リルム、すまん、イレインに寄れないか?」
「えっと、もう少しでウィリアムに着いてしまいますが・・・どうしました?」
「イレインの宿に荷物置いたままだ。俺とセニアの着替えとか、アイテムじゃない必要なものは置きっぱなしだわ」
「なるほど、アイテムストアには入らないものですか」
そう言えば、セニアと違って、リルムはアイテムストアを見ても驚かなかった。
全く気にせずドロップを放り込んでいたから気づかなかった。
身近に使える者がいて見慣れて居るのかもしれない。流石貴族。
そして理解が早い、セニアより頭良いな。
流石貴族。関係ないか。
いや、セニアが悪いわけじゃないが。
「どうしても急ぎで必要なものがありますか?着替えなどはこちらで用意しますが」
「それは助かる」
「急ぎでなくて大丈夫なら、後で家の者に取りに行かせますのでそのようで大丈夫でしょうか」
「うーん、じゃあ、それで頼むわ、悪い」
「大丈夫ですよ、後で届けさせます」
そんな話をしていたら、セニアも目が覚めたようだ。
「アレン、リルム、おはよう」
「セニア、今日はお疲れさん」
「アレンもね、私たち結構強くなったわけだよね?」
そう言えばステータス見てないや。まぁ、後のお楽しみにしておこう。自分のも見たいし。
「何を話していたの?」
「いや、イレインに荷物置いてきたって話」
「あっ、確かに」
「後で届けさせますよ」
セニアにも同じ話を二度することになったリルムだが、やはり真面目だなぁ。
「なぁ、リルム、帝都ウィリアムに着いたらどうするんだ?」
「まずはライルエル家で疲れを取ってください。
私は今回の件の報告を書きますから、その間は街でお好きにしていてください。
あ、勿論、街から出ていただいても大丈夫ですが、宿はライルエル家をお使いください。」
「報告ってどれくらいかかるの?」
「書面を作るの入れて3日くらいでしょうか」
「じゃあ、その間に俺達はテッハさんを探して会おうかな」
「テッハ・・・アルベルト卿でしょうか」
「アルベルト卿?」
「あ、はい、近衛兵士団長をされているテッハ・アルベルト卿ですよね」
卿って!貴族のリルムがそう言うってことは、テッハは貴族になったということか。
48年の間に何があったんだろうか。
確か、魔王を倒す前の会話ではトレジャーハントと賞金首を相手にすると言っていた気がするが。
「その、アルベルト卿って人は、魔王を討伐した勇者レンのパーティーにいた人かな」
「確かそのはずですが・・・それが目的でアルベルト卿に会いたいのですか?」
「うん、どういう感じなのか話せないかなと思って」
「うーん、それだったら無理かと思います。まず、今、城が大改築工事をしているのはご存知でしょうか」
「うん、私のお父さんもアリアナから手伝いに行っているわ。もう3年くらいになるわ」
「かなり大規模な工事で、アルベルト卿はその工事の責任者をしています。そのため、忙しくなかなかお会いも出来ません」
「マジか、うーん・・・ライルエル家の力でなんとか出来ないかな」
「協力はしますし、書簡は用意しますので会うくらいならなんとかなるかと。ただ、アルベルト卿は魔王討伐とかその辺は誰に対してもお話になりません」
考えてみれば、そりゃそうだ。
語りたくてもテッハを始め3人は魔王討伐時に棺桶の中に居る。
語りたくても語れないし恥をさらすだけだ。
ただ、アレンが知りたいのは、魔王討伐ではなく、それから今までの話だ。
魔王の戦闘スタイルなどはテッハよりアレンの方が詳しい。聞く必要はない。
ゲーム時間から50年後、今から2年後に復活する魔王に対しての情報は欲しいが。
まずはその復活する情報は知っているのか、
レンはどこに聖剣クラウ・ソラスを封印したのか、聞きたいことは山の様にある。
「ま、魔王討伐の時の話を聞きたいわけではないんだ」
「そうですか、一度父に相談しましょう」
そういう会話をしているうちに馬車が止まった
「着いたようです」
リルムが先に降り、付いていくと豪邸が。
「うあ!すげぇ」
「リルムお嬢様、お帰りなさいまし」
「ああ、長らく空けていてすまない、なかなか盗賊退治できる人材がいなくてだな」
「はっ、心得ております。ではこちらのお二方が?」
「ああ、盗賊退治をしたアレン殿にセニア殿だ、大切な客人ゆえ、丁重に頼む」
「かしこまりました」
「後、当主に会わせたいゆえ、夕食での会合を準備してくれ」
「はっ、そのようにいたします」
「アレン、セニア、この者は執事長のバトスです。何かあったらこの者に言ってください」
「リルムお嬢様をお助けいただきありがとうございます。私めはバトスといいます、お見知りおきを」
「アレン・クルスといいます、よろしくお願いいたします」
「セニアです、お世話になります」
「ようこそライルエル家へ。まずはお部屋にご案内いたします。すぐにお風呂と着替えを用意いたしますので、ごゆるりとお過ごしください」
「ありがとうございます」
「アレン、セニア、私は父に簡単に説明し、自室でやることがあるので、席を外すがよろしいですか?」
「わかった」
「ではまた、夕食のときに」
リルムは階段をあがり、行ってしまった。
「では、こちらでございます、部屋は別でよろしいでしょうか」
「いや、今後のこととか話したいこともあるから、一緒で。セニア、いいよな?」
「勿論、大丈夫よ」
「かしこまりました、ですが、お風呂は別になります、ご了承ください」
付いていくときにバトスを見てみた。
バトス・ホーキング 62歳 ヒューマン 男 Lv50 マスターバトラー☆7
タキシードスーツ☆4
シルバートレイ☆4
絹の手袋☆2
革靴☆2
このじいさん強いんじゃね?
執事だと主人を守るために戦ったりするのかな
ただ、明らかに戦闘向けのジョブではないな。
ん?でも戦う人battlerもバトラー、
執事butlerもバトラー。
うん、どうでもいいわ。
明らかに執事の方やんか。
「こちらをご自由にお使いください。後程係の物がお邪魔しますが、何かありましたら、そこのベルをお鳴らしください、では」
「あ、すみません、朝、昼ご飯と食べていないので、何か食べる物を頂けますか?」
おっ!セニア、ナイス。確かに腹減ったよな。
「かしこまりました、ただ夕食までのお時間があまりありませんので、軽食をお持ちいたします」
「ありがとうございます」
バトスはお辞儀をし、部屋を出ていった。
ホテルのスイートかって部屋に通された。
何だか落ち着かないな。
セニアも同じようだ。
まぁ、バタバタしても仕方ない。
「アレン、リルムのお父様とどう話そうか」
「うーん、魔王が復活する予定だから倒したいですって言うかってこと?」
「うん、さっきリルムにはわざと説明してないよね」
「あ、気付いた?まぁ、いきなり言われても困るよね、多分」
「びっくりはするよね、私とお母さんみたいに」
「まぁ、考えるよ、説明は任せてくれ。ただ、テッハさんに適切な書簡が行くようにするには、説明しないわけにいかないだろうな」
しばらくしたらメイドが軽食を運んできた。
ね、猫耳だぁ!猫耳メイドとは、マジか、可愛いなぁ。
ただ、胸はちっちゃい、スタイルはいいが。
軽食と言っても、クラブハウスサンドのような物とポタージュだった。
普通に旨そうだが、鶏肉が入っているが、リルム達フェザーフォルクは共食いにならないのだろうか。
「お風呂の準備も整いましたので、食事されたらお呼びください」
「ありがとうございます」
サキ 16歳 キャットウーマン ♀Lv10 メイド
メイド服☆2
メイドキャップ☆2
「今日のお二方の担当をいたします、サキと言います、なんなりとお申し付けください」
そう、うやうやしく挨拶をして出ていった。
やはり貴族の扱いはだるいなぁ、ある程度放っておいてほしい。
まぁ、文句言っても仕方ない。
おとなしくクラブハウスサンドを食べ、サキを呼ぶことにしよう。
セニアとも風呂は別らしいし。
食事のあと、サキを呼んで、どちらが先に入るかをセニアと相談していたら
サキが
「先?どちらも同時に入れますが」
と言ってきた。サキだけに。
ってうるせぇよ。
サキがそのまま案内をしてくれたが、
驚いたのは、男湯と女湯が別かよ!
普通は時間帯で別かと思ったら物理的に別なんだね。
うん、貴族なめてたわ。
「では、ごゆっくり、着替えは用意しておきますので」
行ってしまった。
ちぇっ!お背中流しましょうはないのか、残念だな。
とりあえず、風呂入ってゆっくりしよう。
やはり、広さにびっくりするわけだが。




