更に引き続きアジトを探してみる
次の日、朝早起きをし、手短に食事を済ませた。
その後は、まずは憲兵所に行き借金を返す。首が回らなくなるほどではなくて良かった。
返せなくて万が一死んだらマーレに迷惑がかかる。それは避けたい。いや、死ぬのも避けたいんだが。万が一ね。
森でかなり戦ったからか資金もまだ余裕がある。
とはいえ、序盤扱いだから仕方ないが、慢性的に金欠に近いのは精神上よろしくないなぁ。
ゲームの時以上に日用品などで必要なものが多い。
次は携帯食を買うために広場の露店に行く。
「セニア、携帯食って、次の日食べるとどうなる?お腹壊したりする?」
「うーん、味は落ちるけど次の日の朝くらいなら大丈夫だよ」
「そうか、じゃあ、今日の昼、夜、明日朝は携帯食にして、後は保存食かな?」
「そうだね。あたしが狩りしてもいいんだけど・・・」
「目立つし、それで疲れたら意味ないからどうしても必要なときにしよう」
「うん」
ということで携帯食を3回を二人分、
それぞれサンドイッチとおにぎり、昨日のブリトーみたいなやつだ。
朝早いのに色々あって飽きないのは助かる。
次に道具屋に行き、傷薬と魔力水を補給。
かなり余裕を持ち、傷薬を20個、魔力水を6個、テントを1個、ロープを5本買った。さらに魔物避け香を買った。
傷薬はアレンとセニアで5個ずつ皮袋にいれ、魔力水はアレンが2個持ち、後はストアへ入れた。
出来れば今日アジトを見つけて、夜営をし、明日戦いに行きたい。
あくまでなにも起きなければだが。
「アレン、松明は買う?」
「あれば便利だが・・・いや、流石に暗闇で松明照らしたら、居場所教えてるみたいなもんだし、使いにくいな」
「明るいうちに野営の準備ってことにしておく?」
「そうだね、今日は早めに準備して明日の朝も早く動こうか」
「ロープはそんなにいる?捕縛用と違うよね?」
「テントの回りに張ろうかなと。まぁ用心だよ。」
「ふーん」
最後に武器屋に顔を出す。
武器のレベルアップとセニアの靴だ。
所持金いっぱい使ってブロードソード☆2と安全靴☆2を買って、それぞれ早速装備した。
シミターは片薄刃に対し、ブロードソードは両幅広刃だ。
ブロードソードの方が振るうには力がいるが、刃の横で防御出来る。
戦い方にも幅が出来ると思う。
「あまり遅くならないうちに出発しよう」
「今日は外で泊まりだね」
「うん、セニア、野営は初めてか」
「初めてじゃないけどそんなにしたことはないよ」
「怖いか?」
「アレン居るから大丈夫。それに私も周囲には注意しておくわ」
アレンこそ、野営は初めてなんだが。
そこは、黙っておく。キャンプの経験くらいはある。
朝早起きをしたおかげで、出発は昨日より若干早く出来た
また、ダンジョンウォークも昨日のままなので、エンカウント率も低い。
結果として、昨日の半分くらいの時間で昨日引き返したポイントまで来られた。
昨日引き返したところは少し開けてはいて、左右に分かれ道がある。
薄暗くじめじめしていてなんとなく不快だ。
だが、時間的には昼御飯を食べておきたい。
おにぎりをかじりながら休憩だ。
散策は続けるが、問題は野営はどこでするか。
魔物避け香があるから魔物には襲われない。
通常の虫とかは仕方ないが、ゾンビがわらわら出てくるところで寝るのは厳しい。襲われないが、気分は悪い。
結界魔法が使えれば問題ないが、今は無理だ。
後は盗賊達は魔物じゃないから魔物避香は効果がないかもしれない。
「アレン、どっちにいく?」
「今日は寄り道せずなるべく進んでおこう、出来れば明日で片したいし」
「わかった、じゃあ、こっち」
セニアが右を示して歩き出す。
がさがさと音を出して地面が動いていた
「セニア!下!」
「えっ?」
セニアは良い反応で後ろに飛び退いた。
キラーモールLv19×3
モグラ型の魔物だ。
爪を振りかざして地面から上に突きだしたのだ。
足元を狙っての不意討ちだ、食らったら痛い、そして腹が立つ。
「アレンありがと、よく気づいたね」
「いや。大丈夫か?」
「うん、当たってないよ」
「人面樹が居るところにはこいつがよく出るんだ」
「流石、アレンね」
人面樹が歩いた後は柔らかい土があるためモグラの格好の住みかになる。
この森が初見でも、ゲームと敵のパターンや、同じところに出る魔物の組み合わせは変わらないようだ。
知っていれば気をつけようがある。
「セニア、こっちへ」
「うん?」
「敵は足元からくる、タイミング見て攻撃すればいい」
モグラだけに攻撃したらすぐ地面に潜る。
だから攻撃しにくい。
が、セニアと背中合わせになる。
こうすれば、お互いの足元からの攻撃だけになり範囲が狭くなる。
後はタイミングを見て地面に武器を突き刺せば終わり。
何匹居ようが楽勝。
単純な行動パターンな敵は全く良いカモだ。
暗視ゴーグル☆2
321フィル
「お!モグラだけに便利なもん落とした。」
「何?これ」
「暗視ゴーグル。守備力はないが、暗闇でも目が見える」
「わ、アレン良かったね、おあつらえ向きだね、頭の装備?」
「いや、アクセサリーだな」
「じゃあ、なおさらアレンようだね、私は腕輪してるし」
「わかった」
夜の森とかこれで安心だ。
まぁ使わないに越したことはないが。
その後、更に戦闘を繰り返しながら進み、小川が見えるところまできた。時間も夕暮れに近い
そう言えばゾンビはしばらく出現していない。
「アレン、この川に沿って上に行くと、人がいるよ」
「近いのか?」
「まだ離れてるよ?」
「暗くなる前に行けそう?」
「ちょっと無理かな」
「じゃあ、今日はここで野営にしようか、ちょっと森の中に戻って目立たないようにしてさ」
「わかった、確かに水辺の方がいいね」
その後、テントを張り、今日は早めに寝ることにした。
テントはセニアに任せ、アレンは簡単な罠を作っておいた。
テントの回りに捕縛用ロープを足の高さくらいに張り巡らせ、
等間隔に木から取った枝と石類をを吊るしておく。
鳴子として使う。また、人が来たら足が引っ掛かったりする。
気休めだが。
昔、高校生同士が殺し会う小説でそんなのを読んでなるほどと思っていた。
セニアはセニアでテントの入り口を枝やら葉っぱやらで覆って上手く隠している。
やっぱりセニアは頼りになる。
「アレン、なんか凄いね」
「気休めだよ、本気で襲われたら防げない」
「早く勘づけばいいね」
「セニアも上手く隠しているよ、入りにくいけどね」
「うん、一応ね」
「セニア、魔物より盗賊に気をつけて寝よう」
「うん」
「明日は早くに起きてアジトを突き止めよう」
「わかった、お休み」
準備は多分2時間くらいかかっただろうか。
が、上々だ。夕飯を食べて早めに寝ることにする
終わったらいっぱいおっぱいだ。




