森の中でアジトを探してみる
朝、目が覚めると、既にセニアは起きていた。
「おはよう、アレン」
「あぁ、おはようセニア」
そう言えばセニアは早起きだ。
今まで彼女より先に起きたことがない。
虎にしろ猫にしろ人間より睡眠時間は長いはずだ
セニアの早起きは生活習慣のせいなんだろう。
朝食を食べて、二人分の携帯食を買い、東の森に行くことにする。
連泊の魅力は大きい荷物を置いていけるところだ。
鍵かかるし、主人にも言ってある。
とは言え、携帯食はアイテムではないため、リュックは背負っていくのだが。
重くはないが邪魔だなぁ。
セニアは身軽にしてほしいので荷物を持つのはアレンの役目だ。
イレインの携帯食はブリトーのような物と竹筒に入った水だった。普通に旨そうだ。
流石にペットボトルや缶はないらしい。
程なくして森につき、散策する。
かなり広い上に薄暗い。
涼しくて夏などは良い避暑地になりそうだ。
しかし、これは迷うかもしれない。
なかなかに時間がかかるだろう。
盗賊のアジトとかには最適かもしれない。
しかも、この森はゲームではダンジョンですらなかった。
アレンも完全な初見だ。
「アレン、結構広いね?」
「迷いそうだな」
「うーん、大丈夫よ、多分」
「え?」
木にシミターで目印でもつけながら散策しようと考えていたが、
「森では私は一回通ったところとかわかるから」
「え?なんで?」
「なんとなく匂いとかで」
「・・・」
信用していいのかなぁ、セニアが嘘をいうとは思えないが。
いや、信じよう、セニアにはこれから命を預ける場面もあるだろう。
それに、ウェアタイガーだから半分は猫科だ。
猫は帰巣本能に優れているはずた。
感覚も人間より鋭いはずた。
まぁ、自分も頭の中でマップをつけていけば大丈夫だろう。
森を歩いているとやはり戦闘にもなる。敵に関してはレベルの違いはあれど、ゲームに登場するやつばかりだ。
ここはイレイン周辺より少し強いみたいだ。
ただ、アレンとセニアの方がまだ強い。
夜に戦闘してレベルも上がっているのだろう。
ニードルマウスLv15×2
ラフブッシュLv15×2
要するに針ネズミと木の魔物。
いやいや、乱暴な茂みって、まんまやん。
針ネズミはでかいな、ネズミ!?カビバラサイズだ。
可愛くもない。
ニードルマウスはセニアがメイスでボコボコにしてた。
セニアとケンカしたら悲惨だな、こりゃ。
ラフブッシュは例によって火炎撃で燃やしました、お疲れさん。
なんだかあっけない。
ニードルグラブ☆2
枝×2
153フィル
おお、イレイン周辺は38回で3288フィルだったから、
こっちの方が稼ぎがいい。
しかも防具も落としていった。
なんかトゲトゲしてて着けたまま掻いたりしたら血だらけになりそうだ。
自分で着けよう。セニアがつけても可愛くない。
セニアにはピンクミトンのままで居てもらいたい。
あとは素材だな。
「アレン、こっちよ?」
「うん、わかってる」
戦闘が終わってセニアが進んでいた道を示した。
ありそうなのが、戦闘した後に方向がわからなくなるとかだが、
セニアは大丈夫なようだ。
セニア、マジ優秀。
森ではやはり影から魔物が飛び出して不意討ちを食らいやすいみたいだ。
ただ、セニアはいち早く気づいてくれる。
セニアたん、マジ優秀。
「アレン!上!」
ボトボトと虫の魔物が落ちてくる
ミノーンLv15×3
ポイズンスパイダーLv16
ミノムシ型モンスターは守備力が高い。
そしてポイズンスパイダーは文字通り毒蜘蛛だ。
ミノーンはセニアが一撃、アレンも一撃。しかし倒せない。なかなかダメージが通らないようだ。
「セニア、蜘蛛の方頼む」
「うん」
アレンはミノーンにV字斬りを2回お見舞いした。
刃がクロスするところはダメージが高いはずだ。
しかも重力差から繰り出すことが出来る素早い2連続攻撃だ。
ミノーンの簑が剥がれ、倒すことができた。
その間にセニアもポイズンスパイダーを相手にしていたが
「きゃあ!」
「セニア!」
「だ、大丈夫、糸を吐かれて絡まっただけ」
動きが鈍くなったセニアにポイズンスパイダーが襲いかかる!
が、セニアは尻尾を使いポイズンスパイダーを横から打ち付けた。
セニアさん、そりゃ反則でっせ。
飛んで行ったポイズンスパイダーにメイスで一撃。
容赦も油断もないな、えぐいわ。
セニア様、マジ優秀です。
「ふう、ビックリした」
「あんなんありか?」
「うん、尻尾は力入れると鞭みたいに使えるの、毛並みが痛みやすいからあまりやりたくないけど」
蜘蛛の糸を顔につけてベトベトしているところに
鞭なんて言わないの!
それにしてもセニアの尻尾、興味あるな。
芯みたいな部分あるのかな?
後で触らせてもらおう。
傷薬を使うほどではないが、二人とも無傷とは行かなかった。
蜘蛛の糸はそのうちカピカピになって取れたらしい。
くも糸×2
222フィル
しばらくこんな感じで戦闘、散策を繰り返す。
ニードルマウスはその後、ドロップせず。始めにレアドロップしたので、シケて見える。
他の魔物も素材系か、ノードロップ。
なかなかにしょっぱい。
森を深く進んでいくと、敵の様相も変わってきた。
オオクチバシLv16×2
鳥系モンスターは、普通に手強い。やはり飛べるのはずるい。
まだオオクチバシ程度なら大丈夫だが、猛禽類になると、マジ怖いだろうな。
オオクチバシはバサバサと翼を羽ばたかせ、浮きながら顔を攻撃してくる。
そこを下からすくいあげるようにシミターで切り裂く。
怯んだところに追撃とばかりに突き!
串刺しならぬシミター刺し。
あぁ、焼き鳥が食べたい。
最後にそのまま遠心力で引き裂くと。
オオクチバシは意外と体力があるはずだ、3発か、まぁまぁだな。
セニアも善戦はしているが、土属性のセニアは風属性の鳥系は苦手らしい。
なかなか攻撃があたらない。
それはセニアにもだが。
やっと当たったと思ったらそのまま力任せになぎ払った。
セニアは涼しい顔でやってるが、きっと掛け声は「うりゃああ」だろう。
ただ、トドメはアレンが横なぎで決めた。
セニア、ビーストウォーリアになってから凶暴性増してる?
いやだー、可愛いセニアでいてよ。頼りにはなるけどさ。
ブロンズキュイラス☆2
青い羽毛×2
368フィル
いやいや、美味しいな!
金もだが鎧落としたよ。
キュイラスは一番軽いプレートメイルだ。
鳥のどこに鎧を入れていたのか突っ込みたいが、それは置いておこう。
アレンの装備している鎖帷子の方が防御力高いから
これはセニアに装備してもらおう。
チャイナドレスは可愛いが、内臓に一撃食らったら即死だ。
残念だが仕方ない。
「セニア、これ装備出来る?」
「うん、多分」
「・・・」
「・・・」
「アレン、装備換えるから向こうむいてて?」
「あ、ごめん」
装備を変えようとしたら、その場でチャイナドレス脱ぐのかい!
そうなんだけどさ、ゲームでは街中で装備換えるじゃん!
「アレン?いいよ?」
「おお!」
「どう?」
「カッコいいな!似合ってる」
「やったー嬉しい」
「どう?動きにくいとかある?」
「多少は。でも戦闘には影響ないと思うわ」
「そりゃ、良かった」
セニアは何を着ても映えるだろうが、男装の麗人みたいだ。
マジカッコいい。
そんなおっぱいのでかい麗人居るかって話だが。
ウッドペッカーLv15×3
文字通りのきつつき。
鳥の癖に大したことない。
そもそも木に付いてるから斬りやすい。
特に苦労せず倒した。
ケラの羽×2
168フィル
ケラとは古語できつつきのことだ。
素材はよく溜まるな。本当に。
様々な魔物と戦闘を繰り返して、森を進んでいくと、
開けたところに木漏れ日のあたる岩があった。
ちょうど腹も減ってきた。
昼前までの散策はこの辺にして、ランチミーティングにしよう。




