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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第4章 四人は荒野をひた走る
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イフリート復活・・・

早速、イラガジェン火山に向かおうとしたが、

レイチェルがダウンした。


「大丈夫で・す、こ・・・れ以上・・・ご迷惑・・・を」

「いや、休んでいてほしい、馬車も呼びますから」

「いえ・・・私は・任務・・・」

「はっきり言いますね、今のレイチェルは足手まといだ、休んでいてくれ」

「・・・す・みま・せん・でも、イフリート・様の前に・は・起こして・くだ・さい・・」


旧アルフレッド研究所で大車輪の活躍をし、

無理していたのがたたり、体力が無くなったんだろう。

そりゃそうだ。

セニアみたいに獣人の有り余る体力があるわけでもないし

俺みたいに重量的な優位があるわけでもない。

さらにレイチェルは若く見えるが38歳だ。

どうしても20歳前の俺たちより体力もお肌も曲がり角、落ちる傾向にある。

お肌は関係ないか。


とりあえず帝都ウィリアムで待機していたサキと合流し、

レイチェルを寝かせる。

やれやれ、寝顔だけみると可愛らしく、

あんだけ大暴れしたやつとは思えないな。

少し寝れば大丈夫だろう。

一応、まずはエスパシオでケリューンに飛ぶ。

雰囲気がすでにヤバい。

火の国なのに、冷えきっているし、暗い。

ゾンビがいつ発生してもおかしくないが

まだ間に合っている。

簡単にだが、ルドルフに事情を説明はしておく。


「すまない、巻き込んだうえ、妻が迷惑を・・・」

「国王が目が覚めたらきちんとお礼をさせて頂きます」


ルドルフにしては殊勝な返事だ。

飛行船の使用許可以外にも

後ろ盾になってくれるかもしれない。


ルドルフと話をし、しばらく経ったので、

ディアナのコンフィレンシアでイフリートのところへ飛ぶ。

あまり時間はないしな。

イフリートの前でレイチェルを起こして、

皆で復活を見届けることにした。

よれよれではあるが、

戦闘にはならないはずだから大丈夫だろう。


イフリートは前よりはマシだが、

相変わらず小さい火の玉でしかなかった。


「・・・揃ったのか?」

「はい、ヘパイトスの火種だけ加工されてますが」

「うむ、さして問題ではない、感謝するぞ、そなたら」

「では、どうすればよろしいので?」


イフリート曰く、

まず、焔の珠をイフリートの下に置く。

その上から竜の火酒をかけ、

酒の跡を導火線のように伸ばしておく。

さらにイフリート及び焔の珠を中心に酒の跡で十字を描く。

最後にヘパイトスリングを導火線の端で砕く。

砕き方は、炎のアミュレットをぶつければいい。

ただし、魔力で叩く必要があるとのこと。


実際にやってみる。

リルムが着火役として、十字の下につき、

炎のアミュレットでヘパイトスリングを叩いた。

アレンでも良かったが、魔法が使えないと駄目だそうだし、

ディアナは木属性で万が一燃えると困るし、

と言うことでリルムがこの役になった。

攻撃魔法が得意ではないが、よいらしい。


リルムがヘパイトスリングを壊すと、

『パリーン』と言う綺麗な音とともに白い火が出て、

酒の跡で書いた十字に一気に引火し、

白い火柱がイフリートの下から噴き上げた。

するて火の玉程度だったイフリートが

白い火柱を吸収し、みるみる大きくなり、

炎の魔神の姿になった。いや、戻っただな。

合わせて回りもみるみる赤く熱く火が燃え広がる。


「あつっ!急に雰囲気が変わったね」

「良かった、これでケリューンは大丈夫だよな?」

「ああ、では、まず、そなた、そのアミュレットを掲げろ」

「は、はい」


たまたまリルムが持っていたアミュレットを上にあげた。


「どれ・・・むん!」


炎のアミュレットに白い炎が入っていき、まばゆい輝きを放つ。


「よし、これでよいな、これをログウェルの墓に供えよ、聖なる結界が元に戻るだろう」


聖炎業火のアミュレット


すごい名前になったな。

白い炎は温度が高いわけではなく、聖なる炎だったのか。


イフリートが炎のアミュレットを復活させたが、

引き続き地震のような地響きもするし、

溶岩もみるみる溶け、灼熱の空間を作り出した。


「や、やばくない、これ?」

「え?もしかして噴火とかする?」

「はーはっは!もちろんじゃ!我輩は力が溢れておるからな」

「アホか!先に言え!巻き込まれるだろうが!」

「すまんすまん、力が急に沸いてくるからの!」

「ディアナ!退避!」

「え?」

「逃げるぞ!エスケーパー!」

「は、はい!」


ディアナは慌ててエスケーパーを唱える。

が、大きく揺れ溶岩が溢れだし、レイチェルがよろめき離れてしまった。

それを支えようとリルムも一緒に動いて

レイチェルの腕をつかみ、無造作にアレン達に寄越した。

結果、リルムだけ溶岩で分断されてしまった。


「や、やばい!」

「くっ、アレンさん、これじゃあリルムさん含めたエスケーパーが使えないです」

「アレン!構わないから行って!私は大丈夫だから」

「リルム!君を見捨てるわけにはいかない!」

「アレン!冷静になりなさい!今アレンがやらないといけないことをよく考えるのよ!」


炎のアミュレットを投げて寄越した。


「リ、リルム・・・くそっ、イフリート!噴火は勘弁してくれよ」

「はーはっは!我輩の力、見せてやるぞ!」


ノリノリのイフリートは止まらない。

こいつはバカか!

何故苦労して助けてやったのに

この仕打ちを受けないといけない?

くそっ!

やはり助けない方が良かった。


「アレン、あなたは優しい。だけどこういう時も来るわ、そういうときに勇気ある大義の行動を・・・私なら大丈夫だから」

「ま、まただ、また私が迷惑を」

「レイチェル、泣くな!」

「くそっ!ディアナ!エスケーパー!」

『おお、完全に戻った、戻ったぞ!はーはっははー!』


うるせぇ、笑い声が最後まで聞こえてきた。

ぶち殺してやりたい。

なんでリルムが犠牲にならないといけない!?

ち、ちくしょう!


エスケーパーで脱出し、しばらく後。

イラガジェン火山は噴火をし始めた。


「リ、リルムさん・・・」

「アレンさん、私はまた迷惑を・・・取り返しのつかないことを・・・」


ケリューンは復活した。

だが皆で祝賀会モードと言うわけにはいかない。

重い雰囲気になり、どうするか誰も喋れない。

が、しかし。


「・・・いや、流石だな」

「え?」


マグマが涌き出そうとしてる頂上付近から、

白い物体が高速で飛び出したのだ。

それは、滑空し、アレン達の近くに舞い降りた


「ふぅ。危なかった」

「リ、リルム!?」

「だから、私は大丈夫だって言ったでしょ、セニア泣かないの」

「よ、良かった」

「水の魔法と周囲の熱気で上昇気流か?」

「ええ、アレンがエルガルドでセニアを飛ばしたのを思い出してね、まぁ、飛べるし、全速力で逃げれば大丈夫かなぁって」

「無茶するなぁ、無事でよかった」

「リ、リ、リルムさん、本当に申し訳ありません。私が迷惑ばかり・・・」

「レイチェル、とりあえず無事だっから問題ないわ、ああいう時は焦っても仕方ないからさ」

「あ、でも、装備が燃え尽きたわ・・・」


着ていたルーンクロークとマジカルスカートはところどころ穴が開き、装備としてはもう無理だな。

リルムの白い柔肌は無傷だからいいや。

妙にセクシーだし、新調くらい大したことはない。


「装備は、ケリューンが責任を持って補填いたします!」

「いや、大丈夫だよ?」

「そうは行きません」

「わかった、とりあえずケリューンに戻ろう、イフリートは落ち着いた後で説教しにきてやる」


さて、ケリューンに戻り、

現国王リグロンも目を覚ました。

ケリューンは噴火の影響もなく、

活気ある雰囲気を取り戻していた。

全て解決したのだ。


リグロンに対し、レイチェルとルドルフで詳細を説明するらしい。

明日、謁見してほしいとのことだった。


国民にも簡単な説明がなされ、

その日は夜遅くまで宴が開かれた。

酒が呑めるわけでもないから、

アレン達は普通に食事をし、宿で眠りに落ちた。

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