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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
第2章 一人よりも二人が良い
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方針を決めてみる

アリアナに着いた。

戦利品を道具屋に売ってみる。

素材系と、ダガーナイフは一つ残し他を売る。

戦闘で得たお金と合わせると14000フィルくらいになった。

やはりエリートゴブ様々だな

鉢金とドロップだけで約12000フィルだ。


道具屋に昨日は見かけなかったフードの男がいた。

セニア曰く、「たまに来る行商人さんです」らしいが。

売りにくるばかりで買うことは出来ないらしい。なら用はない。


じっと眺めているとステータスが見えた。


バイアール 34歳 デミヒューマン 男

Lv21 ブローカー●3


デミヒューマンか、人間と魔族のハーフだな。

ジョブはブローカー、ただの行商人ではないようだ、何を扱っているんだ?

ん?●?☆じゃなくて?

なんだ、これ?

初めて見た。

装備とかが見えないのは仲間じゃないからだろう。

セニアと初めて会ったときもそうだった。

名前はバイアールか、気に止めておこう。



その夜、昨日と同じように3人で食事をしているときに

旅の目的について少し話してみることにした。


(フラウ、この世界の人に魔王復活について話すのは大丈夫かな?)

(それが原因で復活が早くなるとかはないよ、ただ信じないんじゃあ?)

(ですよね~)


フラウと意識の中で話したが、その通りだと思う。

しかしやはりセニアに付いてきてもらうならどれくらい危険な旅になるのかは理解しておいて欲しい。


あ、夕飯、魚料理だ。

虎なのに魚食べるんだ、少し意外だな。

魚もマーレが狩ってきたのかな、顔がマーレの熊が鮭を取る姿を想像してしまう。

これがホントのマーレ熊、いや、マレー熊。ってうるせえよ。


いやいや、余計なこと考えた。

そう、旅の目的だよ。

とは言え、魔王討伐っていきなり言ってもなぁ。

フラウも言っているが、信じられないよね、普通。というか信じたくないよね。

なんだかなぁ、誘導尋問みたいにするしかないかな。


マーレはまだキッチンとリビングを行ったり来たりしているので

セニアと二人で席で待つ。


「どうしました?アレンさん」

「いや、今後のことを考えていたんだ」

「あの、色々考えたんですが、私を仲間にしてくれませんか」

「俺の旅についてくるの?」

「はい、ご迷惑でしょうか」

「それは助かるし、出来ればお願いしたいくらいなんだ。ただ、凄く危険な旅になるんだ」

「構いません、覚悟の上です」


マーレも支度を終えてリビングについた。


「二人で何の話だい?」

「お母さん、私、アレンさんに付いていこうかと思っているの」

「そうかい、アレンさんの迷惑にならないようにね」

「セニアさんが仲間になってくれるのは非常にありがたいです。ですが、危険な旅になります」

「そもそも旅の目的は何なんだい?記憶が無くても覚えているのかい?」

「はい、目的は覚えています。ただ信じてもらえるかわかりません」

「私はアレンさんを信じます、村も私も助けて頂きましたし、嘘を言う人ではないかと」


そもそも、記憶喪失の旅人という設定が嘘だらけではあるが。


「・・・話します。マーレさん、この付近の魔物って、ずっとこんな感じですか?」

「凶暴化していると思う。そもそも私が子供の頃には魔物自体があまり居なかったんだ」

「そうなの?私は生まれてから変わってないと思っていたわ」

「勇者レン様が魔王を倒してから魔物の活動も少なくなりしばらくは平和だったんだよ」

「原因はわかりますか」

「いやぁ、帝都ウィリアムからも調査兵団とか出ていたんだけど、原因はよく分かっていないんだよ。魔物が活発化しても生活に支障が出るほどでもなかったし」

「徐々に酷くなりつつありませんか」

「前よりは増えてるね、昔はトヤクソウなんかも簡単に取りに行けたんだ」

「魔物が増えつつある原因は、今から近い内に魔王が復活するからです」

「え?魔王?え?」

「な、な、だ、だって勇者レン様が倒して?え?」

「勇者レンは魔王を倒したのではなく、封印したんだそうです」


分かりやすく二人とも混乱した。やはりそうなるわな


「俺の旅の目的は、復活する魔王を倒すことです、可能なら復活させないことも含めてですが」

「なんでアレンさんが、そんなこと知っているんですか」

「神様にお告げを受けたんだ」

「お告げ・・・」

「だから魔王を倒せるくらいには強くならないといけない。それもあまり時間がないんだ」

「具体的にはどれくらいの時間があるのかわかりますか」

「約2年らしい」

「2年!?短いねぇ、その期間で勇者レン様と同じように強くなるってことかい!?」

「そうなります。正確には勇者レンよりも強くです。だから危険な旅になります」

「ウィリアム王に説明して助けてもらうのはどうでしょう?」

「いや、セニア、あまり大きく話を広げるつもりはないんだ」

「そうだね、そこは慎重にいくほうがいいと思うよ、私だってまだ信じられない話だ」

「そういう旅だ、セニア、それでも付いてきてくれるかい?」

「むしろ、尚更アレンさんを一人で行かせる訳には行きません。足手まといにはなりませんから、一緒に行かせてください。お母さんいいよね?」

「あぁ、村のことは気にしないで行っておいで、アレンさん娘をよろしくお願いいたします」

「はい、こちらこそ」


ウェアタイガーは勇敢な戦闘民族だ。怖じ気づくどころか尚更行くという。頼もしいな。

それにしてもセニアのような巨乳美人と二人旅。ぐへへへ。


「とは言え、何をすれば良いのでしょうか」

「やらないと行けないのは色々あるんだけど、まずは仲間探しかな。今、回復役も攻撃魔法担当もいない」

「アレンさんは使えないんですか?」

「魔力はあるみたいだけど、今はまだ使えないな、そのうち覚えるかもしれないが。セニアは?」

「前に言った通り、私も魔法はからきしでして・・・」


やはり仲間をなんとかしないといけない。

この世界にはギルドがあったはずだ。一番近いのはイレイン。

イレインの町の規模から期待は出来ないが。

あそこで登録されている冒険者が一番早い。と思っていたら


「ギルドや酒場はダメよ」


いきなりマーレにダメ出しされた


「え?なんでですか」

「昔はギルドの力が強くて、まともな冒険者しか登録出来なかったんだよ。だけど魔王が居なくなった今ではギルドもハリボテ同然で、まともな冒険者はほとんどいないんだ」

「そ、そうなんですか」

「最悪寝込みを襲われたり、裏切られたりするかも知れないよ。酒場はもっとダメよ」


ギルドが使えない?それはヤバい。仲間以外にも色々ヤバいかもしれない。

ただ当面は仲間だ。

そんなこと言われたら仲間どうするか迷ってしまう


(アレン、あまり気にしなくても多分大丈夫よ?)

(フラウか)

(アレン、あなたはステータスを見れるでしょう、悪人は見抜けるはずだから大丈夫)

(なんだ、それ?)

(悪人、盗賊とか見てみればわかるよ)

(あ、あぁ、さっきのバイアールって男のジョブ習熟度の●?)

(そう、あれ。あなたに敵対するか、そもそも悪人かなら☆じゃなくて●になるわ)

(なるほどな、そりゃ助かる。騙し討ち受ける可能性も減るわけだ)


「ま、なんとかします。そういうところ頼らなくてもきちんとした仲間見つけます」

「とりあえずは帝都ウィリアムに行くのが良いかもしれないね。人は多いから気をつけるんだよ?」

「知っていたら教えてほしいんですが、勇者レンのパーティーメンバーは今、どうしていますか? 」

「勇者レン様、戦士テッハ様、魔法使いルーア様、僧侶ステラ様ですね?」

「そのメンバーなら魔王復活について知っているかもしれないし、何より相談してみる価値はありそうだ」

「レン様は行方不明らしいよ。魔王を倒した後に故郷を訪れて、その後また旅に出たみたいね」


そのレンの旅は魔王を封印するためのものだな。


「テッハ様は帝都ウィリアムで近衛兵士団長をしているよ。ルーア様はたまに街に顔を出すみたいだけど、普段はどこで何をしているのかわからないわ。ステラ様は大僧正として世界中を慰問の旅をしているはずだわ」


驚いた。ルーアはともかく、皆夢を叶えたんだ。

魔王を倒したときにはLv1だったはずだが。

俺のせいで。

その後、かなり修行したんだろうなぁ。


「所在がはっきりしているのはテッハ様だけですね」

「ああ、やはりウィリアムに行くで良さそうだな」

「馬車でイレインまで行って、買い物をしましょう」

「いや、イレインまでは歩きはどう?」

「え?」

「ラーニング、敵の特技を真似するやつね。ラーニングをするために色々な魔物と戦いたい」

「では明日、明後日は移動日になりますね。明日は夜営になりますが・・・」

「あ、そうか、1日では着かないって言っていたなぁ」


ゲームのときは近かったから感覚がわからん。


「距離的には難しいですね。早朝から深夜までかかりますね」

「流石に夜営はなぁ、もっと仲間集まってからじゃないと危ないか。盗賊の問題もあるし。」

「じゃあ、馬車でイレインまで行ってイレインから戻りつつ再出発にしましょう」

「そうだな」


「明日からよろしくお願いします、アレンさん」

「こちらこそよろしく。あ、一つ頼みがある」

「なんでしょう?」

「セニア、俺を信用しているなら、敬語、丁寧語は無しにしてくれ。名前も呼び捨てでいい」

「うん、分かった、おやすみ、アレン」

「おやすみ、セニア」


その夜は色々話していたが、

昨日と同じようにお風呂に入り、そのまま就寝となった。

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