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第五話 『撮影出発〜踏切撮影より』

どうも、秩父鉄道マニアです。さて、今話もお読みありがとうございます。前回は自宅調査から撮影準備で終わり、今話は踏切撮影です。取り敢えず、貨物と列車と急行、臨時急行などを登場させる予定です。ちなみに現実の秩父鉄道と言えば、SLパレオエクスプレスが走っていることで有名ですが、今作でそのままの名前で登場させます。他、何か気になることでもあれば、一言でお願いします。

「よし、大抵の物は整理できた!」

「今日の撮影は、一眼レフどうする?持っていく?」

「今日は要らないかな。踏切で撮影するだけだし。でも1台は持っていくつもりだけど」

「ところでさ、40両編成とか50両編成とかが通過したら、凄いんだろうね」

「多分ね……。と言うより、踏切で待っている自動車とか大変そう」


40両編成や50両編成が踏切を通過するなど、拓と杉には前代未聞である。と言うよりも現代の大半が思うだろう。因みに、踏切で待つ歩行者や自転車、バイクに乗る人、自動車やバスの運転手などは寄居鉄道の両数が長い事は既に分かっている。


「でもさ、踏切で撮影するって言ってるけど、僕ら沿線住民だから、ベランダから見えるよね」

「確かに見えるけどさ、踏切で撮影した方がいいじゃん」

「それはそうだけど、お兄ちゃん何処の踏切に行くん?」

「現実で言うと、家から8分辺りにある踏切。小前田駅に近いところの」

「あの…電光掲示板にオマエダって表示される小前田駅か」


小前田駅とは埼玉県深谷市小前田にある秩父鉄道秩父本線の駅である。熊谷・羽生方面では桜沢駅の次の駅で、秩父・三峰口方面では永田駅の次の駅である。ちなみに2018年10月20日以降は永田ではなく、ふかや花園駅の次の駅となる。小前田駅の特徴としては、駅付近になると列車内の電光掲示板に流れる表示が怖いと一時期有名になったことがある。『まもなくオマエダ』と不気味な表示される。


「さて、準備出来たことだし撮影行くか!」

「待って、お兄ちゃん。飲み物程度は持参しよ」

「何があるの?」

「コーラなら、箱買いしてあるから、あるよ」

「え?コーラあったの?気付かなかった……」


この兄弟、飲み物系はコーラが一番好み。その次にサイダー。因みにコーラは箱買いしており、家にはコーラの箱が沢山積み重なっていた。


「ところで、お兄ちゃん。SDカードあったの?」

「一様、あったよ…。部屋にある机の引き出しの中にね」

「あ、あったんだ…。最近、物を無くすのが酷いから」


最近、主人公はハードなスケジュールとともに物忘れが酷ため、結構疲れている事が予想される。


「杉、準備できたよね?」

「多分できたよ」

「それじゃあ、撮影行くか」


玄関を出て、整備されていない砂利道を左に進む。砂利道と言えども、農家の人が通るくらいの細い道。


「お兄ちゃん、限定キャラ出た」

「え?限定キャラ?」


踏切に向かう際中、杉は歩きスマホをしていた。しかもゲームでガチャを引いていたらしく、限定キャラが出たと言う事につい、拓も食いついてしまった。


「杉、前危ないよ」

「え?あ、やべ」


砂利道と言っても農家道と言っていたが、良くたまに大きな木の枝分かれが道にはみ出していることがあり、良くぶつかる。でも今回は歩きスマホをしている結果である。


「結構、歩くね」

「そうだね……。この世界は面積が大きいから時間が余計に掛かる」

「おおよそ何分くらいで着くのかね」

「現実では此処から踏切が見えていて、この世界では見えていないから、20分くらい歩くんじゃないの?」


普通は砂利道を数分進むと踏切が見えるが、この世界ではそうはいかないみたいで、県の面積が約20倍になっていることもあり、砂利道も20倍になっているらしく、相当見えない。


文句を言いながらも、歩き続けて結果、30分も掛かってやっと踏切が見えてきた。


「やっと、踏切見えたね、お兄ちゃん」

「え?やっと見えたの?」


拓は既にへとへとな感じだった。


「ほら、あの踏切でしょ?」

「あ、あれか……。本当に家から遠いな」

「お兄ちゃん、結構疲れてるけど、帰宅する時、大丈夫?」

「あ、大丈夫だと思う。多分、家に帰ったら力尽きると思う」


踏切に到着するとすぐに撮影の準備を始めた。適当にカメラを持ち撮影準備に入った。しかし、踏切が鳴る気配がない。


「踏切、全く鳴らないね、お兄ちゃん」

「でも、来てから10分くらい待ってるから、そろそろ鳴ると思うよ」


この時、桜沢駅ではとんでもない車両が高速通過していた。


「ところでさ、杉。あの電柱の上にいるの鳥?」

「え?ほんとだ……。あれ、何の鳥なのかな?」

「何だか猫に見えるんだけど」

「気のせいだよ、お兄ちゃん」


拓たちは電柱の上にいる謎の鳥の様な猫の様な生物に目を向けるが、異世界特有の生物だと思い、踏切撮影に集中し始めたかと思いきや、兄の拓だけ、その生物に興味を持ち、何枚か撮影しようと猫の後を付いていくが、此処で踏切が鳴り始める。


『カンカンカンカンカンカン』

「あっ、お兄ちゃん。踏切鳴り始めたよ!」

「え?来た?」

「そうみたいだよ、お兄ちゃん」


主人公は思わず踏切に急速で戻り、遠くを見るが、勿論見える気配はない。しかし、若干の光は見えていた。


「杉、もしかしてだけど、スマホの充電しっかりあるよね?」

「勿論、100%あるよ!しかも台数4台あるよ!!」

「台数多いな……。なんでそんなに持って来たん」

「4kで撮影するから、充電の消費が早くてすぐ充電切れるから、一様、台数多めに持った方が良いかなって」

「あ、そういうことか」


普通の会話だけでも、列車が急速に近づいてくる。桜沢駅から小前田駅は急な斜面になっており、しかも直線状であるため、スピードを結構出す。この寄居鉄道もそうだろう。それにしても凄い高音で長編成な感じがしていた。


「お兄ちゃん、列車の影見えたよ!」

「マジか、了解!」


主人公は撮影するため、素早く準備を始めた。まず、撮影の機材、一眼レフの電源を付けて、露光量とかコントラストとかの設定する。


「じゃあ、撮影タイム開始!!」

「待て待て、早い……。準備終わって無いから」

「お兄ちゃん、早く!何なら、先に撮影してるよ」

「あ……。了解…」


素早く準備を始めた主人公だったが、手持ちの撮影機材が多すぎて、対処できなくなっていた。


「もう、一眼だけでいいや」

「お兄ちゃん……。まって…あれはやばい」

「何?どうかした、杉?」

「臨時急行!」

「は?あの…確か、この世界で存在するやばい車両だったよね?」


この兄弟が驚くのも当然である。この世界の臨時回送はドクターイエローの様に時刻表には乗らない。しかもこの臨時急行は大体夜間に通る可能性が高く、1年に6本しか通ることはない限定車。そして気になるのは、車両本数だが、寄居鉄道では最高クラスの平均190両編成。


「確か、平均190両編成の長編成の車両だったはず」

「マジで……。まだ40両、50両ならギリギリ分かるけど、平均190両って、長さが考え付かない」

「まあ、いいや。早く撮影しよう」

『パシャパシャ……パシャパシャ……パシャパシャ……パシャパシャ……パシャパシャ……』

『ガタンゴトン……ガタンゴトン……ガタンゴトン……ガタンゴトン……ガタンゴトン……』

「お兄ちゃん、風が強いから撮影気を付けて」

「了解」


杉は満足そうにカメラを重視しており、その後、拓のところに駆け寄って来た。


「お兄ちゃん、撮影出来た?」

「ほいよ、ちゃんと撮影出来てるかは不明だが」

「やっぱり、お兄ちゃんも上手じゃん」

「そうかな……。自分はまだ何か足りないと思うんだけどな」

「大丈夫、足りない部分は編集で補えば」


主人公が言う、足りない部分とは風景がないとか、雲が美しくないとかなどのことではない。写真に列車の全体が入るとか、写真の角度調整とか……。主人公は出来るだけ、写真編集を行うのは控えたいらしい。


「いや、それだと……」

「まあ、お兄ちゃんの好きだから何も言えないけど……。と言うか、次って何が通るの?」

「次に来るのは、寄居鉄道寄居熊谷線直通羽生線の各駅停車の羽生行きだったはずだよ?」

「でもさ、まだ通過してるよ、臨時急行」

「じゃあ、臨時急行が通り過ぎて、次の列車が来るまで自由時間!」

『カンカンカンカンカン………』


此処では運が悪い兄弟。自由時間とか調子いい時に運が悪い。


「え?次に何か来たっけ?」

「お兄ちゃん、貨物列車来た!」

「え?形式は?」

「まだ良く見えない」


暫く時間が経つと正体が見え始めた。


「あれ?デキ200形じゃん」

「おかしいな……。デキ200形って相当気まぐれの時しか走らないのに、何かイベントでもやっているのかな?」

「分からないけど、撮影タイム!」

『パシャパシャ……パシャパシャ……パシャパシャ……パシャパシャ……パシャパシャ』

「よし、撮影できたよ、お兄ちゃん」


撮影すると毎回駆け寄ってきて、兄の写真と自分の写真を比べっこしている。そして、一言。


「ほんと何で、お兄ちゃんの方が上手なんだろう」


デキ200形…。主に秩父鉄道のSLパレオエクスプレスを熊谷駅まで牽引する際に使用される。


こんなことの繰り返し…。そして、数時間後…。空も青から薄い赤に変わり夕方の風景を出していた。


「もう夕方になってきたし、充電も無くなって来たから、撮影終わろう」

「え?もう夕方なの?」

「空見ればわかるだろ……」

「あ、もう夕方なんだ…。と言う事はこの世界は秋に差し掛かる頃なのかな……」

「分からんけど、そうなんじゃないの?」

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