第一話 『異世界召喚、先は波久礼駅』
どうも、秩父鉄道マニアです。こんにちは!
今作第一話のページへありがとうございます。第一話は取り敢えず、異世界に着いてからの話です。場所は波久礼駅でスタートとなります。此処で言いますが、32両編成と言う言葉が出てきます。まあ、そんなことなのでお読みをお願い致します。
前回のあらずじ
主人公(拓)と杉で兄弟揃って三峰口駅に撮影しに来ていた。三峰口に隣接する秩父鉄道車両公園の保存車両を撮影し、更にはSLも撮影して、電車で帰る途中だった。
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「お兄ちゃん、おはよう?」
「おはよう……。良く寝た」
「って、お兄ちゃんも寝てたの?」
「そうだね、寝ちゃった」
「ところで、寄居に着いた?」
「あれ?まだ波久礼?」
杉は主人公に意見を述べる。
「何だか可笑しくない?お兄ちゃん」
「何が?」
「いや、家に着くのは17時頃のはずなのに現在午前1時だよ?」
「そもそも午前1時で鉄道が走ってるかよ」
「確かに」
主人公も何かが可笑しいと違和感と感じ、車両を見た。
「形式、2500形?2502号編成??」
「杉、乗っていた車両と全く形式が違う」
「は?形式が違うってどうゆうこと?」
「分からない。もしかしたら……そんな訳ないか」
「お兄ちゃん、車両の編成数が32両ある」
「え?32両?何これ夢?」
しかし、主人公と杉が居たのは紛れもなく夢ではなかった。主人公は全く謎が解けない。
「そうだ、駅名は?」
「波久礼か……」
「なんなら、定期……。え?」
主人公は定期券を見るが、寄居ー秩父としか書かれていない。しかし、鉄道会社を見た瞬間、主人公は分ったのである。
「寄居鉄道?あれ、秩父鉄道じゃない!」
「寄居鉄道って、確か僕が考えた架空鉄道だよな……」
「お兄ちゃん、鉄道会社が秩父鉄道じゃなくて寄居鉄道になってるよ」
「やはりか、もしかしたらこの様な場合、考えられることは一つ」
「多分、この世界は多分、異世界!!」
主人公が最終的に導いたのは、この場所が異世界であること。そして、県名や市区町村が同じであり、地形も同じようだが、鉄道会社や建物は異なっていることであった。
「でも、異世界だとしても駅名と町名まで同じって……どうゆうことになるんだろうか」
「確かにね、波久礼駅と大里郡寄居町は現実でも存在するからね」
「そうだ、運転士に聞けばいいと思う」
「杉、運転士居ないよ……。それどころか車内に居るの僕たちだけだよ?」
「え?嘘でしょ?扉は開いてるの?」
「扉は開いてるか確認してないけど、多分開いてると思う」
主人公の言う通り、扉は開いていた。しかし、運転士が戻って来た。
「君たち、何処まで乗車?」
「寄居です」
「寄居か、この電車も寄居に終点だから少し待っててくれないかな?」
「今、35両編成の秩父行きが踏切で車と衝突する事故を起こしたから、一時停止しているだけだから、安全の確認が取れたら発車するからね」
「はい、了解しました」
「ところで、君たちは何処から来たの?」
「寄居町の桜沢と言う場所から来ました。丁度、今日は鉄道の撮影目的で三峰口まで撮影しに行って、その帰りです」
運転士は首を傾げていた。
「三峰口で撮影?」
「蒸気機関車でも撮影していたのかな?」
「はい、そうです!」
「何?君たちは撮り鉄?」
「はい、兄弟で撮り鉄をしています。僕たち結構の鉄マニ(鉄道マニア)なんで」
「お、撮り鉄か。実は私の子供も撮り鉄なんだよね」
此処から会話は盛り上がる。しかし、予想以上に事故の片付けの時間が掛かっていた。
「運転士さんは、鉄道の車両で一番好きなところはどんな部分なんですか?」
「私?私はもう一言、運転台だよ」
「やっぱり運転士さんは、運転台なんですか。僕はパンタグラフが好きです」
「あの伸びたり、縮んだりするところが好きなんです」
「あー、確かに居る。パンタグラフがある場所に行って撮影している人」
「運転士さん、車両では好みとかあるんですか?」
「あー、車両では東異世界旅客鉄道(異鉄)の車両で、確か、異鉄川手線の車両が好きだな」
「そんな鉄道あるんですか?」
「首都の方ではかなり有名だよ」
此処で主人公は思う。異鉄川手線ってまさかJR山手線かと……。
「僕はこの鉄道の車両が大好きです!」
「形式はあんまり分からないけど、なんか好き」
「この車両は2500形の2502号編成だよ」
「サハとかクハ、モハとかになると少しややこしくなるから、その話は置いといて」
此の今乗っている車両は2500形の2502号編成と言ったが、1つの車両ごとにモハとかクハ、サハとかに分かれる。この寄居鉄道の現在乗車中の車両だと、1両目がクモハ、2両目がモハ、3両目もモハ、4両目でサハ、5両目もモハ、6両目でモハ、7両目でサロ、8両目もサロ、9両目でサロハ、10両目でモハ、11両目もモハ、12両目・13両目・14両目・15両目はサハ、16両目はモハ、17両目もモハ、18両目はサロ、19両目はサロハ、20両目はモロハ、21両目・22両目はモハ、23両目・24両目・25両目・26両目はサハ、27両目はモハ、28両目はモロハ、29両目はサロ、30両目・31両目はモハ、32両目でクモハ。
・クハとは運転台付の普通車
・モハとはモーター付の普通車
・クモハとは運転台付とモーター付の普通車
・サロとは中間車とグリーン車*異世界ではブルー車
・サロハとは中間車とグリーン車と普通車*グリーン車と普通車は半分半分で使われることが多い
・モロハとはモーター付でグリーン車の普通車*サロハと同じように半分半分で使われる。
「今、やっと踏切事故の安全確認が終わったみたいだから、発車準備するから、会話はまた後で」
「了解です!」
「ところで、お兄ちゃん、こんな32両もあって時間とか大丈夫何ですかね?」
「どうかなー、停車時間も長いし、長編成だからスピードが出ないと思うから、そんなに本数は無いと思うけど、どうなんかね?」
「ネットで寄居鉄道って調べれば出てくると思う?」
「流石にネットにはあるでしょう」
「そうだね、お兄ちゃん」
弟が検索したところ、取り敢えず時刻表はあったのだが、どんでもない本数だった。
「1時間の平均本数は10本!?」
「と言う事は6分に一本は来ると言う事でしょ?」
「確かに……計算だとそんなことになるのかな?」
「多分ね、もしも本当に6本だとしたら、寄居鉄道、どんだけ車両持ってるの?」
「32両編成が6本……いや、流石に10本程度は保有……となると合計320両?」
「私鉄で320両はやばい数だよ」
「でもまだ、2500系だけだから其れ以外の形式の車両も含めたらガチでやばいよ」
「想像だけど、全形式で600両程度はあると思う」
「いや、もう少し多く考えた方がいいから、全形式で980両くらいかな?」
兄弟で寄居鉄道の全形式の全両数を想像するが、量が多過ぎて分からない。
「お客様にお知らせします。只今から運転を再開しますので、お立ちのお客様は椅子に座るか手摺にお掴まり下さい」
「やっと発車するんだ」
「32両編成が発車する光景ってかなり珍しいな」
チャララララーン
まもなく2番線より各駅停車羽生行きが参ります。この列車は4つドア、32両編成です。次の駅は寄居です。
駅のアナウンスも鳴り出した。
「ところで、今調べたんだけど、この路線は寄居鉄道寄居本線って言うらしいよ」
「寄居鉄道の寄居本線?」
此のとき、主人公は思った。寄居鉄道寄居本線って、現実だったら秩父鉄道秩父本線じゃん……。
「因みにお兄ちゃん、寄居本線の路線距離は全長1500キロらしいよ」
「で、今検索したんだけど、波久礼から寄居に行くまで1時間も掛かるって」
「1駅の区間なのに、1時間も乗車するの!?何だか面倒いな」
「現実だったら3分で着く距離なのにね」
「杉、そもそも1時間掛かる理由って何?」
「路線距離が通常の3.9キロから、凡そ20倍の78キロの距離があるから1時間は掛かると思う」
「78キロ?7.8キロの間違いじゃなくて?」
1駅の区間が78キロもある為、移動には1時間掛かる。更に32両編成となる超長編成の為、スピードが落ちる原因もある(スピードが落ちても100km/hは出る)。
「まあ、今日はもう遅いから、明日じっくり考えよう」
「そうだね」
第一話はどうでしたでしょうか?まあ、鉄道関係の会話がメインでしたが、今後もこのような風になると思われます。なので、次話もお読みをお願いします。感想や評価もお願いします。では失礼しました。