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吐瀉物の清掃人

作者: keisei1

 生と死の境い目で 言葉を嘔吐する詩人 

 せん妄気質の クダを巻くような 演目


 憐憫も無力感も それは勝手だが

 吐瀉物を拭った 誰かは 彼に共感でもしたんだろうか


 僕の鳩尾みぞおちにある黒い吹き溜まり 

 唾を吐きかけた 偉人の彫像さえ

 僕は何一つ 傷つけられなかった



 僕が行くのは天国か地獄

 その中庸はない


 天国でさえも うらぶれた天使たちが

 大麻でも吸っているんだろう

 地獄でさえも そう 僕の毛嫌いした 

 掃き溜めの連中が 酒をあおっているはずだ


 

 死にたくない 生きていたい

 生への渇望は そんなにありゃしない

 ただ 僕は排泄物のような

 垂れ流すだけの絶望に そっぽを向いていたいだけだ


 地の底にある 本当の失意は 多分リーマン辺りが

 知っているに違いない


 近寄らないに 越したことはない

 大体 半端に挫折した人間の

 絶望の切り売りなんて見たくはない



 性の樹脂が ねっとりと体に張り付き

 僕の心は 目玉の奥にある

 人生の神髄とやらに 気づく


 僕は酩酊していないし 泥酔もしていない

 快楽で 虚無で 悦楽で 虚脱で

 ただただ性の残滓に浸っている


 24年前に出逢ったあの子を

 抱けたなら どんなに良かったかと

 今 僕の周りにいるのは 街娼とポルノスターだけ


 純粋さもなく 誠実さもない

 それならいっそのこと

 僕も言葉を嘔吐でもしてみようか


 そうしたら 世界は広い 

 悪趣味な誰かが 拭ってくれるかもしれない


 僕はただ 光が見えていた時代の 

 自分を大切にしているだけ

 僕を 光の領域から 連れ出してくれるな 


 ただただ 許されるならば 叶うならば 

 もう一度 あの時の あの頃の あなたに会いたい


 僕が 願うのは ただそれだけ

 

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