失敗
なんとなく出てきたネタ
ふと庭の桜を2階から見ながら、私は徒花だから結婚は出来ないなー。うちの家は私で終わなければ成らないんだと脳裏に浮かんだ。
それについて別段悲しさも寂しさも浮かばずストンと胸のなかに落ちて理解した。そう言う人間なんだと。
大好きな家族と私という人間を受け入れてくれた人たちのためだけに一所懸命に頑張れば言いと誓ったのに何でこんなところに行かねばならないのだろう。
そんな決意を決めた5月
もうすぐ小学校を卒業だな。という冬のある日のことだ
大河の1滴と言うほどの血縁関係しかない人が訪ねてきた。数年に1度呼び出されることが有るが、両親ともに興味関心が無いため年賀状をやり取りするだけの遠い顔も見たこともない親族と言う括りの人。
それが何故かアポなしで来やがった。ワンワンとダメ犬で私の大切な相棒たる太郎が来客を告げたので居間から外を見ると黒いコートの寒そうな人がうちの坂を転びそうに。と言うか何回かよろけながら降りてきている。
すみません。と外玄関で声をかぼそく掛けているので中玄関を開けて対応するため居間を出ながらはーい。どなたですか?と声を掛けておく。
玄関でボロ。つか、寒い。みたいな顔をしやがるので暖かい居間に上げずに対応する
来た理由が、次期当主にかる私に強制的に自分達が運営する学校に入学するように勧告するという内容だったので、当主という言葉が似合う程の格式がある家でもなく私もよく言えば中の下。悪く言えば下の下に毛が生えた程度の学力・体力・容姿しか無いのだからそんなところにいく義務もない。きっぱり答えるとはぁ?みたいな顔をしている
何がはぁ?なのだろうとは思う。
うちは代々何かの特殊産業に就いている訳でもないただのサラリーマン家系だ。先祖が何か特殊能力があるわけでもなく平凡という言葉がぴったりな家系なのだ。
勧誘する人を間違っていないか。1度確認した方が良いのでは?と伝えてお引き取り願った。
それから1か月後。制服買わなきゃねと母と話していたところに又しても来客があった。
居間から見たら1ヶ月前に来た人ともう1人が滑りそうになりながらと言うか、滑って転びながら坂を降りてきた。
又かと思いつつ対応すると前回の失敗を反省してか名前と住所を確認した上で話始めた。うちの部落では、私の名字は珍しく1軒しかない。先祖が出てきた場所ならばそうではないらしい。部落によっては同じ苗字が固まっている場所も在るのだけれど。
「で、ご用件は?」と玄関で対応する
「以前も申した通り我が学園に勧誘しに来ました」と新しい人
「そうですか"勧誘"ですか。先月そちらの方には拒否権はなく強制的にでも入学せせると言われたのですけれども。」しらっと言うと後ろに控えている前回来た人を睨み付けていたか、そのうち視線をこちらに転じて
「出来れば入学してもらいたい所です。貴女方一族とは交流が断裂している様な状態ですし」
「別段我々と交流が無くても困りはしないでしょう。陰で人の事を無能者と馬鹿にしているのに。人の事を蔑んでいる人と交流したくないを考えるのが当たり前のことです。私を勧誘するのはあれですか?馬鹿で無能者が格式にある学校に何を考えて入学したのかと後ろ指を指させて能力が弱い貴女方妹の防波堤にするためでしょうか?」にっこり笑いながら訪ねると前にいる方は無反応だが後ろに控えている方は動揺している。
1度聞いた情報なので自信がなかったが当たりだった様だ。勧誘に来ている人達の妹は容姿だけは良いが学力的に私と一緒で他家に嫁がせるのは難しく分家等の優秀な人に嫁がせようとすれば難色を示されるのではないか。と言う内容だった。あれよりも下がいるなら見てみたい見たいな事を言われることもしばしばらしい
私もダメダメだから防波堤にぴったりだと思ったのだろう。家族の未来を憂いて対策するのは良いことだが、人身御供を立ててまでするような事だろうか?ダメならダメで学力に見あった場所に入れればいいのだと何故気づかないのだろうか?
こいつら本当は馬鹿なんでは?と思いつつがっつり断り帰った後に玄関に塩をまいたぐらいだ。
本当に何を考えているかわからない。私に旨味など一切ない話なのに受け入れると思っているところが理解出来ない。旨味があっても3年間敵しかいない場所にいこうと思う人間が居るもんか。居るとしたらそんなやつ特殊な性質なんだろう。俗に言うMと言うやつじゃないと耐えきれないと思うが
なんだったの?と玄関から居間に戻ったときに母に聞かれたのでよくわかんない。と返しておいた