学園もの?
両親には愛されているとはわかっていても何事にも私よりかわいらしい双子の姉が優先される生活をしていたら性格が歪むのは致し方がないと思う。それに幼児検診で発語が遅いとわかって発達障害か?と疑われたことがあったらしいが、親が姉をかまいすぎて私を放置していることが原因だとわかってからは意識して私の面倒を忘れないようにし始めた両親とそれを期に祖父母が面倒を見に来てくれるようになってからは穏やかに生活できるようになってきた。
小学校に上がり集団生活をし始めて姉を目当てに私に近づいてくる同級生たちもいたが、その時すでに姉と距離をもって接していたため姉目当ての人間は少しずつ周りからいなくなった。友達と呼べる人も少なからず出来て楽しい小・中学生活を送れたが姉関係が面倒だと思ったので高校は姉と違う学校に進学することにした。
出来れば近くの。具体的には家から通える程度の近くの学校だと姉の噂を聞きつけてという輩も出てくるのが予想できたので、遠方の学校にした。通学が大変そうなので寮があるところが理想的である。贅沢をいえば私程度の学力でも入学できる所と条件を絞っていくと数校になった
家の経済状況というか私にさくお金を考えると授業料が高い高校を選択できないと調べていると特殊な条件が設定されている特待生制度がある学校があったので、それに応募した
合格発表がが来たのが2月なのだが、その前に三者面談とか受験会場に行くとか色々としていたはずなのになぜか両親に驚かれた。それを見て呆れながらも合格したことを喜んでくれた祖父母と喜びを分かちあっている私。
「で、どこの学校に行くの?」両親に言われて遠方の寮がある高校に合格したこと。授業費や寮費などは特待生で合格したから親が払う必要は一切ないことを伝えると面白くないような顔をされてしまったが、姉が有名私立に受験することを聞いていた私はそこを突っ込んでみたら言葉を紡ぐことが出来なくなったようだ。
私の存在を忘れて可愛い制服の授業料が高い私立高校に進学させるために塾やらなんやら通わせていたのは中3になってから始めたことだからわかりきっていた。私は予習と復習をしてわからないところは先生に聞きまくったりパソコンで検索しながら自力で勉強していたのでもとではゼロ。それで特待生で入試に合格した私に思うことがあったのだろうそれ以外何も言わなくなった。
まあ、特殊な条件と言っても学校が指定した人と契約して性的なはけ口となるか従者となるかの2パターンである。はけ口になるには美少女とか色香が漂う人じゃないと無理。あと貞操観念が低くないと無理だと思われる。どちらも条件に合わない私は従者枠として応募したのだ
入試会場では美人さんとかなんとなく男性の目を引くような少年少女が沢山いたが、従者枠では私のような平凡か頭がとてもよさそうな少年少女が数人いるばかりであった。落ちたらそれまでだしと気軽に受けた入試試験だが合格した。人のために行動をすることは苦にならないし喜んでくれるのを見ると苦労を忘れてしまう事があると自己PRしておいたのが聞いたのだろうか?姉関係の人間は嫌いだが、それ以外の人間が嬉しそうな顔をしてくれるとそれまでの苦労が気にならないのでポランティアに参加することもたびたびあったし、推薦状でも担当もそう書いてくれてくれたみたいで合格したのだろうと考察する
特殊条件という裏を説明したら面倒なことになりかねないので口に出さずに置いた。祖父母にも学校で雑務をすることを条件に特待生制度がある学校に合格したと説明した。まあ、間違いではないので問題ない
入学して学校生活に慣れるのに大変だったが、順調に進んでいる。私と契約してくれた人は教員の補佐的な仕事をしているので朝早く夜遅い生活をしているので掃除と洗濯・書類の作成を求められている。洗濯物はご主人様が帰宅された時にご自身の部屋に回収していくので洗い物を受け取り乾燥した洗濯物を入れる籠に入れて置けばいいだけだし掃除は1室のみなので特に苦にならない。一番大変なのは書類作成なのだが大体は打ち込みだけなので、詳細を書いた紙を受け取り提出期限までに作成してしまえばいい話。仕事に関しての時間を決定するのは私なので無理ない程度に余裕をもって行えばいい。慣れてしまえば時間配分がうまくできるようになるのであとは、ルーチンワークである
朝食を食べ終わったご主人様を送り出した後に食器を洗い片づけつつ昨日渡された洗濯物を洗濯・干す。干し終わったら決められた部屋を掃除したら大体の仕事は終わる。学校が終わった後に干せた洗濯物を畳んで回収籠に入れておく。あとは学業・自分の事を適当に済ませて書類作成をご主人様が返ってくるまで頑張ればいいだけの簡単?な仕事である
時折、ご主人が一夜限りの人を連れてくるのが洗濯いがいはノータッチで良いと言われているので特に問題ない。週末に学校の設備チェックとして中庭や運動場を確認して回るがちょうどいい散歩ルートとなるので気分転換にちょうどいい。問題がありそうなところを見つけたら連絡用に持たされた携帯で写真を撮って送信すればご主人様が運営に連絡してくれる手はずとなっている
ご主人様がお客様を連れだって珍しく早くご帰宅された。持て成さなくてもいいと言われたのでお呼びがかかるまで書類作成しながら待機する。どのくらいの時間がたったかわからないが提出書類が4枚程度できた時に声がかかったのでお茶とお茶請けを持って客間へ
配茶をしている私を興味津々に見ているお客様に疑問を持ちながら壁際に下がり待機する。何やら話しているご主人様とお客様。何やら決定したらしく頷きあった後にお客様の従者に合図したところ拘束されて出てきたのは姉。何故か一夜限りのお姉さんの制服を着ている
確か姉って有名私立に入ったんだよね?と思いつつも他校の生徒でも一夜限りのお姉さんにはなれるのでそれを利用したのだろうと勝手に納得した
「見ての通りうちの従者はきちんと留守番をしているのでこの娼婦とは無関係ですよ。たとえ血がつながっていたとしても、我が校にいる間は私が監督責任者としているので」ご主人様が私にかかっている容疑?を否定してくれている
さて、姉は何の問題を起こしたのだろうか?姉クラスの美人などこの学校には掃いて捨てるほどいる。特待生になれる人などものすごい美人か庇護欲をそそる人だからだ。従者枠は別としてだが。そんな人たちを日常的に見ている学生たちは目が肥えているのだろう。普通の美女になって靡かないがわかりきっているのでキャッツファイトが起こることなどない。凡人の私的には穏やかに過ごせる学校生活に満足しているのだが、そうじゃない人たちは一夜限りとかをして刹那的な関係を楽しんでいるらしい
「そうか。この子とは貴殿は関係ないということが分かった。それにしても君の従者は面白いな」と笑っているお客様と騒ごうとしている姉。暴れようとする姉を拘束している従者さんにお疲れ様と従者間のコミュニケーションとしてあらわしていると、仕事ですからとスタンダードに返答があった。
色々と詰める話があるからと言われて再び下がるように指示されたので書類作成を継続する。気が付いたらお客様はお泊りになられたようで朝日が昇っていた。
あちゃーっと思いつつ朝食をお客様分も用意しているとお客様とご主人様と疲れたような顔をして出てきた軽めのご飯を食べた後、今日は学校を休むように指示してご主人様とお客様が各自の寝室に戻って行った。片付けを終えて指示された通りに学校を休んで少し体を横にする
昼ごろにご飯を作るため動いていると匂いで出てきたご主人様とお客様。満足げにご飯を食べ終わった後にもう少し寝ていなさいと珍しく頭を撫でられて下がるように言われてしまった。寝不足の顔をしていたのだろうか?反省しながら待機室に戻り仮眠に入る
ググッと寝ていたのだろう。気が付いたら夕日が差し込んでいる部屋。食事の準備!!と慌てながら待機室から出ていく私を見て困った顔をしているご主人様
「もう少し寝ていなさい。これから大変だから」と差し出された水を飲んだ後、意識を失った
気が付くとセリ場でご主人様に肩を借りて寝ていた。起きたのに気が付いたご主人様が大丈夫か?と言いながら普通のお水をくれるが体がだるい。睡眠薬を飲んだ後のようなだるさ加減であるところを見ると先に飲まされたのは睡眠薬を溶かした水なんだろう。でも、どうして?疑問に思っていると
「ここに従者が意識を持って入れないからな簡単に意識を失わせるために薬を使っただけだ」
規則だから致し方がないけど説明してほしかったです。と胸の内で思いつつ緩慢な動きで頷いておく。それを確認した後にここに来た理由を教えてくれた
姉が問題を起こしたので今後管理する人間を募るためにセリ場を使ったらしい。なかなか引き取り手が出ないだろうが、公平性を出すためにだというが無駄なことだと思うとボロッと言ってしまうくらいには薬の効果が続いている私に笑いながら違いないと言っているご主人様
ちなみに両親はこの責任をとるものとしては適さないとされたので無理だそうな。お前は良い子なのになと不思議そうに言っているがそれはそうだろう
「叱るべきするところを叱らず。躾けないといけない常識を放置して可愛がるだけの両親でしたから姉の場合は。私は基本的にすべて放置されていましたが常識人が周りにいて両親が足りないところを補ってくれたので普通の基準でいられたのですよ。そう考えれば姉はかわいそうな人かもしれませんが」呂律が危ない感じで私の話を聞きながらそんなもんかと納得しているようだ
「さて、どんな感じになるかな」と言いながら特に楽しみにしているような感じではないご主人様を見ながらぼんやりと姉が最低価格で競り落とされるのを見ていたが、押し付け合いを見ながらどれだけ嫌われているのだろうと思ってしまう
それでも責任者がちゃんとついて育て直しをしてもらえる姉的には大変だけど姉のためになるのだから頑張って欲しいとふらついた体を支えられながら退出する




