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  作者: 桃花
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契約獣

召喚獣視点からの話。マジ短いです

暖かい布団の中で違和感を覚えて目を覚ました

いつもならマスターが抱き締めて寝てくれているが今はそれはない。今頃可愛い彼女を抱いているのだろうと思うと寂しく思う。

薄く絹糸のような細い私とマスターとの絆は既に切れてしまっている。そばにいても苦しくなるだけだから。

そう思い契約破棄とも受け止められるかもしれないがこの場をあとにする

マスターと契約を結んだのは私が魔力を吸収するが還元率が悪い召喚獣として落ちこぼれと言われていた頃

マスターは魔力を生成する量が多すぎて体が耐えきれなくなっていた時だ。出来損ないと処分されかけていた私に魔力をくれて少しの量しか還元できない私をそれでも良いと笑ってくれたマスター。体が丈夫になって私を必要で無くなったのに契約を継続してくれた。

私がいなければ契約できた魔獣が沢山いたはずなのにそれでも私と契約を継続し続けてくれた。私が居るからと私が成長するのを待ってくれた。自分がした方が早い筈なのに待ってくれた大好きなマスター

その優しいマスターが新しく可愛い彼女(契約獣)を見つけることなど覚悟していた筈なのに寂しいと思うのは私が甘えていたのだろう。

彼女と幸せになれば良いと思いながらお気に入りの海が見える高台に舞い降りる

与えられた場所からここに移動する。魔術を施行するのにかなりの力を使う私としては、部屋に有った魔力と自分に残ったマスターの魔力を全て使ってギリギリの量しかない

普通なら移動魔法など簡単な部類に入る魔術なのだから部屋に残っているのを使っているように偽装してから移動してもかなりの量が残っている筈なのに。

本当にポンコツだなぁ。自分に呆れつつ魔力切れでふらつく体を近くの木に預けて海を見つめる

内陸生まれの筈なのに海を見ると落ち着くのは前世が海沿い生まれだからだろうか?

前世の知識などなかったが海に癒されるのはその名残だと言われても納得いかないが、まあ。

死に際には見たいと思う程度の思い入れがあるから仕方がない。

海を見ながら穏やかな気持ちになりながら大切なマスターとの楽しい思い出を走馬灯のようにリプレイする

初めて魔力が体に見会うようになって庭を駆け回るマスター

私に微笑みかけて一緒に行こう。って言ってくれた時の笑顔

友達に私を馬鹿にされた。と悔しそうに顔を歪めているマスター

私が魔術を施行できるようになったときに喜んでくれた時の顔とか

マスター

マスター。いつも一緒に居てくれてありがとうございます。苦しいときも有ったけど楽しかったし嬉しかった。

最後は裏切るように居なくなってごめんなさい。彼女と一緒に嬉しそうなマスターを見ていられなかった。一緒に居られなかったの。

最後は寂しかったけどお釣りが来るくらい楽しい時間をありがとうございます。今までのことに感謝しながら意識が切れる。


海が見下ろせる高台にある大樹に寄りかかるようにしていた少女は姿を消し後には猫が事切れている

風が猫の毛を撫でるよう吹いたあと猫の姿も消えなにもなくなった

大樹の根本には契約獣が死した後に残す玉が残っていた


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