第肆拾捌話 興味
記念すべき50個目です。
これも書いてたけどすっかりすっぺり忘れて送信ボックスの藻屑にしかけてました。
やばいね!!
並び歩いていると、高杉がふと立ち止まった為、俺も立ち止まる。
「此処だぜ、『世界怪奇展』とかいうふざけた催しの警備をいろはに頼んだ美術館は。」
そう言われ、高杉の見ている方向へ顔を向けるとそこには巨大な洋館作りの建物。
悪鬼が増え、各藩の体制が整ったのとほぼ同時期。日本は海外との交易を実質解禁した。
それは、悪鬼に対抗しうる武器を輸入し、外交によって国の利益を上げる為であったが、他国に門戸を開いたことにより日本は大きく変わった。様々な文化、今まででは考えられなかったような技術。煉瓦造りの建物もその一つで、俺は美術館と呼ばれるそれをジッと見た。
井の中の蛙と言うのは、きっとああいうことを言うのだろう。と数年前までのことを考え感慨に耽っていると、高杉が他の隊士に解散を伝えているのに気付いた。
「館長は政界にも顔の利く成金商人だ。裏で何してるかわからねぇ焦臭ェ奴でな。」
そう言うと高杉は歩き出した。
俺もそれに続く。どうやら美術館の周りを一週するらしい。
「今日は下見だ。世界怪奇展だなんて、酒呑童子騒ぎが起こったばっかだってのに不自然だからな。」
にっと笑う高杉は好戦的な表情をしていて、俺は思わず溜め息をはいた。
「あっそ。」
胡散臭い。というのはわかるが、人間誰しも裏があるものだ。
高杉は恐らく、今回の仕事を面白がっているだけだろうと俺はもう一度短く溜息を吐き高杉を放置して先々歩く。興味のない俺は早く帰って寝たい。
と、美術館の裏にまわった所で何やら作業をしているのが見えた。
馬車の荷台から木箱やら調度品やらを下ろしているようだ。
「あれが今回俺達の警備する展示品だろうな。」
高杉が立ち止まった俺の横に並び、呟く。
札の貼られた壺、よくわからない木箱。
一見胡散臭いだけの品々だが、よく見るといくつか見覚えのあるものがある。
あの倉庫にあった物と、そして......
俺は、目を細め再び歩き出した。
荷馬車の横を素通りして、また美術館の角を曲がる。
高杉も俺について歩く。
やがて一周して元の場所に帰って来ると俺は振り向いて高杉を見た。
「高杉さん。」
「ん?」
「……帰ります。」
「は?ちょ、俺が勝手に下見に行ったことチクんなよ!?」
高杉の言葉が終わる前に俺は踵を返して屯所とは逆の方向へと歩き出した。
興味がないと言ったが前言撤回だ。
今は興味しかない。




