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『明け』の明星(神代篇)  作者: どうしてリンコは赤いの?
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オープンキャンパス

〈オープンキャンパス〉6月20日日曜日

【カズ】

「オープンキャンパス?」

【カズ】

「確か講義館で受付していたみたいだけど」

【???】

「ど、どうもすいませんッ!」

【カズ】

「………」

【カズ】

「……はは、久しぶりに意識を向けられたと思ったらあわてんぼうの受験生だったか」

【カズ】

「こりゃ青空もタマもうかうかしてられないな。引っ切り無しに押し寄せる」

【カズ】

「ても……思い通りにいかないんだよ。あいつらを相手にすると」

【カズ】

「何が起きてもバイオリズムを乱すことなく、当たり前のように現実処理を行う」

【カズ】

「タイムマシーンは使えなくとも、時間を操れるんじゃないかと思ってるぞ自分は」

【カズ】

「じゃなきゃ絶対的に納得がいかんッ!自分は断固としてその現実を認めんッ!」

【カズ】

「不規則の中に実は規則あり?乱数かどうとか言ってたっけ……」

【カズ】

「組み直したのは今の最高責任者だろ。それなのに」

【カズ】

「どうしてタマは欺けたんだ?」

【カズ】

「どうして青空は裏神代に行けたんだ?」

【カズ】

「知ろうにも、青空は自粛ムードに従って姿を晦ましてるし、タマは語り合おうと思ったらいきなり寝るとか言い出す。訊くに聴けなかった」

【カズ】

「やめだな。自分が拒否してる」

【カズ】

「何より知らない方がいい。変化はリスクを伴う」

【カズ】

「………」

【カズ】

「こういう心理状態はいつ以来だったかな。また蝕みにやってきたか」

【カズ】

「でも心配は要らない。自分のことは自分が一番解ってる」

【カズ】

「自分は弱いんだ」

【カズ】

「努力すれば努力するほど結果を求めてしまうし、不結果の反動だって計り知れない。何を仕出かすか自分にもわからないんだ」

【カズ】

「くっくっくっ。そういう事情があって、どんな現実も受け入れられる強い心を持ちたいとは一度も思ったことがなくてね。今は良い距離間を保ててるから幸せかな♪」

【???】

「え?な、なにッ!」

【カズ】

「うげッ!ま、またやっちまったか――ッ!?」


【サヤ】

「ひょっとして、既に壊れてる?目の前に千載一遇のチャンスがあって、それを棒に振るなんてさ……」


【カズ】

「壊れちゃいねぇよ。まぁ精神的自滅願望はあるがな。気だってまだしっかり持ててる」

【カズ】

「………」

【カズ】

「いや。そこは……自滅じゃねぇ。道連れでもねぇッ!問題なのは正常と異常の境界線を引かなかったことだ」

【カズ】

「何が正常で、何が異常かは当然各々の価値観で決まる。簡単に言えや、自分で境界線を引けと伝えたいんだろ~?」

【カズ】

「でも心配は要らない。自分のことは自分が一番解ってる」

【カズ】

「さぁ、レポートレポート♪」

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