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『明け』の明星(神代篇)  作者: どうしてリンコは赤いの?
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”神童巫太郎”

〈”神童巫太郎”〉5月28日金曜日

【カズ】

「……よし。何とか落ち着いたな」

レポートを出し終え、束の間の満足に浸る。

【カズ】

「………」

【カズ】

「氷解させられるかさせられないかじゃねぇ。やるしかねぇんだ」


【タマ】

「……神代も現代もさ、それぞれ決められたルールがあって、それを統治する最高機関の答えはどんな苦渋の決断を下したとしても正当化される確率が一番高い」

【タマ】

「……無視できない魅力だよ。自己犠牲を厭わない外部から喧嘩を売ろうとする劣等連中には思い付かない発想だ。優等ならそこに遣り甲斐を見い出す」

【タマ】

「……恐らくそれが、ソラの描いてる筋書きだ」


【カズ】

「………」


【ソラ】

「現実が”ヒーロー”は創らせないルールを採用してることに、もっと感謝すべきだと言ってるの。何かは有るんだからそれを上回る利用方法を常に考えなきゃ」

【ソラ】

「所詮、何かで紛らわせてる連中には理解できないよ。というよりしなくていい。時間の無駄」

【ソラ】

「本当のプロはね、プランに無いことはしない。新たに行動を起こすことは破滅に直結するから」

【ソラ】

「私達以外なら退くべき」


【カズ】

「わからない……」

【カズ】

「青空が、どんなやり方で自分の存在意義を神代に示そうとしてるのか……」

【カズ】

「それが何なのかさえ……」

【カズ】

「タマだって同様に……」

【カズ】

「自分という主人公は……まったく、どうしてこんな劣等なんだか」

【カズ】

「可愛げが無くて困っちまう」

【カズ】

「……恐らく、この食い違いは意図的なんだろうな。何らかの狙いがあってのことだと思う」

【カズ】

「ん?待てよ。そういえば……」

【カズ】

「ちょっくら本腰入れて思い出してみっか」

【カズ】

「”神童巫太郎”を」

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