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『明け』の明星(神代篇)  作者: どうしてリンコは赤いの?
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主人公は青空報道同好会

〈主人公は青空報道同好会〉5月22日土曜日

知る。

行う。

言う。

今回のテーマとして、この三大欲求を今一度見直してみる。

本題へ入る前に、全ての現象には全て理由がある。引き換えが絶対的条件と仮定する。

何のために知るんだろうか?

何のために行うんだろうか?

何のために言うんだろうか?

まず一つ目に挙げた”知る”ということは、未来への自分のための布石であり、それでいて、安心感も与えてくれる極めて頼りやすい誘惑の一つといえる。

何かを行うにあたり、前もって知識を蓄えておきたいと思うのは、前途の環境の有無に関わらず、必然の選択だ。

なぜなら、どんな社会が待っているか解らなかったとしても、誰かにアドバイスを受けたとしても、とりあえず知っとくべきだろうと、誰しもが安易に決定付けるからである。

誰だって安心感を得たいもの。

それは現代に限らず、最善の生き方であると自分も思う。

しかしながら、性として、知らない方がいい場合もある。

主人公だけではなく、全ての出逢いが一期一会。自ら知るべきではないのだ。

自ら求めなくても、生きられていれば嫌でも知ることになるのだから。

それまで待ち続け、はじめて知った時の感覚はまるで、過去の自分を彷彿させるかの様で、どこか失った中での懐かしさが込み上げてくる。

すなわち、知りたいことだけを、追い求めるだけでいい。

無理して、あれもこれも知ってしまっては、本来の意味を見失ってしまう。

毎日は同じ繰り返し。飽きたら手を挙げて示そう。

ただし無知と言われ続けても、何も感じることなく、常に一定のバイオリズムを保てる主人公に限る。

例えば今現在、世間を意のままに振り回している、最低限以上の知識と絡みを嫌う誰かのようでなければ、その領域には決して辿り着けないからである。

次に、二つ目に挙げた”行う”を考察してみる。

行うとは――

………。

どうやら、この存在の中には対が潜んでるようだ。

0か100。

つまりは敗北か勝利。

………。

偏見は認める。

次に進む。

行うは分岐点。

結果次第で、バイオリズムを崩しかねない危険な行為。

そこに努力が重なれば尚のこと、リスクが高まる。

事前に敗北の現実も想定し、自分を説得させておかないと取り返しがつかなくなるケースもしばしば。

我慢できるのも良くない。

不結果が招く開き直りも良くない。

肝要なのは、自分が行うことに結果を求めてはいけないということ。

はじめからである。

行いたい。

行わなきゃいけない。

行うんだから結果が欲しい。

どの状況下に置いても、自分の存在意義を優先的に把握し、やれるだけやる。

そこに結果や感情は要らない。

今日の自分の存在意義を全うすることだけを考えるべきである。

それはどこか、心の持たないロボットのようで、面白みも何もないかもしれないが、少なくとも自分が壊れることはなくなるのだ。

残りの一つ。

”言う”

よく神生経験(歳を)重ねると、言えないことは無くなると冗談交じりで本音を漏らしてくれるが、それは聞けないことも無いの裏返しに思える。

他に何かを言う。それはすごく勇気のいること。

最悪、他の存在意義を否定しかねない。

デリケートな問題だけに、慎重な選択が求められるといえよう。

ちなみに、最低限に留めておきたい場合、定期的に環境を変えることを強く勧める。

付け加えでもう一つ。

”言う”に”求める”を足してみる。

”言いたい”

けれど言えない。

それは誰にだってある。

何かが邪魔をして、窮屈な生活を強いられるのが世の中のルール。

そのストレスを溜めに溜め込んだまま死を遂げる主人公も数知れず。

一方では、妥協して、受け入れる主人公も少なくない。

妥協とは、解っていながら自ら下りることである。

解らない。もしくは知らない状態での使い方は不適切といえる。

ここで今一度、考えてもらいたい。

それでいいのか。

本当はよくない。

なぜなら、どんな主張を並べてこようと、何の理由にもならないのは明白だと、自分自身が一番よく解ってるからだ。

自分に嘘をついてまで、他の何かを護ろうとする無数の同情表現の繰り返しは、いずれ自滅を招く危険性を秘めている。

言わない。

やらない。

それは全て、その程度の覚悟しか持てていなかった証拠なのだから。

本当は言いたい。

本当はやりたい。

と本気で思うなら、結果には拘らず、必ず言動で示す。

つまり、言いたいという立場であるなら、言わないまま終わりを迎えてはならないということだ。

それは宛ら、恋愛が一番合致していて――したら想いを伝えずにはいられない、性のようで……。

後押しはいくらでもある。

従って自分は、この先も優等にはならないだろう。例えなったとしても、劣等を演じ続ける。

弘法が筆を誤るより、下手の横好きの方がよっぽど――

【ソラ】

「何してんの?こんなところで」

【カズ】

「……何だ、お前か。神代をどう滅ぼうか考えてたんだ」

【ソラ】

「学習センターで?場違いだけど力貸すぜッ!」

【カズ】

「いや、ただのレポート課題だから」

【ソラ】

「脅しが利いたみたいだね」

【カズ】

「そういや、クリスマスの日にゃよくお前とぼやいてたっけか」

【カズ】

「地球滅びねぇかなぁって。懐かしくね?」

【ソラ】

「とりあえず、吐露する相手が違うよね」

【カズ】

「……まだそんなこといってんのか」

【ソラ】

「マジ?」

【カズ】

「なわけあるかい」

【カズ】

「書き写しは滞りなく完了した。後は提出するのみよ」

【ソラ】

「盗作け?」

【カズ】

「違うわい」

【ソラ】

「読み直ししてたんだ」

【カズ】

「………」

【ソラ】

「あッ!やばッ!急用を思い――」

【カズ】

「待て青空。逃がしはせん」

【カズ】

「講義や宿題といい、タマのボディガードといい、お前さ……」

【カズ】

「はっきり言って、サークル活動を怠ってるよな?」

【ソラ】

「全く」

【カズ】

「活動する時間がねぇだろうがッ!そろそろ部員にも活動させろや」

【ソラ】

「余計なお世話だよ」

【カズ】

「なん……だと?」

【ソラ】

「怒った?」

【ソラ】

「あれほどお手伝いはいらないって釘を刺したはずだよね?巫女ちゃんは一度に一つのことしかできないんだから、その一つが何なのか考え、成し遂げよ」

【カズ】

「けっ。話はそれからってことですかい。ブチョー」

【ソラ】

「ブインには今は頼らないってこと。要は青空報道同好会が活動してりゃいいんだから♪主人公は青空報道同好会なんだよ♪」

【カズ】

「今は……か。ったく、お前の擬神法は無視できん」

【ソラ】

「んにゃ?それって褒め言葉♪」

【カズ】

「急用を思い出したんじゃなかったのか?」

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