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『明け』の明星(神代篇)  作者: どうしてリンコは赤いの?
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ちょっかい

〈ちょっかい〉5月18日火曜日

ダメだ。

日付が変わっても書けそうにない。

そういう時はペンを取らない方がいい。

かといって、訪れを待ってるだけじゃ何も起きやしない。

次に進む為には散策や旅に限る。

でも今は、ネタ探しの時じゃない。

今一度、身辺を振り返る必要があるようだ。

まず第一に、心配する気持ちと期待する気持ちとの葛藤が自分の判断を鈍らせていること。

近くにいたい。

現実をみたい。

それならそうと、素直に伝えれば済むだけのこと。

そんな簡単な話ではない。

だからといって妬みとはちょっと違う。

ちょっかいだ。

【カズ】

「答えは出たぢゃん。何かあっけないなぁ……」

【カズ】

「………」

【カズ】

「なぁ青空。お前なら知ってるよな?」

【カズ】

「自分は根っからのでこ坊。永遠の子供ガキだった」

これから毎日、青空とタマ、それぞれ最低1回は逢うことをノルマと課す。

お前らが、自分に齎してくれた生きているという心地は嘘じゃない。

嘘じゃないんだ。

お前らを護れなかったら、今度こそ現代へと旅立つことにする。

今思えば、どれぐらいの月日を重ねたんだろうか……。

それにしても長かった。

気長に生きていれば、いつかは乾坤一擲の勝負ができると信じて疑わなかった。

コンティニューしようか。


【タマ】

「……それで、今日の質問は?一時的な感情が引き金になって闇雲にこられても追い返されるだけだと――」

【カズ】

「お前のそばにいていいか?」

【タマ】

「………」

【タマ】

「……お前がソラを信じなくてどうする。考え直しだな」

【カズ】

「どこが?青空と日替わりなんだけど」

【カズ】

「約束する。何が何でも了承を得る。お前らを、自分の監視下に置かせる」

【カズ】

「……蚊帳の外はイヤだ」

【タマ】

「………」

【タマ】

「……なぁカズ。一つ、変な質問をしてもいいか?」

【タマ】

「……テロリズムを正当化したいと思ったら、何をすべきだと考える?」

【カズ】

「え?」

【タマ】

「……最高責任者を目指す選択をするよな」

【カズ】

「………」

【カズ】

「タマお前。ま、まさか……ッ!?」

【タマ】

「……神代も現代もさ、それぞれ決められたルールがあって、それを統治する最高機関の答えはどんな苦渋の決断を下したとしても正当化される確率が一番高い」

【タマ】

「……無視できない魅力だよ。自己犠牲を厭わない外部から喧嘩を売ろうとする劣等連中には思い付かない発想だ。優等ならそこに遣り甲斐を見い出す」

【タマ】

「……恐らくそれが、ソラの描いてる筋書きだ」

【カズ】

「………」

【カズ】

「……へへっ、恐らくだって?お前らしくもない。駆け引きは通用しないんじゃなかったのか」

【タマ】

「……あたしならそうする」

その付け足しは思いっきり蛇足だ。

【カズ】

「ッ!?」


【担当教授】

「『明け』の明星になるには、必ずある壁が行く手を阻む」


【カズ】

「………」

何故なんだろう、担当教授の言葉がこのタイミングで過った。

【カズ】

「(それがどうした。どうしたというんだ自分)」

【カズ】

「(優先順位の曖昧さが前途に何を見ていると言うんだ……)」

【タマ】

「……成ってしまえば後は、旨く取り繕って意のままに操るだけ。でもそんなことどうでもいい。誰だろうと、どんな事だろうと、他の本気の信念を否定したりはしない」

【タマ】

「……ソラが、この先にどんな仕掛けを張り巡らせてるかは知らないけど、少なくともあたしを越えなければ目的は成し得ない」

【カズ】

「………」

【カズ】

「始まって、るんだな……?」

【タマ】

「……くっくっくっ、生きてる心地。ぞくぞくするよ」

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