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拓海の回想とある本との出会い

圭太から革命家見たいと言われたことが忘れられない拓海。帰りの電車の中でもそのことは拓海の頭をぐるぐる回るのであった。そして、拓海は書店でひときわ目を引く本と出会うのであった。

 拓海はその日の夕方に電車に乗った。

 拓海は圭太から言われた「革命家」という言葉が忘れられずにいた。そして自分が圭太にした告白も、頭に中に居座っていた。

 扉が開くと、待っていた客が静かに車内へと入っていった。拓海はその客の列についていった。

 電車に乗ってみると、座る場所がなく、拓海は7人掛けの客席シートの側面によりかかった。

 西からの日差しがに窓から差し込んでいた。女子高生が楽しそうに話しをし、四〇代くらいの男が、突っ伏していた。ほかの乗客も同様だった。拓海は、乗客一人一人に目を向けていったが、これといった確かなものはどこにも認められなかった。

 拓海は、ぼんやりと自分の運命と革命家という言葉を思い浮かべた。

 自分には革命家の素質がある、そんな特質に自ら魅せられる。けれどもやがて革命家の影が沁みついて取れなくなり、それ自身が拓海の主要な性格の基調をなす。そんな想像を拓海はしていた・・・

 電車から見える景色が、都会からどんどん特徴のない建物へと変わっていった。

 それに伴い、拓海は溶けていき、この夕陽が包み込む絵画の一部となっていった。

 次第に景色は見慣れた景色に変わっていった。拓海の最寄り駅である。

 電車の扉が開くと、拓海は駅のホームに出た。すっかり日の光は地平線に隠れようとしていた。

 拓海はなじみのある駅の雰囲気に少しほっとした。それは、都心ほど人で埋め尽くされているわけでもなく、閑散とした特徴が見いだせない場所でもなく、ちょうどいい人通りとにぎやかさがある街だった。

 拓海は革命家という言葉を忘れることにした。いつもどおりの帰り道が待っているのだ、何を恐れる必要がある、そう拓海は思った。


 拓海は大型の書店に寄っていた。その書店には何か面白い本がないか、気になる本がないか、そう期待してその日も訪れたのだった。

 書店のフェアコーナーには、出版社が売り出したい本がこれでもかと平積みされていた。「地頭力を鍛える30のトレーニング」「大富豪の教え」「一流コンサルが一年目に教わること」そういった俗物的な書籍が、入り口の平台を占領していた。それでも中にはより重厚な主題を取り扱う本も見え隠れした。

 しかし、拓海の目を引いたのはそれらの全ての本と性質を異にするものだった。その本は歴史コーナーにある一冊だった。それは偶然 拓海の目に留まった。その本のタイトルは、


 ―21世紀とは何か その本質的特徴と帰結


 だった。


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