第22話 安田記念
第76回農林水産省賞典安田記念(GⅠ)府中1600M(稍重)
1 スノーフェスタ C.ルメイラ
2 アーノルドシンボリ 河和田裕太
3 ラバンダタイム 合田かのん
4 グランプリキング K.ミュラー
5 ノエルドワール 武勇
6 ワイルドナイツ M.コロイン
7※ビクターイェア 山本幹太
8 ミュージアムロング 祭田極方
9 イッツクレイジー 桜木建二
10 ワイドネイチャ 吉田直樹
11 グロリアドーロ 近藤流星
12 カフェフィガロ H.マスケ
13 ドゥラストーレス R.メーア
14 ノーストップデイ 吉田理人
※7番ビクターイェアは北海道所属。京王杯スプリングCで1着になり出走権を獲得。
近藤はパドックに向かう前に河田に一言
「今日は意外かもしれません、失敗したらすみませんが」
河田はいまいちその意味がわからなかったが「わかりました、グロリアをお願いします」といって一礼、そして河田は関係者席の方へと向かった。
《GⅠ馬が5頭、重賞馬が11頭参戦しました今年の安田記念GⅠです。伝統の府中コースワンターンマイルで「地方の維持を背負うもの」「王者のプライドを背負うもの」「チャレンジャーの根性を背負うもの」たちの中から上半期マイル王者が決定します!》
河田は控えで近藤に言われたことを胸に留めながら出走馬の最後の整理をしていた。
「総勢14頭の参戦で、地方からやってきたビクターイェアはホッカイドウ所属で弥生賞3着、NHKマイル4着と実績がある..と、京王杯スプリングCで一着になり出走権を手にしたやつか」
河田は登録表が出たときからずっと疑問に思っていることがあった。
なぜ出てきたのかわからない存在が1頭いる。その名も「カフェフィガロ」
こいつはダート馬だ。
もう一度繰り返す
ダート馬だ。
フェブラリーSを2連覇、その他もマイルCS南部杯、JDCジャパンダートダービを制覇、しかもそのうち2戦はどちらも従来のレコードを0.3秒や南部杯に関しては1.6秒も更新する怪物っぷり。
そんな馬がなぜ安田記念に.......いくらダートで活躍してるからって。
そんなことをもんもんと考えているといつの間にかファンファーレは終わりゲート入りが始まっていた。
「やっべぇ!」
河田は急いで双眼鏡でグロリアのいる向正面ゲート方向を見る。
《最後に大外ノーストップデイ収まって..........スタートしました!》
グロリアのスタートはまずまずといったところ、しかしあいつグロリアドーロはキックバック大丈夫だったけなぁ......
キックバックとは前を走る馬が蹴り上げた土や泥が顔にかかりやる気が下がったりましてや鞍上の指示に従わなくなることもあること。
《先頭はノーストップデイ快調に2馬身三馬身飛ばしていきます、その後ろにつけるのはスノーフェスタ外からすぅーっと.....》
その時河田は目を見開いた
《なんとグロリアドーロ鞍上近藤流星なんと押して押して外目につけました!前から2番手あたり前目を走っていますグロリアドーロ!》
なんとグロリアドーロが前を走っているではないか!近藤が言っていたのはこういうことか
近藤はグロリアがキックバックを嫌うことを知っていてわざと外目を走らせて前に誰もいない状況を作り気持ちよく走らせているのだ、雨で芝がベチョベチョで終始外を回ってもグロリアのスタミナなら持つって計算だ。
「すげぇな近藤さんは」
河田がそう呟いた瞬間馬群は3コーナーへと入っていった。




