第10話 マル外参戦
都内のある大会議室を貸し切って行われていたのは世界を股にかける大馬主「コーフィールドクラブ」の会長による重大会見だった。
「The reason we have gathered the Japanese press here is to inform you that we will be entering our horse, Celtic Skeleton&Doodoo Doona, in the Emperor's Cup (Autumn).」(日本のプレスに集まってもらったのは私達の所有する「セルティックスケルトン」と「ドゥードゥードゥナ」を天皇賞(秋)に出走させることをお伝えするためです。)
会長のラフィアンゴードンがそういった瞬間室内からはどよめきが起こった。
続けて「The Emperor's Cup (Autumn) will be used as a prelude to the Japan Cup, and the jockey will be ridden by C. Lemaila as usual.」(天皇賞・秋をステップにジャパンカップへと出走します。そして鞍上にはいつもどおりのC.ルメイラを起用します。)
すると記者から一つが質問が飛び交った。
「日本の二冠馬ヴァヴェガやバックドラフトも出走しますがそのへんは?」
すぐに通訳が訳す。
「It will be a tough fight, but for a horse, fighting in an unfamiliar place against an unfamiliar opponent will help it grow greatly.
I want to fight with all my might, without holding back, and with respect.」
(やはり厳しい戦いになるでしょう、しかし馬にとって未知の場所での未知の相手との戦いは大きく成長させます。
全力で手を抜かず敬意を持って戦わせてもらいたいです。)
河田と堀井はこの会見を二人でみていた。
「やっぱり来るみたいですね、しかもセルティックの方も」
セルティックスケルトンは去年デビューしここまで全部複勝圏内、主な勝鞍は凱旋門賞.コックスプレート.BCクラシックで強烈な末脚が特徴の牡馬。
ドゥードゥードゥナは去年までスプリントでくすぶっていたが年末の香港ヴァーズで覚醒を果たすと破竹の勢いでGⅠ3連勝中だ、特徴はA.シュタルク騎手との極端なペースオブチェンジで撹乱させ押し切る新手の横綱相撲が特徴だ。
「ヴァヴェガ、セルティック、ドゥードゥー、バックドラフト......バケモンしかいねぇな今年は」
堀井は呟くと河田に一言
「ほんとに出走させるんだな」
河田は頷くと「あいつには少なくとも掲示板に入る能力があります、それも5着ではなく3や2,ましてや1着だって十分にありえます。」と言う
堀井は「なぜそう言い切れる」と聞き返すと
「私の勘です、あいつはとんでもないポテンシャルを秘めています。13番人気のダービー激走、しかも一度は先頭にたち差し替えされてももう一度盛り返す勢いを見せつけてくれました。」
堀井はため息を付くと
「分かった、登録しよう。ただしコレ賞金はしっかりとぶんどってこいよ」
河田は「わかりました!」というと部屋から出ていった。
4日前最終追い切り、併せ馬の芝コースでゴール前200㍍で抜け出し相手の猛追にも怯まず最後は2馬身差でゴール
「これなら行けるかもしれん!!」
陣営の胸は一気に最高潮にまでなり夜が明け朝を迎える。




