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中一級長だったときの話(野外教育活動)

 晴れて中学一年生になった私は、その最初の中学校生活で「級長」になった。

 級長とは、おそらく「学()()」の略だろう。級長は、クラスをまとめるような人物だ。

 僕が進学したA中学校は、A小学校とB小学校の児童が通う。大人の事情によって、A小学校を卒業した児童の方が多く通う。

 そこで級長になった。ここで級長になったせいで、大変な日々の中を進むことになるのだ。


 級長の最初の大仕事は、体育祭である。といっても、やることと言えば、意気込みを書いて、クラス代表として少し動くだけである。クラス対抗の体育祭での一年生の大きな目標と言えば、「他のクラスに勝つ」くらい。何としてもほかのクラスに勝たないといけない。あの時は、プレッシャーがひどかった。


 結局、体育祭では、各学級の中で、我がクラスは最下位だった。(A中は比較的小規模な学校だった)その日は、「もっと士気を高めるような表現を使った方が良かったのだろうか」とか、「結局自主性も大切なのではないか」とか、様々なことを考えてしまい、少し鬱になっていた。


 次の大仕事は、「野外教育活動」である。三日間、隣の県に、泊りがけで行く宿泊学習で、1年生だけが行う行事としては最大のものだ。それも、小学校までとは違い、出し物の内容やルールの制定など、様々なことを自分たちで決める。これが、当時の私にとっては、とても楽しかった。

 「活動用のリュックには何をもっていくべきか」、「どこまで具体的に表記するか」、「服装はどうするべきか」…。決めることは山積みだ。一つ一つ、他のクラスの級長をはじめとした実行委員たちで話し合った。

 例えば、「どこまで具体的に表記するか」ということについて。野外教育活動では、日常生活と勝手が違うところもあるが、当たり前の部分もある。「勝手な行動をしない」だったり「迷惑をかけない」、「道具を大切にする」などというのは、学校生活でも同じだ。しかし、「それを書かないと分からない人がいるのではないか」、「いやそこまでしなくても良いだろう」、「いやいや注意喚起として載せるべきだ」などなど、様々な意見が飛び交った。結局は「載せる」で決着した。


 なんだかんだあったが、無事当日を迎えた。そこで私は、「あること」を忘れていたことに気が付いた。

 野外教育活動では、いわゆる「少年自然の家」のような施設(私が行ったのはそのような場所ではないが、便宜上このように記す)に行き、入るときに、「入園式」を行う。私はその「入園式」で、施設の管理人さんへの言葉を言う役目だったのだが、考え忘れていたのだ。

 結局どうしたかというと、道中の観光バスの車内で考えた。バスで隣に座っていた人(実行委員ではないが、よき友人である)に「めっちゃやべぇじゃんそれ」と嘲笑されながら、一緒に考えた。まあ、バスの車内で、たかだか三十分で考えた言葉、それほど凝ったものではなく、最終的には次のような、ありふれた、淡白な言葉になってしまった。


 「A中学校から来ました。三日間を通して、自然や仲間の大切さについて考えたいと思います。三日間、よろしくお願いします」


 今思えば随分とひどい文章だが、バス車内ではこれでもいい方だと思っていた。



 この時私は、生徒会役員選挙に立候補していた。だから、やらなければいけないことが多く、大変だった。言葉を考え忘れていたのも、来る選挙の演説の内容を考えていたためだ。選挙の時の出来事については、次の機会に著す。

 野外教育活動でお世話になった施設に深く感謝します。

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