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誰かに君を取られるぐらいなら俺は、君を何処かへ連れ去ろうと思う!

作者: 七瀬








俺はどうしても好きで好きでどうしようもない女性と出会ってしまった!

バカみたいな話だが、本当の話だ!

毎日寝ても冷めても彼女の事ばかり俺は考える。

だから一層の事! “彼女を攫ってどこか違う国で一から彼女と暮らそうと

俺は心に決めたのだ!”




・・・でも? そんな事が後で、“自分勝手な事だと俺は思い知らされる!”





【キャー――――アアア!!!】


『静かに! 何も君に危害を加えない! だから少しだけ静かにしてくれ!』

『なんでこんな事をするの? 私が貴方に何かした?』

『“したよ、俺は君に恋をした!”』

『“これは、れっきとした誘拐よ! 今、貴方は犯罪を犯してるのよ!

今ならまだ間に合うわ! 私を自由にして!”』

『ダメだ! 今から君は俺とある国に一緒に行くんだよ。』

『・・・一体、貴方は何を考えてるの? どうして私なのよ! 他にも

女性ならたくさんいるじゃない!  なんでよりによって私が、』

『“俺が君を選んだからだよ。”』

『・・・・・・』







俺はある国で、彼女と一緒に一から生活する準備を整えていた。

この国なら、何不自由なく彼女も幸せに暮らせると思ったからだ!




『・・・ココは?』

『○○という国だよ、名前ぐらいは聞いたことあるだろう?』

『・・・ううん、まあ、名前ぐらいなら知ってるけど、』

『今日からココで! 俺と君とで一緒に暮らすんだ。』

『えぇ!?』

『“幸せになろうな!”』

『バカ言わないでよ! 私を元の所へ返して!』

『“ダメだ! 1度この国に来たら? 10年は出れない事になっている!”』

『でも? 何度か貴方はこの国に来てるのよね?』

『俺は元々、この国の出身者なんだ! だから俺は自由にこの国に行き来できる

んだよ、でも君はダメ!』

『・・・そ、そんな、』

『俺は君と一緒に居たいんだ!』

『“こんな誘拐みたいな事してでも、私と一緒に暮らしたいの?”』

『ごめんよ、確かに君の気持ちも聞かずに勝手に連れて来てしまった事は

謝るよ、でも? これぐらいしないと君はココに俺と来なかっただろう?』

『・・・そ、それは、そうかもしれないけど、』

『俺も自分勝手な事だとよく分かってる! 君を傷つけている事も理解して

いるんだ! それでも俺と一緒に居てほしい!』

『・・・だ、だからなんで私なの?』

『前にも言っただろう、俺は君を見つけて自分で選んだんだ!』

『・・・お、お願い、私を家に返して!』

『ダメだ! ココに10年は俺と一緒に居てもらうよ。』

『・・・・・・』







・・・君はココに来た日から随分と長い間、一人で泣いていたね。

そりゃそうだよなと俺も反省していた。

君に“誘拐”と言われて俺も我に返ったんだ!

俺もできる事なら、今すぐにでも君を家に返してあげたいと思っているが、

本当にこの国では、“初めて来た人間は、10年間はこの国から出れ

ない事になっている!”

それを破ると? “この国の法律で裁かれ、死刑となるんだ!”

俺は君に死んでほしくない!

だから毎日君に優しく接するようにしてるんだよ。





・・・でもある時、君は泣かなくなった!

俺は少しホッとしていたんだけど? 君はこの国から脱出する方法を考えて

いたんだ!

俺はそれを直ぐに阻止し、君をこの国に閉じ込めた!

すまないと想っているけど、こうでもしないと俺は君と一生! 結ばれる

事はないと今でも思っている。




『“すまない、”』

『なんで毎日、私の顔を見る度に謝るの? そうするぐらいなら辞めて

おけばよかったじゃない!』

『俺は後悔していない! 君が俺と出会った事に後悔してほしくないんだ!』

『自分勝手よね!』

『ごめんよ、』

『・・・貴方はいつもそればかりね、もういいわ! 私もココで自分勝手に

楽しむ事に決めたわ!』

『そう! 好きにすればいいよ。』

『貴方に言われなくても、私の好きなようにするわよ!』





・・・彼女は俺にそう言った通り、“ココで好き勝手な事をし始める!”

俺は自分の責任だと君の好きなようにさせた!

ベロンベロンにお酒を飲んで俺に絡んできたり、俺の目の前で他の男と

イチャイチャして見せたり、何日か無断で家に帰って来ない事もあった。

俺は何一つ! 君に文句言わず君の好きなようにさせていた。

そのうち、君も俺の気持ちが少しは分かってくれたようで。

俺と一緒に居て、同じ時間を過ごすようになった。

俺と君はお互いの蟠りを取り除き、お互いを認め、ようやく恋に落ちる。

そして俺達の子供も産まれて、、、10年が過ぎる。






俺は君にこう言った。



『“今日で君がこの国に来て10年が経った、君の好きなようにすればいい

子供を連れてこの国を出るのもよし、君がしたいようにしていんだ!”』

『“私はこの国でこれからも貴方と子供達と一緒に暮らすわ。”』

『本当にそれでいいのか? 今この時を逃すと? またこの国から出れなく

なるんだぞ! 期限は1年間、その間にいろいろ考えるといい!』

『そうね、そうするわ。』

『・・・・・・』





君は1年が過ぎても、やっぱり子供達と俺と一緒にこの国で暮らしている。

君にとってそれが幸せなら俺はそれがいい!

“俺は誘拐犯だ!”

君を見知らぬこの国に連れて行き、強制的に俺と一緒に暮らさせた。

そんな俺でも君を幸せにできるんだと今の俺は自信を持って言えるよ。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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