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936、ドラゴン・ベランが仲間に加わる

ユリトスは言う。

「ベラン、貴様は我々に何をしたかわかっているのか?」

五味はユリトスの前に馬を進めて言った。

「ベラン、どういうことだ?」

ベランは言う。

「俺たちがおまえたちにしたことはよくわかっている。しかし、これからのことを考えると、手を組んだ方がいいと思うのだ。俺たちはガランがドラゴンの秘宝を手に入れることを食い止めたい。おまえたちは、どうだ?護衛の戦士が欲しくないか?こちらは十人、翼のある戦士が揃っているぞ」

アラミスが言う。

「戦士ならば足りている」

ベランが言う。

「剣士が三人、いや、小娘を剣士に加えるならば四人、老骨がひとり、非戦闘員の王子が三人、小娘がふたり、もうひとり非戦闘員の小男・・・足りてるとは思えんが?」

ポルトスは言う。

「足りていようがいまいが、敵のおまえたちを仲間にするほど俺たちの懐は広くない」

五味はポルトスを制して言った。

「いや、ベラン、もう俺たちと敵対しないことを誓えるな?」

ポルトスは驚いて五味の顔を見た。

「ゴーミ陛下、しかし・・・」

ベランは言う。

「それは誓おう。俺たちはおまえたちと敵対しても益はない。それよりはおまえたちと組んで、ガランの野望を挫くほうが意味があると考えた」

五味は言う。

「わかった。過去のことは水に流して、仲間になろう」

九頭は慌てたように言う。

「おい、五味」

加須も驚いて言う。

「マジか?」

五味は他のメンバーを見て言う。

「異論はあるか?俺たちは今、魔法使いがいない。飛べる者もいない。だが、ベランたちは飛べる。魔法は?」

五味はベランを見て訊いた。

ベランはニヤリと笑って言った。

「ベラン十勇士、いや、九勇士を舐めないでいただきたい」

アラミスは言う。

「どんな魔法が使えるんだ?」

ベランは答える。

「俺たちは全員ドラゴンだ。姿は俺のようなトカゲ型ではない者たちばかりだが、皆、基本的に口から炎を吐くことができる。ドラゴンならば当然備わった武器だ」

ポルトスは言う。

「他には?」

すると、ふたりいる犬のドラゴンのうち、細身の方が進み出た。

「ここにトランプの束がある。おまえたちの中で誰か一枚カードを抜いてみてくれ」

五味が近づき、一枚抜いた。

犬のドラゴンは言う。

「その数字と模様を俺に見せないで周りに見せてくれ」

五味は仲間に見せた。

ダイヤの9だ。

細身の犬のドラゴンは言う。

「そのカードを俺に見せないように、この束の中に戻してくれ、どこに入れてもいい」

五味はカードの束の中にそれを戻した。

犬のドラゴンは言う。

「では、それをシャッフルしてくれ」

五味はトランプの束を受け取りシャッフルした。

犬のドラゴンは言った。

「それを、俺に渡してくれ」

犬のドラゴンはトランプの束を、受け取った。

そして、それを見つめて念を入れた。

「みなさんが見たカードはこれでしょう?」

犬のドラゴンは一番上のカードを捲った。

それはダイヤの9だった。

五味たちは感心して嘆息した。

「おおー」

ユリトスは頭を抱えた。

「何の遊戯の時間だ?」

九頭は言った。

「これは仲間にした方がいいかもしれない」

加須も言う。

「ああ、こんな魔法が使えるなんてすごいことだ」

ラーニャは呟いた。

「魔法って言うか、手品だろ」

オーリも頭を抱えた。

「手品でしょう」

アリシアは呆然と呟いた。

「うちの男子、バカ」

ジイは言う。

「しかし、我が陛下たちはなんというお心の広さだろう。かつての敵を味方にしようとは?普通の人間にできることではありませぬ」

こうしてベランたちが仲間に加わった。


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